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Gareth Pearson/A Tweak on Antique

Gareth Pearson/A Tweak on Antique
2019年 イギリス
『のどかなギター・インスト』

 イギリス、ウェールズ出身のギタリスト、ギャレス・ピアスンのサード・アルバム。

 フィンガー・ピッキング・スタイルによるギター・インスト作です。
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 端っこに顔だけ出している猫がいい塩梅のジャケットが切っ掛けで聴いてみました。

 本人のギター・ソロ作と、バンド編成によるセッション、という二つの構成で録音されています。オリジナル曲が7曲、ドク・ワトソンによるブルーグラスの名曲「Black Mountain Rag」、ショスタコーヴィチの「Waltz No.2」、ハリー・ダクレ作曲の流行歌「Daisey Bell」というラインナップのカバー3曲、計10曲という内容。

 カバー曲は有名なものばかり。軽妙なギター・インストへと見事にアレンジされており、そのセンスがうかがい知れます。過去作ではマイケル・ジャクソンの「Thriller」などもカバーしており、親しみやすい入り口を作り、魅力を知ってもらおうという心意気に感心。

 柔らかく滑るギターの音色が素晴らしく、若手ギタリストの有望株として高い評価を得ているのも納得の腕前です。オリジナル曲は、清々しく優雅なメロディーが心地よい。一部の輸入盤店がネット通販をしています。

Daisy Bell (Bicycle Built For Two) - Gareth Pearson

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Vulfpeck/Hill Climber

Vulfpeck/Hill Climber
2018年 アメリカ
『もう熟れていますよ』

 ヴルフペックの4thアルバム。フォークやファンク、テクノ、8ビットチューンなど、ジャンルごった煮のR&Bグループとして活動しています。デビュー・アルバムとなった『Thrill of the Arts』以降、年1枚のハイ・ペースで新作を発表し続けているところもポイント。メンバーはJack Stratton、Theo Katzman、Woody Goss、Joe Dartの4人。それぞれマルチ・プレイヤーであり、ヴォーカルも分担しています。今までのレビューはこちら
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 毎回、少しずつコンセプトを変えてくる彼らの作品。前半はAOR風という印象を受けます。彼らの初期作で、黒さ、ファンキーな魅力にやられていたので、この変化は少々残念。中心人物であるテオ・カッツマンの趣向が反映されたのでしょう。後半はインスト・パートとなっており『THE GAME』あたりのクィーンを彷彿とさせる、ポップなファンク・チューンあり、ファミコン風インストあり、ディスコ調インストあり、とバラエティー豊かな音楽性は相変わらず。ゲスト参加曲は4曲で主に女性ヴォーカルをフューチャーしたものとなっています。尚、フューチャリング名義でテオ・カッツマンの名前がありますが、これはヴォーカル曲で彼をフューチャーしました、という意味でしょう。ゲストではなく、彼はメンバーです。

 聴き終わってみれば、キラキラしたエレピが素晴らしく、AORな前半もお気に入り。いいアルバムです。

 自分としては初期のEP群、及びファーストからセカンドに掛けてが今の所、ピークという印象。それはそれとして。ライブは素晴らしいのでしょう。
 
 洋楽ファンにも十分、彼らの名前が知られてきた今。まだ来日していないという事実にも焦らされております。時間がもったいない。もう熟れていますよ。

Half of the Way (feat. Theo Katzman)
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SISTER SPARROW & THE DIRTY BIRDS/Gold

SISTER SPARROW & THE DIRTY BIRDS/Gold
2018年 アメリカ
『敢えて再発見と言ってみる』
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 ジャケットから想像した柔和なフォーク作品とは対照的な内容。パワフルなソウル・アルバムでびっくりしました。

 ブルックリンを拠点に活動している7人組ソウル・バンド、シスター・スパロー&ザ・ダーティ・バーズ。2008年に結成されており、本作で4枚目のアルバムとなります。
現状のメンバーは以下の通り。
Arleigh Kincheloe: vocal(SISTER SPARROW
Jackson Kincheloe: harmonica
Josh Myers: bass
Dan Boyden: drums
Phil Rodriguez: trumpet
Brian Graham: baritone and tenor saxophones
ブラス隊はともかくとして、ハーモニカ専任メンバーがいるのは珍しい。(実際はギターも弾いています)
この他、曲によっては鍵盤奏者が加わります。
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 まず、アレサ・フランクリンの再来、とまで評されるアーリー・キンケローの歌声が凄い。エネルギッシュなシャウトから沈み込むような渋い低音まで、聞き惚れてしまう状況。響き渡る声量は重厚なバンド・サウンドを凌駕しています。本作はスタジオ盤なので半信半疑でしたが、セッション映像も検証済み。あれ、こんな凄いグループ見逃していたのか。と自身のブログを検索したところ、2015年にレビューしていました。
 ソウルを基盤としつつ、ロック要素もミックスしていて親しみやすい音楽性。陽気なブラス隊、ブルージーなハーモニカの仕事が素晴らしい。

 どうやらまだ来日はしていない模様。今後の活躍に期待です。

Gold
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DON SHIRLEY/THE MUSIC OF DON SHIRLEY

DON SHIRLEY/THE MUSIC OF DON SHIRLEY
1950年代録音/2006年発表 アメリカ
『ショパンは入っていないが』

 映画『グリーンブック』で主役として描かれたジャズ・ピアニスト、ドン・シャーリーのベスト・アルバム。
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 ボヘミアン・ラプソディーを抑えてアカデミー賞作品賞を取った音楽映画、ということで自分も観に行きました。割と空いていましたが、いい映画でした。また機会があったら映画の感想は書きます。さて映画ではドン・シャーリー(役の人による)の演奏シーンが当然ながらフューチャーされているのですが、クラシックからの影響が大きいジャズ・ピアニストという個性が十分に伝わっては来なかった印象でした。サントラ、あるいはイメージ・アルバム的なものもリリースされているグリーン・ブックですが、ここはドン・シャーリーの音楽をたっぷり聴くべくCDでリリースされているアルバムを探します。ところが多くの作品が入手困難であり、且つプレミアが付いている状態。映画の影響でしょう。そんな中、ベスト盤である本作(タイトルはGOLDEN CLASSICSというもので登録されています)だけは安価で入手可能となっていました。ちなみにAMAZONで現在、1569円、1~2カ月で入荷となっており、自分も注文から1カ月程度して届きました。

 アメリカの再発レーベルとして有名なコレクタブルによる編集。2006年にリリースされており、恐らく映画発表後、再発したものと思われます。映画で印象的だったターコイズグリーンのキャデラックをジャケットにフューチャーしているのは、グッジョブ。ただし解説などは一切付いておらず、ジャケットのペラ紙1枚だけという仕様はいただけません。せめて収録曲のクレジットは欲しかった所。

 ドン・シャーリーは作曲もしましたが、アルバム発表ではピアニストの活動に基軸を置いており、収録曲のほとんどがカバーという構成です。ブルース、ジャズ、ポップスと幅広いレパートリーを取り上げています。尚、クラシック音楽の作曲には、積極的に携わっており交響曲も書いているとのこと。

 先に書いたようにクラシックからの影響が大きいジャズ・ピアニスト、という個性を存分に楽しめるという点で満足な一枚。多くはドラムレスであり、ピアノと弦楽器を中心とした、穏やかで美しいジャズを聴くことが出来ます。イージーリスニング的で癒される聴き心地である一方、ピリピリとした緊張感も同居している辺りがポイント。正直なところ、映画が無ければ、発見できなかったミュージシャンでした。逆に言えば、映画でドン・シャーリーを知ったなら(配信でもいいので)彼の音楽を楽しんで損はありません。

※映画では、ショパンのエチュードOP. 25 第11番「木枯らし」を演奏しているところが素晴らしいのですが、本作にもサントラにも入っておりません。自分が調べた限り、オリジナル・アルバムに収録されていることも確認できなかったので、当時演奏はしていてもレコーディングはしなかったのかもしれません。また見つけたら追記します。

Don shirley - Stand by me
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LAWRENCE/LIVING ROOM

LAWRENCE/LIVING ROOM
2018年 アメリカ
『来日公演を見逃していたことは平成最後の痛恨事』

 以前、こちらでも紹介していたローレンスですが、セカンド・アルバムがリリースされました。前々から来日してほしいな、と願っていたグループですが、2019年1月にブルーノート東京で初来日公演を行っていた模様。情報収集が不足していたことを悔やむばかり。今回、リリースされたセカンドは国内盤もリリースされており、初来日も実現。彼らの勢いを感じることが出来てうれしいです。
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 クライドとグレイシーによるローレンス兄妹によるユニット、ローレンス。ヴィンテージ・ソウルの流れを汲むグループで、特にモータウン、ニューソウル系の甘く爽やかなソウル・チューンを得意としています。

 タイトルこそ『LIVING ROOM』と付けられていますが、メンバー8人の大所帯。管楽器3人、ドラム、ベース、ギターの6人にヴォーカル&鍵盤のクライド、ヴォーカルのグレイシーという編成です。これに楽曲によってゲスト・ミュージシャンが参加。

 基本的には前作同様にスティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせる甘くポップなソウルが楽しめます。8人のミュージシャンによる分厚いアンサンブルは強力。ジャクソン5へのリスペクトが溢れ出てしまっている楽曲(「Whoever You Are」「Limbo」)がある辺りも前作同様です。

よりカッチリしたプロデュースが為されており、スムーズな聴き心地。

グレイシーのヴォーカルの比重が上がっているところもポイント。パワフルな歌唱で幅が広がっています。

新機軸としては、12曲目「Last Song」辺りがダイナミックなアメリカン・バラード調で印象的。90年代のエアロスミスを彷彿とさせる、ブラス隊とコーラスの煽りがコテコテで強烈です。

60~70年代のソウル・クラシックをカバーしたyoutube動画を数々発表しているローレンス。現状、それらを超える名曲は生まれていないのが残念な所ですが、着実に近づいている感じがします。ソウル・ファンのみならず、70年代中盤までのロック、ポップスが好きな方には是非聴いてほしい一枚。

Make A Move
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