LAURA NYRO/SEASON OF LIGHTS

LAURA NYRO/SEASON OF LIGHTS
1977年 アメリカ
『穏やかモードのローラ・ニーロ』

 今回の「AOR CITY 1000」シリーズのレビューはローラ・ニーロのライブ盤。私は1曲でも多く知らない曲を聴こう、という方針があるのでついついライブ盤は後回しにしてしまいます。結果、本作のような有名なアルバムもまだ聴いておりませんでした。
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 本作は1976年にリリースされた『Smile』のツアーからの音源を収録したライブ・アルバム。当初は10曲入りでしたが、後にコンプリート盤として(16曲入りを経て)18曲入りでリリースされています。廉価盤でもこの曲数で聴けるので得した気分になれます。

 ジャズ・フュージョン路線の『Smile』のツアーだけに、ニューヨーク周辺のジャズ・プレイヤーが集められており、洗練された優しい演奏が楽しめます。

 ローラ・ニーロのアルバムでは、全てのことを投げ出して音楽と対峙する覚悟を求められたりします。目まぐるしい転調と鬼気迫る歌唱を軽い気持ちでは聴けないのです。しかし、このアルバムはとても敷居が低く、聴きやすい。なるほど、AORシティに選ばれているのも納得であります。彼女のヴォーカルは伸び伸びとしていて晴れやか。

 いつも額に青筋を立てていそうな初期作ばかりでなく、こういうリラックスしたローラ・ニーロもいいな、と思いました。『Smile』ももう一度聴いてみないと。

The Morning News
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Colin Blunstone/ Never Even Thought

Colin Blunstone/ Never Even Thought
1977年 イギリス
『こんなにおしゃれさんだったのだね』

60年代、イギリスで活動していたビート~サイケ・ポップ・グループ、ゾンビーズ。そのヴォーカリストがコリン・ブランストーンです。バンド解散の後、1971年の『One Year』からソロ活動を開始。90年代以降、ソフトロックブームに乗って名盤として再評価されてきた『One Year』ですが、それ以外のアルバムはかなりないがしろにされてきた印象です。かく言う自分も長い間、サードの『Journey』(1974年)までしか聴いていません。実は彼のアルバムは権利関係がこじれているようで、『Journey』までしかCD化されていなかったようです。しかしながら、チェリー・レッドからいつの間にか2in1で続く4th&5thがリリースされていました。英国随一の甘くジェントリーな歌声を持つヴォーカリストである彼の魅力をもっと味わいたいと思い、早速取り寄せた次第。

今回は5thである『Never Even Thought』をメインのタイトルとしておりますが、2in1だからして4th『Planes』の話も少しだけ。1976年のこのアルバムはエルトン・ジョンのレーベルに移籍して制作されています。穏当なプレAORという雰囲気のアルバムですね。悪くはないのですが、地味な出来だと思います。。(同傾向の次作の完成度と比べてしまうことはもちろん、ダサイジャケもいただけません。)

一方、1977年に発表された5th『Never Even Thought』はLAで制作。
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前作同様、エルトン・ジョンがバックアップをしており、更にTOTOがセッションに加わっているのがポイント。また作曲面ではアラン・フィリップスという職業作曲家を起用しています。彼の曲が半数近くを占める他、カバーを中心にした構成で、コリン・ブランストーンの作曲も少々。LA録音ということで、今までのアルバムには無いカラッとした乾いた質感での都会的なポップスが楽しめます。爽やかなコーラス、軽やかなリズム隊、流れるようなスライド・ギターなど演奏面が素晴らしい。加えて楽曲の粒も揃っており、文句なし。中期の佳作と言えるでしょう。

Who's That Knocking on My Door
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Lesley Duncan/Maybe It’s Lost

Lesley Duncan/Maybe It’s Lost
1977年 イギリス
『ラスト作』
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 本作は77年にリリースされたレスリー・ダンカンの5枚目のアルバム。
再び日本のレーベルが世界初CD化をしてくれました。ありがたや。
今回も対訳や解説はありませんが、かっこいい写真が入っていました。

 プロデュースは前作同様、ジミー・ホロウィッツが担当。
クレジットではエンジニアにトム・ダウト、ギターにクリス・スペディング、
コーラスにマデリン・ベルが参加している他、ゴンザレスのメンバーも名を連ねています。
前作を踏襲しつつソウル色を強めた、といった方向性がクレジットからも滲み出ている感じ。

 まず、ブラス・アレンジが前面に出た1曲目「The Sky’s On Fire」の爽やかな明るさから驚きました。
とてもライトで洗練されていながら、煌びやかになり過ぎないサウンドは相変わらず。
77年作ということで、ダンス、AORの要素が、より濃くなっています。
その一方で、彼女自身のヴォーカルは少し枯れた落ち着きのある歌声に変化しており、
渋い魅力を発揮しているのもポイントでしょう。

walk in the sea
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STUFF/MORE STUFF

STUFF/MORE STUFF
1977年 アメリカ
『あのドキドキがよみがえる』

 去年、あるライブ会場でDJが掛けていた曲。
それはスティーヴィー・ワンダーの曲をインストにしたもので、
その曲名が思い出せず「あー、あの曲大好きだったのに。
これはもしかしてボケの始まりなのでは。」と苦悶。
それにしてもいいインストだな。
たそがれたピアノと跳ねたギターの掛け合いがエキサイテイングで・・・・・・誰がカバーしているのだろう。
でもDJに「これは何という曲ですか?」とか聞くのは結構ハードル高いからなぁ。
などとまごついた後、結局聞いてみると「え?スタッフですよ。」と
”まさかこんなド定番で質問されるなんて”という戸惑いの表情で教えてくれました。
それがこのスタッフのセカンドなのだ。
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 いや、名前は僕も知ってはいたのだけれども。
実は聴く機会が無くて縁遠かったスタッフ。
これはもう買うしかない、と後日CDを購入した次第であります。

 先に挙げたスティーヴィー・ワンダーの曲は「AS」でした。

 スタッフはセッション・プレイヤーが集まってできた6人編成のグループ。
インストゥルメンタルを主にやっており、ジャズ、フュージョン、ソウルといった要素が混ざり合った、
爽快で洗練されたグルーヴ・サウンドを特徴としています。
中でも本作はとびきりグルーヴィな楽曲が揃った傑作として名高いアルバム。

 6人だからこその、層の厚いグルーヴが気持ちいい。
ヴァイオリンが入ったバラード・ナンバーやヴォーカル・ナンバーも収録しており、
変化に富んだ構成で飽きさせない工夫があります。

AS
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NO DICE/NO DICE

NO DICE/NO DICE
1977年 イギリス
『的を絞り切れていないからこそ滲み出るB級の味わい』
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 ヒプノシス・ジャケの中でも、割とマイナーな本作。
2月にCD化されたので買いました。
実はこれ、柔道(でいいのかな?)で投げる前の写真が裏ジャケから続いていて、
しつこいナンパ男を投げ飛ばす、というストーリー仕立てになっていました。
手に入れて初めて知った衝撃の事実。
さすがに地味な匂いをプンプンと感じる本作、
ヒプノシスのジャケを眺めるだけで満たされてしまいがちが早速聴いてみます。

 ノー・ダイスは4人組のグループで本作を含め、
2枚のアルバムを70年代後半に残して解散したグループ。
中期ストーンズやフェイセスを想起させる、
グルーヴィなロックンロールやパワー・ポップを得意としていたとのこと。
メンバーは4人ですがキーボード、サックス、
ストリングス・アレンジにゲスト・プレーヤーを迎えています。

 オープニングのブラウンならぬ「Why Sugar」からしてそのまんまストーンズっぽい曲でした。
枯れた歌声でシャウトするヴォーカル、
ホンキー・トンク・ピアノ、ブルージーなギターが素晴らしい。
ただし本家ほどのエネルギーはなく、あくまでもコンパクト。
それが悪いわけではなく、パブ・ロック的な気安さがあって魅力的だと思います。
また本作は3か所のスタジオで録音されており、
それぞれのセッションで別々のプロデューサーを迎えています。
それが楽曲の幅広さに繋がっており、クィーンぽいドラマティックなグラム風ナンバーやら、
ジャジーなAORナンバーなど、「なるほど、ファースト・アルバムだな。」と納得できる詰め込み振り。
ただし、根底にはロックンロールが息づいており、シンプルな魅力は一貫しています。

長い下積み時代を経てデビューした彼ら。
正直に言ってさすがに70年代後半にこの方向性では苦しかっただろう、という感じの音楽です。
しかしながら21世紀の我が家で、のんびりと楽しませてもらいました。
またいつか、引っ張り出そう、と思いつつ棚に収めた春のある日。

「Murder in the rain」
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