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Natsu Summer/Hello, future day

Natsu Summer/Hello, future day
2017年 日本
シティポップ・レゲエには無限の可能性が!?』

 Natsu Summerのファースト・アルバム。デビュー作であるEPの時と同様、リリース時に紹介できず、真冬でのレビューとなってしまいました。ごめんなさい。

 シティポップ・レゲエというジャンルを掲げて、クニモンド瀧口のプロデュースの元、活動しているシンガーです。
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 前作まではシティポップ・レゲエという括りの中でバリエーションに挑戦していたと思うのですが、本作ではエレクトロ要素を上げて純然たるシティ・ポップな楽曲が多くなっています。夏らしい爽やかさに溢れた楽曲群は素晴らしい出来。さすがクニモンド瀧口のお仕事、夏らしさ満点で洗練されたキーボード捌きにはワクワクさせられます。爽やかでキラキラしたNatsu Summerのヴォーカルも健在。レゲエ・ナンバーでなくなったことで、シティ・ポップ・ファンど真ん中の魅力的なアルバムに仕上がっています。

 ただ何かが引っ掛かる。これが3枚目、4枚目辺りならば、諸手を挙げて絶賛するところなのですが、ファースト・アルバムです。シティポップ・レゲエの看板はまだ強調すべき時期だったと思うのです。クニモンド氏のプロデューサーとしての活躍は目覚ましいので、弊害として彼のプロデューサーの色で染まった作品がいくつかあると個性が埋没してしまいます。ズバリ一十三十一にかなり近いサウンドになってしまったような・・・・・・。例えばレゲエの古典をシティポップ・レゲエのスタイルでカバーするとか、どうでしょうか。

 最後に一所懸命フォローするわけではありませんが音楽は素晴らしい。吹雪にも負けないキラキラ感。Natsu Summerという名前のイメージにはピッタリのアルバムに仕上がっています。

ナツ・サマー/恋のタイミング
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Glen Hansard/Between Two Shores

Glen Hansard/Between Two Shores
2018年 イギリス
『歌詞が気になるので日本盤が欲しい』

 アイルランド出身のシンガーソングライター、グレン・ハンザードの3枚目。ユニオンのページでは”映画『コミットメンツ』や『ONCE ダブリンの街角で』で広く知られる”と紹介されているのですが、自分は全く知りませんでした。とにかくいい声で渋いバラードを歌い、ヴァン・モリソンみたいだな、とチェックした次第。
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 1970年、アイルランドのダブリンにて生まれたグレン・ハンザード。13歳で学校を辞めて路上演奏を始めた彼は、1990年の自身のバンド、THE FRAMESを結成。アイルランドで積極的にギグを行いました。1991年には先述した映画『コミットメンツ』の音楽を担当。以降、いくつかの映画音楽を携わりながら、THE FRAMESや男女デュオThe Swell Seasonの一員として活動。その合間を縫って2008年からはソロとしても作品を発表しており、本作もその一つです。尚、影響を受けたミュージシャンとして、ヴァン・モリソン、レナード・コーエン、ボブ・ディランを挙げてます。

 内省的なバラード、ブルースを中心とした内容。ハミングでうねるような節回しはボブ・ディランやヴァン・モリソンを、ゴスペルのように荘厳なオルガンの調べはレナード・コーエンを彷彿とさせます。少しガナリ気味の歌声は美声とは言えないものの、感情が籠っており惹きつけられます。地味ながらも時々思い出して繰り返し聴いている一枚です。

Your Heart's Not In It
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J.S.バッハ 管弦楽組曲第2・3番 ブランデンブルク協奏曲第5番 リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団

J.S.バッハ 管弦楽組曲第2・3番 ブランデンブルク協奏曲第5番
リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団
1960年代 ドイツ
『バッハはおめでたい』

 バッハの管弦楽組曲を聴こう、ということで名演と名高い本作を選択しました。素晴らしい内容が保証されているのにも関わらず、1000円という低価格がうれしい。
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 通常、作曲家や指揮者についての紹介記事を交えますが、今回はバッハ、リヒター共にお馴染みの大物と言えるので省略致します。管弦楽組曲第2・3番の感想について書いていきたいと思います。

●管弦楽組曲第2番
全7曲の構成。フルートのソロパート、及びチェンバロの導入が特色とのこと。弦楽合奏による壮麗なメロディーと、フルート独奏によるほのぼのとした優しいメロディーの対比が鮮やかです。華やかさと軽やかさが同居するスタイルはバッハの王道と言えるものでしょう。結婚式の待合室にいるかのような錯覚に陥る、エレガントさ。年末の大掃除の際には、この曲をBGMにしようか。

●管弦楽組曲第3番
 ピアノ・アレンジで生まれ変わった「G線上のアリア」の原型である第2曲「エア」を含んでいる有名組曲。トランペット3菅、ティンパニなど、第2番と比べると分厚いオーケストラが楽しめます。正直に言うと、第2番を聴き終えた後、第3番の序曲でドカンと派手にやられた時には、「俺は今お腹いっぱいだ!」と胃もたれを実感していました。バッハの序曲は派手さが命だから、仕方ありません。それを救ったのはやはり第2曲「エア」の美しい弦楽合奏の調べ。先ほどは、本作を年末の大掃除のBGMに、などと申しましたが、この曲が流れて来た時には中断して、冷蔵庫から羊羹を出して来るビジョンが浮かびました。この曲以降は、軽やかな楽曲が最終の5曲目まで続きます。

管弦楽組曲第2番 リヒター指揮 1961年
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空気公団/僕の心に街ができて

空気公団/僕の心に街ができて
2018年 日本
『キャリア総括後の巻き戻し』

 10枚目のアルバム。近年はベスト盤発表に伴う、ベスト選曲ライブ・ツアーを敢行しており、その後に発表された作品ということになります。
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 ジャケットは志村貴子によるイラスト。女性らしい雰囲気で何となくいい予感がします。レコーディングはメンバー3人のみで行われたとのこと。

 熱心なファンからのニーズを先のツアーで改めて感じ取ったのかどうか。それは僕には知る由もないのですが、以前の空気公団の音楽性に巻き戻されています。初期ほどインディーズ然とした籠ったサウンドでもない。スウィングするドラムと丁寧に重ねられたキーボードといった達者な演奏は、今の空気公団ならではのもの。それでも淡々としながら(ポストロック要素を内包しつつ)、感傷をたっぷり込めたメロウな楽曲群が揃っており、『夜はそのまなざしの先に流れる』あたりから始まり、前作『ダブル』で高まった実験精神は影を潜めています。個人的には前作の感想で「もっとセンチメンタルを」と見出しに書いていたほどなので、大歓迎な内容となりました。そこかしこにジャジーな要素は残っており、特に中盤のピアノ・インスト「思い出の全て」辺りには、前作までの名残を感じます。しかし唐突な感じはなく、溶け込んでいる印象。素晴らしい。

空気公団 "うつろいゆく街で" (Official Music Video Full Ver.)
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SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT

SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT
1972年 イギリス
『これほどの名盤が日本初CD化だったとは』

 『ナイス・プライス・ライン・リターンズ』で再発されたアルバムを紹介するシリーズの第二回。今回はサザーランド・ブラザーズのセカンドを紹介します。当初は、このシリーズのアルバムを一挙に紹介する予定だったのですが、色々他にもレビューしたいアルバムも出てきているので、月1枚程度の更新となります。ご了承ください。
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 ロッド・スチュワートの「セイリング」のオリジナルが収録されている、というのが本作のウリ。実際、帯叩きにもガツンと書いてあります。ただ、今の若者には響かないような・・・・・・「セイリング」のCMが流れたのはいつの頃だったか(検索中)1995年でしたか。であれば、もうおじさん以上でないとキャッチコピーとして通用しないでしょうね。

 ロッドは自身も素晴らしい作曲家ですが、マイナーな楽曲を拾い上げてカバーすることも得意としています。1975年にカバーされた「セイリング」もその一つでしょう。

 アイルランド出身のサザーランド兄弟が前作のファーストで組んでいたバンドを解散して、デュオ名義でリリースしたのが本作です。アメリカ南部のスワンプ・ミュージックへの憧れをブリティッシュ由来の叙情的でポップなメロディーに包んで表現したサウンドが特徴。デュオ名義ではありますが、スティーヴ・ウィンウッドやデイヴ・マタックスなどアイルランド出身のセッション・ミュージシャンが多数参加。イギリスならではのパブ・ロックが楽しめるアルバムです。

 今回の再発で改めて良い曲が揃っていることを再確認しました。帯は「セイリング」推しにならざるを得ない状況ではありますが、アルバムでは「セイリング」は休憩ポイントのバラードとなっており、捨て曲無しの素晴らしい内容です。尚、同時に再発されたファースト・アルバムも甲乙つけがたい素晴らしさ。セットで購入されたし。
初の日本盤化とは意外です。そういえば、このアルバムも新宿まで遠征して購入したという記憶があります。サザーランド・ブラザーズは本作発表後、クィーバーというグループと合体し、サザーランド・ブラザーズ&クィーバーと名乗るのですが、その名義で本作を1977年に出し直しています。内容も異なるため、二つを集めようと必死になっていたのですが、後日、CDとして流通しているのはCBS盤(77年)のみだと判明して脱力したのでした。

Sutherland Brothers Band - Real Love (1972)
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