Red Norvo/ Music To Listen To Red Norvo By

Red Norvo/ Music To Listen To Red Norvo By
1957年 アメリカ
『隠れヴィヴラフォン奏者』

RedN.jpg

 ジャケ買いの一枚。
ロッド・スチュワートのファーストにも通じる、
孫とたわむれるおじいちゃんジャケから、ほのぼの感が漂っております。

 ヴィブラフォン奏者のレッド・ノーヴォと言われても全く知らない方だったのですが、
彼は戦前から活躍するジャズにヴィブラフォンを導入したパイオニアとのこと。
1949年、タル・ファーロウとチャールズ・ミンガスの二人と共に
レッド・ノーヴォ・トリオとして活動を開始。
このトリオは短い期間のみで解散となりましたが、
当時、貴重なヴィブラフォン奏者としてひっぱりだこであり、
ベニー・グッドマンやビリー・ホリディ、フランク・シナトラなどのバックも務めていたようです。

 本作のクレジットは以下。

Red Norvo (Vibraphone)
Buddy Collette (Flute)
BILL SMITH (Clarinet),
Barney Kessel (Guitar)
Red Mitchell (Bass)
Shelly Manne (Drums)

 ウエスト・コースト・ジャズ・シーンに於けるダブル・ベースの名手、
レッド・ミッチェルがいますね。
彼はトリオ解消後のレッド・ノーヴォと長きに渡り、行動を共にしています。
またフルート奏者バディ・コレットの存在にも注目。
この方は個人的には初めまして、なのですが、マルチの管楽器奏者として活躍していたそうです。
メインはテナー・サックスなのですが、
フルート、クラリネットのプレイヤーが貴重な当時、様々なセッションに呼ばれていたとのこと。
ちなみに著名なマルチ・プレイヤーにしてフルート奏者
ハービー・マンとのデュオ作が彼の代表作となっています。(参考動画はこちら
他にはメロディアスなギター弾き、バーニー・ケッセルと、
やはりウエスト・コーストを代表するドラマー、シェリー・マンが参加。

 本作の内容ですがフルートやクラリネットとヴィブラフォンの音の重なりが
とても爽やかで優美な聴き心地。
ジャケット通りのイメージで幕を開けるオープニング「Poeme」を始め、
A面は正しく裏切らないのどかさ。
そしてB面にはビル・スミスというクラリネット奏者による器楽組曲「Divertimento」を収録。
穏やかな表情に厳かさが加わっており、しっとりとメロウな雰囲気。

リーダーのヴィブラフォンは大人しめながら、
たまにリードするギターと共に優しい音色で和ませてくれます。
面子から想像できるイメージを裏切らない優雅さが楽しめるアルバムでした。

「Poeme」
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Jimmy Nolen/The Rhythm & Blues Years

Jimmy Nolen/The Rhythm & Blues Years
1950年代 アメリカ

『違いが分からない男のブルース・レビュー⑮』

 今月はファンキー・ギターの元祖、と呼ばれるブルースマン、ジミー・ノーレンをご紹介。
ん、誰?
「ひかえい!この方はかのJB'Sのギタリスト、ジミー・ノーレン公にあらせられるぞ。」
ははーっ!
Jimmy Nolen

 なるほど、ファンキー・ギターの元祖に違いありません。

 ジミー・ノーレンは、1934年、アイダホ州オクラホマに生まれました。
9歳の頃からヴァイオリンを習っていた彼は、
14歳の時Tボーン・ウォーカーの演奏に痺れたことを切っ掛けに
「ヴァイオリンなんてやってられるか、俺はブルースマンになる!」
とハーモニーのアコースティック・ギターを購入、
独学でブルース・ギターを始めます。
そして地元のクラブでも演奏するようになっていたジミー・ノーレンを、
テキサスのアル中ブルースマンこと、ジミー・ウィルスンが 発見。
彼のバンドに誘われることに。
以後65年まで、
ジミー・ウィルスン、ジョニー・オーティスなどとのセッション、ツアーをこなす傍ら、
自身のバンドでの録音も残していきます。

 そして65年には先述したとおり、
ジェームス・ブラウンの右腕ギタリストとして活躍していくことになりますが、
それはまた別の話。
ちなみに彼は、83年に心臓発作で亡くなるまでJB'Sの一員として活躍していました。

 本作はJB'Sのギタリストとして有名になった彼が
50年代に残していた少ないレコードと発掘されたセッション音源をコンプリートしたもの。
彼のブルースは、Tボーン・ウォーカーを始め、
B.B.キングやローウェル・フルソンのスタイルを参考にしたそうです。
やはり、後のファンク路線にも通じる粘り腰のグルーヴが
ギター・フレーズに存在しているのが聴きどころ。
一方で、ホンキートンク・ピアノやホーンも入るひょうきんなムードも特徴。
やっぱりジャンプが大好きみたいです。
そしてジミーはヴォーカルも取っており、彼独自の個性とまでは行きませんが、
やはりジミー・ウィルスンに付いていただけのことはあり、
そのパフォーマンスにはほろ酔い気分で聴くのに適した
大らかさがたっぷり詰まっています。

「Strollin' with Nolen」
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Herbie Harper/Herbie Harper

Herbie Harper/Herbie Harper
1955年 アメリカ
『マニアの間で有名、というフレーズは反則』

 テリー・ポラードに続いて、今週もベツレヘムの再発シリーズからご紹介。
「熱心な」ジャズ・ファン向けのアルバムが多い本シリーズだけに、
自分が買う動機はジャケ買い以外にはありえません。
本作に関しては・・・・・・
herbeyh.jpg
①上目使いにやられた。
②青いから。
③見返りポーズにやられた。
さて、どれでしょう?→正解は一番最後に発表します。

 さて、本作ですが(宣伝文を元にすると)
「熱心な」ジャズ・ファンに支持された名作
『ハービー・ハーパー・クインテット』(ノクターン・レーベル)を発表したことで
有名な(「熱心な」ジャズ・ファンに、ですよ)
トロンボーン奏者ハービー・ハーパーが、ベツレヘムに残したアルバム、とのことです。

 うーむ。まとめると
最初に聴くべきは『ハービー・ハーパー・クインテット』という10インチ、
ということみたいですね。・・・・・・。

 さて。気を取り直して。
パーソナルは以下。

ハービー・ハーパー(tb)
ポール・サラメント(tu)
チャーリー・マリアーノ(as)
ジミー・ジェフリー(ts,bs)
コーキー・ヘイル(harp)
ジミー・ロウルズ(p)
ハリー・ババシン(b)
アーヴ・コットラー(ds)

 分かっていましたが、誰も知りません。
ただ「ノクターンでの名演で知られるメンバー」も参加しているとのことで、
気心の知れたメンバーということでしょう。

 元々ビッグ・バンドで活躍していた人らしく、
本作も(全部ではないものの)オクテット編成での録音がされています。
優雅なスイング・ジャズという風情の作品。
ハービー・ハーパーのとぼけた味わいと包容力を感じさせるトロンボーンの音色が素晴らしい。
そして、ポロン、ポロンと高音を弾く涼しげなハープも、ジャズではあまり入っていない音で
新鮮に響きます。
キラキラした音色でハープをサポートするピアノもナイス。

 年甲斐もなく頑張りすぎた運動会の翌日の筋肉痛、などに効きそうな
ホンワカとしたスイング・ジャズが楽しめる一枚。
もちろん、犬を眺めながら聴くのがいいでしょう。

「Anything Goes」
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Terry Pollard/Terry Pollard

Terry Pollard/Terry Pollard
1955年 アメリカ
『幻の女性ピアニストの唯一作』

 ニューヨークのジャズ名門レーベル、ベツレヘム・レコードの廉価盤再発シリーズが
2012年の年末から今年初めにかけてリリースされていました。
自分のようなジャズ・ビギナーにはベツレヘムは渋すぎて縁が無かったのですが
999円、もとい1028円となれば話は別です。
ポツポツ買っていたうちの一枚が本日紹介するテリー・ポラード。
彼女についての知識はなく、
夜のライトが反射したデザインのジャケに惹かれて購入した次第。

 テリー・ポラードは、デトロイトを拠点として活動していた女性ヴィブラフォン奏者、ピアニスト。
50年代に何枚かのセッションに参加しているものの、リーダー作は本作のみ。
ライナーによれば本作録音時、
彼女はテリー・ギブス(ヴィブラフォン奏者)のバンドに在籍しており、
バンドのロサンゼルス滞在中でした。
参加メンバーは以下。

テリー・ポラード ピアノ (テリー・ギブス・バンド)
ハーマン・ライト ベース (テリー・ギブス・バンド)
フランク・デヴィート ドラムス (テリー・ギブス・バンド)
ドン・ファガーキスト トランペット
ハワード・ロバーツ ギター

本作ではテリー・ポラードはピアノに専念。
楽曲は1曲のみ自作ですが他はカバー、スタンダードが占めています。
うち4曲はトリオでの演奏。
マイナーなピアニストながら軽快なスイング感が素晴らしく、アタックも強い、
腕は確かです。
女性らしいおしとやかさよりも溌剌とした活発さが前面に出ているのが素晴らしい。
彼女を中心として、ハードバップならではの小粋な雰囲気を満喫出来るアルバムです。
特にトリオ編成での演奏は普段バンドで行動を共にしているためか、
息の合ったパフォーマンスを披露。

これが世界初CD化とは・・・・・・いい仕事ぶりだと思います。

残念ながらレア盤のため、youtube動画はありませんでした。
彼女が当時参加していたテリー・ギブス・バンドの演奏をどうぞ。

Terry Gibbs Quartet with Terry Pollard /Gibberish
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Billy 'The Kid' Emerson/Move, Baby, Move: Sun Sessions

Billy 'The Kid' Emerson/Move, Baby, Move: Sun Sessions
1957年 アメリカ

『違いが分からない男のブルース・レビュー⑤』

21人を殺し、21歳で死んだアウトロー、ビリー・ザ・キッド。
西部劇でもモテモテの悪漢です。

 ビリー・ザ・キッド・エマーソンは、
キッド同様に背が低いというだけで、
悪友たちからあだ名を頂戴した
ブルースマンなのです。

 アイク・ターナーのバンドで修行を積み、
エンターテイメントの術を身につけた彼。
得意とするのはノベリティ・ソング。

車のCMでは
「俺は知っているんだ、女は皆車に夢中だってことを。
あの娘はフォード、あの女はキャデラック、
あいつは・・・・・・乗れるんだったら何でも」と歌ってみせ、
下ネタバリバリでお茶の間を沸かせたのでした。
凄いぜ、アメリカ。

この辺りで「例の写真」をどうぞ。
BillyTheKidEmerson.jpg
おひげが素敵。

1950年代中盤に多くのブルース、ロカビリーを録音した彼は、
後にロカビリーの殿堂入りを果たしたそうです。

ちなみに、この曲はタイトルを「Every Woman I Know」と言い、多くのミュージシャンにカバーされており、
あのライ・クーダーも取り上げています

今回取り上げたCDは彼の所属レーベル、サンでの録音を収録時間ギリギリまで
入れた編集盤です。これ一枚あればOKでしょう。

さて、それでは曲をご紹介。

本当は「Red Hot」という曲が有名なのですが、
ここは「(Do The) Chicken」をどうぞ。
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