The Preatures/ Girlhood

The Preatures/ Girlhood
2017年 オーストラリア
『初期ブロンディみたいなカッコよさ』

 オーストラリア、シドニーを拠点に活動するロック・バンドのセカンド・アルバム。女性ヴォーカルをフロントに、4人の野郎ロッカーがバックを固める布陣はまるでブロンディ。だったのですが、どうやら2017年に入ってメンバーが一人脱退してしまった模様。つまり現在はショッキング・ブルー的な4人編成です。サウンドはパンキッシュなロックンロールをやっており、やはりブロンディを彷彿とさせてくれるのがうれしいです。
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 タイトルとなっているガールフッドは少女時代という意味。前述した通り、パンキッシュなロックンロールがベースですが、女性ヴォーカルに少しエコーが掛かっており、少しノスタルジーな雰囲気を生み出しているのが特徴。結構なおじさんである自分が聴くと「80年代だな」という感想をついつい抱いてしまうアレンジです。緩急の付け方がうまい楽曲群、少し巻き舌の姉御ヴォーカル、タイトなバンド・サウンドが素晴らしい。英米と同じロックンロールながら素朴さを感じさせるのは、イージービーツやAC/DC、ビージーズ等を生んだオーストラリアならではの人懐っこさが出ていて素敵です。

難を言えば、2~3分台のビシッと締まったロック・ナンバーが魅力的な一方で、2曲目3曲目で5分台を続けてしまった構成は(コンセプトの趣旨は分かりやすいのですが)ちょっと失敗だったかもしれません。

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かっこいいな。

The Preatures – Girlhood
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Thelonious Monk/ Underground

Thelonious Monk/ Underground
1968年 アメリカ
『ジャケとの相乗効果で楽しさ倍増』

 ボブ・ディランの『地下室』と似たジャケットが気になって購入。(調べてみましたが確たる情報は見つからず)セロニアス・モンクは今回で5枚目です。即興と本筋の境界線が見えないような、スリリング且つ美しい旋律を聴かせてくれるピアニスト兼作曲家。
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本作での参加メンバーは以下。
Thelonious Monk(piano)
Charlie Rouse(tenor sax)
Larry Gales(bass)
Tommy Williams(bass)
Ben Railey(drums)
Jon Hendricks(vocal)

 セロニアス・モンクはこの時、50歳。53歳(1971年)には隠居体制に入ってしまうので、晩年の作品ということになります。収録曲は全7曲で5曲目の『Easy Street』のみスタンダードであり、他の曲は全て自作曲となります。

 この時代のセロニアス・モンクは初めて聴きました。ピアノのスタイルが落ち着いている。いや、音数を抑えて表現しようとしているように思えます。これはこれでやはりかっこいい。自在に閃くアドリブも健在です。また、アンサンブルも、モンクのコロンビア期を支えてきたメンバーが多く参加しているだけにコンビネーションはバッチリです。

 個人的に気に入ったのはまず3曲目「Raise Four」。延々と続くと思われるピアノのリフレインから徐々に崩れてアドリブ・パートへ。最初の無愛想な冷たさから一転、お茶目なセッションへと表情が変わるのが楽しい曲です。そしてラストに置かれた「In Walked Bud」。
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Electric Angels/Lost In The Atlantic

Electric Angels/Lost In The Atlantic
1990年頃 アメリカ
『LAメタル末期の忘れ形見』

 中学生の頃、将来バンドを組んだとしたらどんなバンド名にするか考えたことがあったのですが・・・エレクトリック・エンジェルス。このバンド名は盲点でした。やられました。

 そんな素敵な名前を持つグループのアルバムだったので聴いてみました。調べてみると後にGUNS’N ROSESに加入するギルビー・クラークが在籍していたロサンゼルスのバンド、CANDYを母体としたグループらしく、90年にファースト・アルバムをリリースしたのみで解散しているとのこと。未発表となってしまったセカンド・アルバムをリマスターして発掘音源として発売したのが本作となります。
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 内容もバンド名を裏切らない最高のもの。LAメタルの遺伝子を感じさせるグラマラスなロックンロールを全編で展開しています。頭が緩・・・いや、ポジティヴ思考の塊のようなシャウト、ルーズに繰り返されるギター・リフ、「俺たちは無敵」な感じの野郎コーラス。正にエレクトリック・エンジェルスという名にふさわしい音楽であります。
引き締まったバンド・アンサンブル、平均3分台とコンパクトにまとめられたポップで溌剌とした楽曲群、共に文句なし。発掘音源から知ったグループですが、ファースト・アルバムも聴いてみようと思います。

Electric Angels - New York Times
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Spencer the Rover/The Late Album

Spencer the Rover/The Late Album
2017年 ベルギー
『英国のポップ職人へのリスペクトが詰まったアルバム』

 大学が密集しているというベルギーの都市、ルーベンを拠点に活動しているポップ・グループ、スペンサー・ザ・ローバー。2001年にデビューしており、本作は3枚目のアルバムとなります。
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 影響を受けたミュージシャンではRon Sexsmith, Wilco, Rufus Wainwright, Joni Mitchell, Steely Dan, Paul McCartney, Neil Young, XTC, Beach Boys, Richard Thompson, Bob Dylan, Hayden、という具合に英米、カナダのメロディー・メイカーが並んでいます。

 編成は基本的な4人組でキーボードやシンセサイザー、フルートなどを各メンバーで分け合っているとのこと。ヴァイオリンなどの
ストリングスはセッション・プレイヤーが参加しているようです。音楽性はフェアポート・コンヴェンションや中期ビートルズからの影響を感じさせる、ほのぼのとした優雅なポップス。所々で荘厳且つスペーシーなアレンジが挿入されておりクリムゾンやピンク・フロイドの影響も垣間見えるのが印象的です。

 英国ポップスをよく研究されたのであろう、と推察されるほどに耳馴染みが良く落ち着いて聴ける良曲が揃っています。加えて細かいところにヴァイオリンや笛の音を入れているなど、凝ったアレンジも聴きどころ。再生する度に新しい音に気付かされる楽しさがあります。

 英国らしい仕掛け時計を題材にしたジャケからも分かる通り、英国のポップ職人へのリスペクトが詰まったアルバムでした。
Spencer the Rover/Late March
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Amy O/Elastic

Amy O/Elastic
2017年 アメリカ
『ジャケとは裏腹にパンキッシュ』

 ジャケから受ける印象ではフォーキーな女性SSWかな(レスリー・ダンカンっぽい)、と思っていたのですが、ギターリフが小気味よく刻まれる、パンキッシュなロック・サウンドが展開されています。
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 インディアナ州ブルーミントンを拠点として活動する二人組の女性デュオBrenda's Friendに所属しているエイミー・エルスナーによるプロジェクトとのこと。ソロ・プロジェクトながら鍵盤を含む5人編成のバンドとなっています。

 チープで可愛らしさを演出するシンセ、物憂げな女性コーラス、ギターリフが丁寧に折り重なっているところが聴きどころ。演奏は総じてラフであり、シンプル。疾走感のみを大事にしています。その分、メロディーの展開は凝っており、気まぐれな鼻歌のような楽曲群は無邪気な魅力があり。

Sunday Meal
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