Albert Lee/Hiding

Albert Lee/Hiding
1979年 イギリス
『カントリー愛全開のほのぼのアルバム』

 1978年、エリック・クラプトンのバンド・メンバーとして迎えられたギタリスト、アルバート・リーが、その翌年に発表した初のソロ作。
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作品は、プロデューサーであるブライアン・エイバーンのつてでエミルー・ハリスのバンド・メンバー(ホット・バンド)が集結したアメリカ録音、古巣であるヘッズ・ハンズ&フィートのメンバーをバックにしたイギリス録音からなっています。

 バンド時代は自作曲に拘っていた彼ですが、ここではカバー曲も多く採用。チャス&デイヴの提供曲、エミルー・ハリスの作曲パートナー、ロドニー・クロウェルの提供曲の他、ルーヴィン・ブラザーズ、ダイアー・ストレイツなどのナンバーが収録されています。

 早弾きギタリストでもあるアルバート・リー。もちろん流麗なブルース・ギターを堪能出来るのですが、どちらかと言えば、ゆったりとしたリズムに程よく枯れた歌声が乗るレイドバックな味わいが特徴です。

 エミルー・ハリスの艶やかなハーモニー、軽快な演奏が楽しめる良いアルバム。2016年に再発されています。

Billy Tyler
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135/IV-fortune-

135/IV-fortune-
1991年 日本
『90年代サウンドにグループの個性を順応させたアルバム』

 135の再発盤レビューも4枚目となりました。そろそろ書くことも無くなってくるのでは、という心配もありつつ続けます。

 クレジットには大きな変化がありません。メンバーの3人と林有三の編曲により制作されています。
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 ドラムがかなり軽い叩き方をしており、サウンドは軽快なものへと変化しています。現在の耳で聴くとペラペラだなと思うところもありつつ、それでも鍵盤楽器の煌びやかさが強調されているので、これはこれで新鮮な音楽となっています。尚、一発録りと思しき「Callin’」だけが厳粛な雰囲気を持っていて浮いているのもポイント。アジア音階は健在。今回のアルバムでも琴やヴァイオリン、サックスが入っています。しかし音の隙間を十分とっており、キーボードの透明感を損なわないように配慮されているように感じました。

 90年代サウンドにグループの個性を順応させたアルバムです。トリッキーな歌詞が無くなっており、そのことに寂しさを感じつつも
洗練された魅力が楽しめます。

 尚、再発盤にはミニアルバム『Pentangle』がカップリングで収録されています。鍵盤奏者やパーカッション奏者がセッションに参加しており、『IV-fortune-』と同傾向ながら強めのバンド・サウンドが特徴。二胡が入っているため、民族色は残っていますが歌謡ロック度の高いキャッチーな楽曲が揃っています。

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ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES

ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES
1973年 アメリカ
『ドノヴァンとのデュエットが貴重』
 
 2011年にリマスターされたアリス・クーパーのカタログ。これを日本盤で揃えようと思うと、紙ジャケ盤かタワーから限定で再発された廉価盤か、選ぶことになります。アリス・クーパーの紙ジャケは仕掛けが凝っていて楽しいのですが、如何せん高いのが悩みどころ。税込み3200円にプレミアが付いて3900円くらいが相場になっています。しかしタワーの廉価再発も見逃してしまったので、こちらで集めるしかない状況。ワーナーの「FOREVER YOUNG」シリーズにラインナップされる日を待つという手が一番賢明なのかもしれません。

 前回は『Eighteen』のレビューを書きました。今回は『School’s Out』を飛ばして『BILLION DOLLAR BABIES』について書こうと思います。本作は移籍後4枚目のアルバム。ブラスやストリングスが煽る派手なアレンジは演劇調で、アリス・クーパーの個性が確立されています。マーク・ボラン、キース・ムーンが参加しているとのことで、鋭いギター、太いドラムなど、うねるロック・サウンドにはブリティッシュ・ロックの影響が感じられ、彼らの後押しがあったのでしょう。例えば「Unfinished Sweet」はクィーンを彷彿とさせます。
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 ハイライトはドノヴァンとのデュエットが聴けるタイトル曲。アリス・クーパーと渡り合う怪人振りを披露しているドノヴァンが素晴らしい。この曲を含め、作曲面ではポップ且つ無駄が無く派手な曲が並んでおり、完璧な出来。さすが名盤です。リマスターの効果も絶大で、ハッキリクッキリ聴こえます。初期にCD化されたタイトル群が如何にダメな音質だったか改めて思い知りました。

Elected
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佐藤奈々子/Sweet Swingin'

佐藤奈々子/Sweet Swingin'
1977年 日本
『ジャケ通りの甘さ』

 女性SSW、佐藤奈々子。作曲パートナーとして佐野元春、アレンジにジャズ・ギタリストの横内章次を迎えて制作されたセカンド・アルバム。
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 気怠いヴォーカルと優雅なジャズ・アレンジの組み合わせは相性がいいです。ゴールデン・ポップス風のノスタルジックなファーストと比べるとセクシーな大人っぽさが強調されています。上品でおしゃれなアレンジのたまものでしょう。

 実は10代の頃にこのアルバムを持っていたのですが、ファーストに比べて地味に感じて一度手放しています。今回、久しぶりに聴いてみると、なるほど、このだるーい感じではメタル大好きな当時の自分は受け付けなかっただろうな、と感じました。休日の掃除中にこれを掛けていたら、「チープ・ダンス」のところでいつもの部屋が素敵に見えて来ました。

ミューズの恋人

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THERAPY/ONE NIGHT STAND

THERAPY/ONE NIGHT STAND
1973年 イギリス
『英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバム』

 本日は1970年より活動を開始したフォーク・グループ、セラピーのセカンド・アルバムをご紹介。前作のレビューはこちら。前回のアルバムではプロデューサーにコリン・コールドウェルが付いていたり、12の星座をテーマとしたコンセプト・アルバムだったり、と話題満載でした。しかし本作はメンバーが一人抜けデュオ体制となり、加えてレーベルもドロップ。自主制作盤です。そしてA面がカバー曲、B面がトラッド曲というオリジナル曲無しという構成。地味すぎる・・・・・・更に自分に対して小西勝氏の解説文の一節「オリジナル曲を切り捨てたのはちょっと残念」の文字が精神ダメージを与えてきます。
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 デュオとなった彼らですが、ゲストでリズム隊が参加しています。A面はジョニ・ミッチェル「Carey」「Big Yellow Taxi」、メラニー「Brand New Key」、ジャズ・スタンダード「Twelfth Street Rag」、ダンカン・ブラウン「Journey」、ビートルズ「Honey Pie」、イアン&シルヴィア「Someday Soon」というラインナップ。自主盤とは言え、適度な緊張感のある演奏で、音質も申し分ありません。女性ヴォーカルの凛々しい歌声も細やかなピッキングを披露するギターも素晴らしい。トラッド・サイドでの優しい演奏も心地よいです。素朴なフォーク・グループ作品という趣。英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバムです。

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