Heavy Tiger/ Glitter

Heavy Tiger/ Glitter
2017年 スウェーデン
『いきのいいガールズ・グラム・ロック・グループ』

 グリッターという(あの方については割愛)アルバム・タイトルとギラギラなコスチューム。これは間違いない。いきのいいガールズ・グラム・ロック・グループが登場です。
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 ストックホルムを拠点に活動する女性3人組。2014年から活動しており、その年にデビュー作『SAIGON KISS』を発表、日本でもリリースされています。本作は3年振りのセカンド・アルバムとなります。

 躍動感のあるパンキッシュなグラム・ロックンロールをやっています。ヨーロッパへ伝播したグラム・ロックの影響、つまりハノイ・ロックスやバックヤード・ベイビーズの流れを汲んだ音楽性と言えます。メロディーは、スウェーデン産、しかも女性グループということで、ポップかつ華やか。ズンズン、ザクザクとビート、リフが刻まれるパワフルな演奏、吐き捨てるようなヴォーカル共に素晴らしい。2分台の曲が中心となっており、一気に駆け抜けるように聴き終わります。
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 唯一不満点があるとすれば、録音がクリーン過ぎてロックの躍動感、臨場感が削がれている点。デジタル録音時代のロック・バンドの宿命を改めて感じました。

 アイデンティティがはっきりした素晴らしいグループです。次回作も楽しみ。

I Go for the Cheap Ones
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Vintage #18/Grit

Vintage #18/Grit
2017年 アメリカ
『パブでの演奏を聴いているかのような親しみやすいヴィンテージ・ソウル』

 ジャンルがソウルであり、グループ名にヴィンテージが付くとなれば、そういうこと。ヴィンテージ・ソウル・グループが再び誕生しております。

 恰幅の良いおばさまはティナ・ターナー風白いワンピース(セクシーかどうかと言われればセクシーと答えざるを得ない。)でバッチリ決めています。なるほど、ココ・テイラーやティナ・ターナー、エタ・ジェイムス、三大キングなどに影響を受けているとのこと。中にエイミー・ワインハウスの名前もあり、黒人音楽が継承されている様が想像出来てうれしいです。
ヴィンテージ#18は、2013年に結成された4人組ソウル・グループ。ノーザン・ヴァージニアを拠点に活動しています。今回のアルバムがデビュー作。
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 一般的なヴィンテージ・ソウルではグルーヴを大切にしている傾向がありますが、彼女達の場合、ブルースへの比重も大きいのが特徴。またギタリスト、ビル・フォルターはジミ・ヘンドリクス・フォロワーであり、絡みつくような情熱的なギターソロでサイケデリック感を醸し出しています。ロビン・カプサリス嬢によるヴォーカルは声域こそ狭いものの、重厚でふくよかな味わいがあり。他のヴィンテージ・ソウルにある熱狂こそ控えめなものの、パブでの演奏を聴いているかのような気安さが魅力と言えます。
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Vintage#18 - "Poor Me" (Official Music Video)

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Darling/Darling

Darling/Darling 
2017年 イギリス
『アイルランドの新鋭ロック・デュオ』

 荒涼とした冷たさと迸る情緒が同居するロック・サウンドは、彼らの先達であるU2やコールドプレイを彷彿とさせます。デュオにしてスタジアム・ロック級の音楽を表現しているのが凄い。

 アイルランド、ダブリン出身。ダーリンはギター、プログラム担当のゲイリー・ハーディングとヴォーカル担当のジェイムズ・マクガイアの二人によって2012年に結成されました。デモ音源をネット等で公開していたところを、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、グレース・ジョーンズ、ウルトラヴォックス、ペットショップ・ボーイズなどを手掛けたことで知られるプロデューサー、スティーブン・リプソンの目に留まり、彼の後押しを受ける形で本作が完成。これがデビュー作となります。
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 デュオとは言え、録音は鍵盤入りのフル・バンド形態で行われています。80年代~90年代に掛けてのロックからの影響が強く、低音がズンズン響くダイナミックなロック・サウンドでありながら、前述したようないかにもアイルランドのグループらしい個性を持っているのが特徴。キラキラとしたギター、爽やかなコーラスが浮き上がるアレンジが施されており、アコースティックで幻想的な味わいがあります。U2、コールドプレイからの影響は固まりのまま、曲に収まっている状態。それを加味しても素晴らしいロック作品であると言えます。

※お知らせ
現在、記事の書き溜め期間に入っており、少しばかり更新が遅くなります。
二日に1日更新くらいを目安に頑張りますのでよろしくお願い致します。
読んで頂きありがとうございます。

Bright Light Switch
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Amber Gomaa/Moonchild

Amber Gomaa/Moonchild
2017年 オランダ
『アフリカ、ディスコ、プリンス、マイケルが詰まっています。』

 スペーシーでシアトリカル。シンセとギターが生み出す宇宙を縦横無尽にヴォーカリーズが飛び交う。更に中近東、中華など入り乱れる民族音楽色による雑多なイメージがエネルギッシュに音楽を彩っています。

 オランダ、アムステルダムを拠点に活動する女性SSW、アンバー・ゴマー。オランダ人とエジプト人のハーフです。2015年よりネットを通じて音楽活動を開始しており、本作は恐らくセカンド・アルバムとなります。彼女のフェイスブックによると、影響を受けた音楽として80年代音楽を挙げており、特にプリンスへのリスペクトが大きかったとのこと。またポール・サイモンの1986年作『グレイスランド』からインスピレーションを得たとも記述されています。『グレイスランド』はポール・サイモンの代表作にして問題作。南アフリカのミュージシャン達との共演により、アフリカン・ミュージックを大胆に導入した素晴らしい音楽です。
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 そして出来上がったアルバムがこちら。プリンス、マドンナ、アフリカ音楽、ドナ・サマーなどの要素が混ざり合い、濃厚な音楽が完成しました。デジタル・ビートとシンセを中心としたアンサンブルはすっきりしており、吐息がセクシーな透き通ったヴォーカルと相性抜群。メンバーにコーラス二人を加えており、前述した通り広い空間を感じさせるヴォーカリーズを実現させています。遊園地のような煌びやかな音楽なのですが、リズムがどっしりとしており整合性は取れています。

Who's Loving You
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森田童子/ラスト・ワルツ

森田童子/ラスト・ワルツ
1980年 日本
『洗練されつつも彼女自身のやりたいことを突き詰めたアルバム』

 4枚目のアルバム。千代正行編曲。不勉強で知りませんでしたが、石川さゆりや中森明菜、竹内まりやなど女性歌手を中心としたセッション・ギタリストとして活躍している凄い方です。アコースティック・ギターを得意としていますが、編曲はストリングスがフューチャーされたドラマティックなものとなっています。前作のライブ盤からの流れとして「讃美歌」のような楽曲もいくつか収録されているのもポイント。
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 震えて不安定なヴォーカルが魅力だった森田童子ですが、このアルバムから少しずつ歌声が安定していきます。寂しさは相変わらず纏っています。また前述した「讃美歌」のような楽曲、例えば「グリーン大佐答えて下さい」では、学校の唱歌のようなソプラノ・ボイスを披露。Ipodなどを使って、シャッフルでこの曲が流れてきたら最初は森田童子の曲と分からないかも、というくらい、これまでと異なる歌い方をしています。

 『ラスト・ワルツ』というタイトルからは、彼女の生きた世界への区切りとして制作されたことが伺えます。これまでの集大成を感じさせる楽曲が多く、それぞれの楽曲にある物語をストリングスが盛り立てています。洗練されつつも彼女自身のやりたいことを突き詰めたアルバムだと思います。

みんな夢でありました
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