Véronique Vincent & Aksak Maboul/Ex-Futur Album

Véronique Vincent & Aksak Maboul/Ex-Futur Album
1980-83年 ベルギー
『アクサス、じゃなくてアクサク・マブール』

 なにこれ?アクサク・マブールの新作?えっ?三十云年振り?
違うの?ふむふむ・・・未発表音源集・・・・・・なるほど。
本作は80年から83年に録音された未発表音源をまとめたものだそうです。

 ベルギーのアヴァンギャルド系ロック・バンド、アクサク・マブール。
70年代後半、フレッド・フリスやクリス・カトラー、ユニヴェル・ゼロ、ヘンリーカウといった
ミュージシャン、グループと交流し、レコメン・シーンの礎を築いたグループです。
リーダー、マルク・ホランダーが生み出すアヴァンギャルドながらも愛嬌あるメロディーが
散りばめられた音楽。
一口では語れない音楽性ですが。。。
敢えて言うなら、民族音楽と現代音楽の融合を、
電化楽器と生楽器を絶妙によって試みたことで生まれたもの。
(・・・・・・何か違う気がするので)
youtube動画をどうぞ。こういうのをやっています!

 さて本作。
流れてくるのは女性ヴォーカルによる、ニューウェイヴ要素たっぷりのテクノ・ポップ。
どうやら、アクサク・マブールにも在籍していたヴェロニカ・ヴィンセントのソロ作を
アクサク・マブールの面々がバックアップした、というのが本作の成り立ちのようです。
アクサク・マブールとして触れてしまうと
「なんだ、このマイルドな音楽は!こんなのが聴きたいんじゃないやい。」
となるのでご注意を。

 ミステリアスなヴェロニカの歌声は魅力的。
80年代ならではのふわふわしたシンセに乗って、
民族色を隠し味にした不安定なメロディーを奏でています。
エフェクトが掛かったコーラスもたっぷりで、
別名義として楽しむなら随所にアクサク・マブール色も残っています。

「Chez les Aborigènes」
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Son Palenque/Afro-Colombian Sound Modernizers

Son Palenque/Afro-Colombian Sound Modernizers
2014年(編集盤)コロンビア
『アフロ・コロンビアンの温故知新』

 コロンビアの音楽と言われてもピンと来ないのですが、
カリブ海周辺に住むアフリカ系コロンビア人の間で伝えられた
アフロ・コロンビアン音楽というものがあるそうです。
カリブ海地域に於ける奴隷制度で虐げられた黒人たちが
コロンビアに逃亡、パレンケというコミュニティを形成。
そして日常を楽しむために音楽を作ったという訳です。

 ソン・パレンケは70年代後半から活動を続ける、
パレンケの音楽文化を継承しているグループ。
伝統を継承するだけでなく、ポピュラー音楽との融合も図っており、
コロンビア音楽を代表する存在として、近年はクラブ・シーンでも注目を浴びているそうです。

 本作はマニアックなワールド・ミュージックの再発に力を入れているレーベル、バンピ・ソウル
により編集されたベスト・アルバム。

 ポピュラー音楽との融合という点が肝であり、民族音楽としてのパッションは残しつつも
儀式的な冗長さなどは無く、グルーヴィーなノリの良さが強調されています。
ビートが強調されたダンス曲や渋くジャジーな曲もありつつ、
見事なポリフォニーで圧倒されたりもして、熱気ムンムンの内容で飽きさせません。

 30年の歴史に於いて姿を変えて伝統音楽が進化していくのを聴き通すのは、
なかなかにロマンあふれる体験。
 もちろん、カーニバルな雰囲気を演出するにはもってこいの一枚でしょう。

「PALENGUE PALENGUE」
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宮本典子/Rush

宮本典子/Rush
1980年 日本
『華麗なストリングスに彩られたソウル歌謡』

 去年、『NORIKO』で宮本典子入門を果たし、最近やっと二枚目を購入しました。
あのときはすぐ他のアルバムも買いたい、とか思っていたのですが
色々と物欲がせめぎあい、ついつい後回しになってしまいました。

 帯にはライトソウルという文字もあり、なるほど次作にあたる『NORIKO』に比べると
洋楽度が高くAOR~シティポップのイメージが強いアルバムです。
ただ一般的には
前作『VIVID』で挑戦した歌謡曲路線を本格的に導入したアルバム、
ということになっているみたいです。
この辺りは遡って聴いている自分とは印象が異なりますのでご了承ください。
作曲陣には林哲司、筒美京平、大野雄二、呉田軽穂といった面々が名を連ねています。
豪華メンツですね。当然ながら死角のない素晴らしい曲ばかりが収録されており、
『NORIKO』ほど歌謡曲由来の俗っぽさとハッタリこそ無いものの、
洗練された和製ソウルを楽しむことが出来ます。

 グルーヴィという部分ではちょっとおとなしめと感じましたが、
高品質な演奏と楽曲、そして相変わらずのパワフルな歌唱で大いに楽しむことが出来ました。
2枚のアルバムだけを聴き比べてもかなり違ったので、
プロデュースやレーベルの意向に翻弄されていた当時の状況も伺えて来て、
葛藤があったのだろうな、と想像させられました。
近々、ベスト盤もリリースされるとのことで、まだまだ再評価されている彼女。
次は初期のアルバムを、そのうちに聴いてみようと思います。

「炎の頃」
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O.S.T./ニルスのふしぎな旅・スプーンおばさん

O.S.T./ニルスのふしぎな旅・スプーンおばさん
1999年 日本
『懐かしさ+知らなかった豪華クレジットで物欲促進』

 『ニルスのふしぎな旅・スプーンおばさん』のサントラが欲しい!
切っ掛けはこちらの記事
サイクルズの森川さんのヴォーカルが、
スプーンおばさんの主題歌を歌っている飯島真理を彷彿とさせる、
みたいなコメントを書いたことが発端。
そんなコメントを付けておきながら
「自分はスプーンおばさんの主題歌を持っていないな。ちょっと調べてみよう。」と思い立ち、
インターネットで検索。
そこでクレジットを知って驚き。
作詞 - 松本隆 / 作曲 - 筒美京平 / 編曲 - 川村栄二 / 歌 - 飯島真理、
これは凄いメンツ。
なるほど、幼少時に聴いていて脳内に刷り込まれていることだけはありました。

 以下、飯島真理のデビュー前後の動きをまとめてみます。
まず、1982年のこと。シンガーソングライターとしてデビューすることを目指していた彼女ですが
その前にアニメ「マクロス」のヒロイン役として抜擢。
そして1983年にスプーンおばさんの主題歌シングル
「夢色のスプーン/リンゴの森の子猫たち」でデビュー。
なかなか自分の曲を書かせてもらえず、本人としては不本意な部分もあったようです。
その後、坂本龍一プロデュースのデビュー・アルバム「Rosé」を発表。
更にシングル1枚を挟んだ後
1984年に(安井かずみ作詞、加藤和彦作曲、清水信之編曲)という布陣で制作された
劇場版マクロス主題歌「愛・おぼえていますか」をリリース。
同年、吉田美奈子プロデュースによるセカンド『blanche』を発表。
改めて並べてみると猛烈なバックアップ体制。
それにしても、マクロスの曲が加藤和彦作曲だったとは全然知らなかったです。

 早速注文しようと商品を調べてみたところ
『ニルスのふしぎな旅・スプーンおばさん』というサントラを発見!
何という強力なカップリング。これは欲しい。
しかし。アマゾンで12000円のプレミアが付いていました!エグイ。
これも知らなかったのですが『ニルスのふしぎな旅』は
音楽をタケカワユキヒデが担当していたらしく、
更にアレンジにはチト河内、ヴォーカルには加橋かつみが参加しているという豪華メンツ。
なるほど今、思い返すとあの主題歌はゴダイゴちっく。
しかもオープニングエンディング以外にもヴォーカル曲が沢山あります。
これは俄然欲しい。だがしかし。12000円は出せない。
ここはひっそりとCD再発をお祈りしておきましょう。
関係者の方々がここを読んでいただけますように。

 『ニルスのふしぎな旅』は残念ながら上記サントラでないと聴くことが出来ないようです。
(まぁプレミアが付くにはそれなりの理由があるわけですね。)
しかしながら飯島真理の「夢色のスプーン/リンゴの森の子猫たち」は
ベスト盤『CDファイル』で聴くことが出来ます。
初期のアルバムは持っていましたが、両方いっぺんに揃うのはこれでないとダメっぽいです。

「夢色のスプーン」
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Tony Joe White/Dangerous

Tony Joe White/Dangerous
1983年 アメリカ
『ロマンティック・スワンプ』

 以前もレビューしているトニー・ジョー・ホワイトのこちらは83年作。
スワンプ一筋だったトニー・ジョー・ホワイトも70年代後半から試行錯誤を開始。
特に本作はAOR、ディスコの要素をスワンプとミックスさせているということで、
面白そうなので聴いてみました。
(一般的には評価が低いアルバムです。)
 
 シンセサイザー、小気味よく刻まれるビート、ストリングス、ピアノ、ホーンと、
なるほど後ろで流れているサウンドはディスコそのもの。
そこに落ち着き払った渋いヴォーカル、ブルース・ハーブが乗るという
不思議な聴き心地。
ですがかつてないロマンティック・スワンプはなかなかに新鮮です。
ただし彼自身の声とブルース・ハーブのミスマッチ感は厳然とあり、
頑固一徹スワンプ一直線だったころと比べてしまうと寂しくなるのも分かります。
ここは好みの問題ですね。
ただ制作に伴いディスコ人脈を全く呼ばずに、このサウンドを完成させているのは凄いこと。
よく聴くと本場のディスコ・サウンドよりももっさりしているのですが、
それがちょうどいい塩梅になっていたりします。

 スティーヴ・コブが書いたタイトル曲、ルビー&ザ・ロマンティックスの代表曲
「Our Day Will Come」以外は全て自作曲で埋められています。
 ブルース、カントリーに於ける早口ソングを、
ディスコ・アレンジで料理した異色な「Swamp Rap」も含め、
曲はバラエティーに富んでいます。
A面をアップテンポ、B面をメロウ、と分けているようで、
B面ではストリングが控えめになり、
透明感あるシンセサイザーと夕暮れを彷彿とさせるメロディアスなギターが
活躍するのがポイント。
トニー・ジョー・ホワイトのヴォーカルもよりジェントリーな語り口へと変化しています。

 行楽の帰り道、高速道路のBGMなんかにいい感じだと思います。

「Our day will come」
(音が絞られているのでヴォリューム注意)
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