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Isaac Hayes/ Juicy Fruit (Disco Freak)

Isaac Hayes/ Juicy Fruit (Disco Freak)
1976年 アメリカ
『いいなー』

 『Shaft』など一連の70年代ブラック・ムービーの音楽で馴染み深かったアイザック・ヘイズですが、
その後ディスコ・ミュージックへと傾倒していたことは知りませんでした。
とっても楽しそうなジャケ(アルバムタイトル通りの)に釣られて購入。
本作はソロ名義での4枚目に当たります。
Isaac_Hayes_Juicy_Fruit_(Disco_Freak).jpg

 プロデュースは本人が担当。
演奏はムーヴメントというグループ名でクレジットされていて、
当時のアイザック・ヘイズご用達のセッション・プレイヤーが名を連ねています。
コンガや管楽器隊、バックコーラス隊など、
多数のゲストを含む豪華な布陣で製作されたアルバムのようです。

 今までダンディでクールなイメージで捉えていたのですが、
ディスコ作ということで軽やかなダンス・チューンを多く収録。
お茶目なアイザック・ヘイズを新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。

 群衆のSEが長々と続く導入のタイトル曲はちょっと冗長に感じてしまいましたが、
こってりと濃厚なバラード・ナンバーと、骨太でファンキーなアップ・チューンを軸とした充実した内容でした。
また、ブラスやストリングス、コーラス隊の導入の仕方が凝っており、
アレンジャーとしてのセンスの素晴らしさにも感服。
アップテンポ・ナンバーでのシンコペーションを使った畳みかけるリズムにもグイグイ引き寄せられます。

 懐の深さを感じさせる渋い低音のヴォーカルももちろん素晴らしい。
ディスコ・アルバムということで、踊れる楽しいアルバムではありますが、ダンディズムも失ってはいません。

Music To Make Love
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Sooo Baad Revue/SOOO BAAD REVUE

Sooo Baad Revue/SOOO BAAD REVUE
1976年 日本
『ギンギンにやってみよう(言ってみたかっただけ)』

 75年に結成され、76年には解散。
関西のソウル系セッション・プレイヤーが集結した、
スーパー・グループとして名高いソー・バッド・レヴュー。
ずっと聴きたかった唯一のスタジオ盤がCD化。
買ったことで満足してしまい、しばらく寝かせてしまっていたのですが、
最近やっと聴きました。

 メンバーは、北京一(vo)、砂川正和(vo)、石田長生(g)、永本忠(b)、
チャールズ清水(ky)、国分輝幸(ky)、ベーカー土居(dr)という布陣で、
北京一のみ、コメディアンだったそうです。
メンバーの楽器構成を見ても分かる通り、
リズム隊以外は各パートにつき、二人が担当しているのが特徴。
そのため、楽曲によって先導するメンバーを交代させるという方法で、
各メンバーの見せ場を作るという配慮があり。
セッション・プレイヤーの集合体ならではの発想ですが、
多くのメンバーが入り乱れることで様々な要素が混ざり合い、
バラエティーに富んだ内容となっています。
SOOO.jpg

 LA録音されたという本作。
まず、オープニングのブッカーT&MG’Sを彷彿とさせる
インスト・ナンバー「ソウル地下鉄」に驚かされます。
タイトで骨太なリズム隊、伸びやかなギター、クールなキーボード。
本場のソウル、ファンクが持つグルーヴを体現していることを、
この曲だけで思い知らされます。
その後もブルース、フォーク、ロック、と様々なスタイルの楽曲が入り乱れる内容。

 彼らならではの個性のポイントとしては二つ。
一つ目は黒人音楽の模倣だけではなく、日本語ロックとして表現しようとしていること。
二つ目は関西の風土の注入すること。

 ソウル系ミュージシャンが集合ということですが、
あくまで流行としての黒さを吸収していることに留めており、
ベースとしてはロック、しかも歌詞は日本語で字余りにして載せる姿勢が印象的です。
「おれはけっしてぇ、わるいにんげんじゃないっ、ただかんがえーがぁ、あ・ま・い・だけ!」や
「ギンギンに楽しもう 俺の名前は銀太郎」など、歌詞はとにかく個性的。
加川良が2曲作詞していますが、それ以外も遜色ない仕上がり。
本作を聴く前には警戒していた関西弁の歌詞ですが、それほどきつくない自然な仕上がり。
上田正樹ほどの過剰さはありません。
ただしユーモアのセンスや生活感、粘っこい熱はやはり関西の風土でしょう。

 CD再発が遅れたが為に、忘れ去られてしまったのでは。
そんな思いもする、素晴らしいアルバムでした。

「かたつむり (part 1)」

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PARKER MCGEE/Parker McGee

PARKER MCGEE/Parker McGee
1976年 アメリカ
『AOR期屈指のメロディー・メイカーによる唯一作』

 5月度にリリースされた新名盤探検隊の人気ナンバー1が本作。
帯曰く「大ヒット『秋風の恋』を始め、多彩なヒットメーカーとして知られる」・・・・・・
ごめんなさい、知らなかったです。
原題「I'd Really Love to See You Tonight 」でこの曲みたいです。
初めて聴きましたが、
日本人好みの爽やかさと哀愁味を併せ持った美しいメロディーの曲ですね。
カントリーのルーツが見えているのがポイントでしょう。
本作はそんなシンガーソングライター、パーカー・マッギーによる唯一作。

 プロデューサーはカイル・レーニングで先週レビューした
ウィルソン・ブラザーズのアルバムも実は彼によるもの。
セッション・プレイヤーを多く起用しているものの、
ピアノ弾き語りによる彼の歌声を主役にしたフォーキーな作風です。

 ジェントリーな歌声がなぞる、カントリー・ルーツの素朴な開放感と、
AOR由来の洗練されたセンスが混ざった美しいメロディーがとにかく素晴らしい。
なるほど、多彩なヒットメーカーとして知られるだけのことはある質の高さに脱帽。
自身によるピアノ、まろやかなリズム隊、
爽やかなストリングス・アレンジによるアンサンブルが、幻想的に仕上げています。

「I Just Can't Say No To You 」
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古川豪/原子力時代の昔語り

古川豪/原子力時代の昔語り
1976年 日本
『愛嬌とユーモアたっぷりに伝承歌を歌い継ぐ』

 去年からリリースされている『URC最後の蔵出しシリーズ』。
SHM-CDで2835円、いや今は2916円という価格に恐れをなして手を付けていなかったのですが
そろそろ集め始めないとまずいんじゃないの、
というプレッシャーに負けてポツプツと買い始めております。
「最後の蔵出し」まで残っていただけにマニアックなメンツばかりが並んでおり、
ジャケットを見ると想像力を掻き立てられてしまうのです。
(まぁはじめから見なければいいのですが)
余談ですが、10枚集めると特典盤が貰えるという、昔懐かしいキャンペーンをやっています。
締切は今年いっぱいとのことですが、2916円を10枚とはかなり険しい。

本日は古川豪のセカンド・アルバムを取り上げます。

 京都出身のバンジョー奏者、古川豪。
本作は50年代アメリカ音楽(ブルース、カントリー、オールドタイム)
をベースにした弾き語りが収録されています。
曲はアメリカの伝承歌、フォークの替え歌が中心です。
昔、高田渡のアルバムでディランの替え歌が入っていたりして
「こういうのいいのかな」と思ったものですが、
フォーク、ブルースの歴史に於いては替え歌で代々歌い継ぐ文化というものがあり、
つまりはそういうことなのです。文化なのです。

 温もりを感じさせるバンジョーと、朗々としたハスキーな歌声が魅力的。

 タイトルからは時節柄、社会的な内容を想像してしまいますが、そんなことは全くありません。
有名な「ジョン・ヘイリーの末裔」(殺人者を歌うマーダーブルース)といったトラッドも
「自動改札が導入されたばかりの駅での笑い話」にしてしまうなど、
ユーモアたっぷりの創意工夫を発揮。

 力の抜けた日常の中に人々の悲哀が混じっており、正しくURCらしい作風と言えましょう。

 さて。ここで初めてタイトルを正面から取り上げます。
当時、輝かしい新技術だった原子力について皮肉を含めてタイトルにしているものの、
本作では一切、そのテーマに触れることはありません。
ただ、その心に秘するものはあったのでしょう。
1981年に、広島の原水禁世界大会で「原発に未来なし」を歌っています。

 現在も大小様々な会場で歌うことを続けているそうです。
本作収録曲のyoutube音源が無かったので、本作にボーナストラックとして収録されている
「ホーボーの子守唄」をどうぞ。
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Larry Saunders/Stranger

Larry Saunders/Stranger
1976年 アメリカ

『レビューは短いがオススメ』

9月に紙ジャケで出ていた1枚。(自分の持っているのはプラケースですが)

オハイオで活躍していた盲目のキーボード奏者兼シンガー、ラリー・サンダースの唯一作。
70年代後半のマッスル・ショールズから生み出されたサザン・ソウルの名盤として知られています。
一応、サザン・ソウルという括りですが、
76年というリリース年だけに大分洗練されており、ニューソウルの趣。
スティービー・ワンダーが好きな方にも聴いていただきたい音楽です。

OK、今日は資料も少ないので早速曲に行ってみましょう。

『Fly Away Love Bird』



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