Herbie Harper/Herbie Harper

Herbie Harper/Herbie Harper
1955年 アメリカ
『マニアの間で有名、というフレーズは反則』

 テリー・ポラードに続いて、今週もベツレヘムの再発シリーズからご紹介。
「熱心な」ジャズ・ファン向けのアルバムが多い本シリーズだけに、
自分が買う動機はジャケ買い以外にはありえません。
本作に関しては・・・・・・
herbeyh.jpg
①上目使いにやられた。
②青いから。
③見返りポーズにやられた。
さて、どれでしょう?→正解は一番最後に発表します。

 さて、本作ですが(宣伝文を元にすると)
「熱心な」ジャズ・ファンに支持された名作
『ハービー・ハーパー・クインテット』(ノクターン・レーベル)を発表したことで
有名な(「熱心な」ジャズ・ファンに、ですよ)
トロンボーン奏者ハービー・ハーパーが、ベツレヘムに残したアルバム、とのことです。

 うーむ。まとめると
最初に聴くべきは『ハービー・ハーパー・クインテット』という10インチ、
ということみたいですね。・・・・・・。

 さて。気を取り直して。
パーソナルは以下。

ハービー・ハーパー(tb)
ポール・サラメント(tu)
チャーリー・マリアーノ(as)
ジミー・ジェフリー(ts,bs)
コーキー・ヘイル(harp)
ジミー・ロウルズ(p)
ハリー・ババシン(b)
アーヴ・コットラー(ds)

 分かっていましたが、誰も知りません。
ただ「ノクターンでの名演で知られるメンバー」も参加しているとのことで、
気心の知れたメンバーということでしょう。

 元々ビッグ・バンドで活躍していた人らしく、
本作も(全部ではないものの)オクテット編成での録音がされています。
優雅なスイング・ジャズという風情の作品。
ハービー・ハーパーのとぼけた味わいと包容力を感じさせるトロンボーンの音色が素晴らしい。
そして、ポロン、ポロンと高音を弾く涼しげなハープも、ジャズではあまり入っていない音で
新鮮に響きます。
キラキラした音色でハープをサポートするピアノもナイス。

 年甲斐もなく頑張りすぎた運動会の翌日の筋肉痛、などに効きそうな
ホンワカとしたスイング・ジャズが楽しめる一枚。
もちろん、犬を眺めながら聴くのがいいでしょう。

「Anything Goes」
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Terry Pollard/Terry Pollard

Terry Pollard/Terry Pollard
1955年 アメリカ
『幻の女性ピアニストの唯一作』

 ニューヨークのジャズ名門レーベル、ベツレヘム・レコードの廉価盤再発シリーズが
2012年の年末から今年初めにかけてリリースされていました。
自分のようなジャズ・ビギナーにはベツレヘムは渋すぎて縁が無かったのですが
999円、もとい1028円となれば話は別です。
ポツポツ買っていたうちの一枚が本日紹介するテリー・ポラード。
彼女についての知識はなく、
夜のライトが反射したデザインのジャケに惹かれて購入した次第。

 テリー・ポラードは、デトロイトを拠点として活動していた女性ヴィブラフォン奏者、ピアニスト。
50年代に何枚かのセッションに参加しているものの、リーダー作は本作のみ。
ライナーによれば本作録音時、
彼女はテリー・ギブス(ヴィブラフォン奏者)のバンドに在籍しており、
バンドのロサンゼルス滞在中でした。
参加メンバーは以下。

テリー・ポラード ピアノ (テリー・ギブス・バンド)
ハーマン・ライト ベース (テリー・ギブス・バンド)
フランク・デヴィート ドラムス (テリー・ギブス・バンド)
ドン・ファガーキスト トランペット
ハワード・ロバーツ ギター

本作ではテリー・ポラードはピアノに専念。
楽曲は1曲のみ自作ですが他はカバー、スタンダードが占めています。
うち4曲はトリオでの演奏。
マイナーなピアニストながら軽快なスイング感が素晴らしく、アタックも強い、
腕は確かです。
女性らしいおしとやかさよりも溌剌とした活発さが前面に出ているのが素晴らしい。
彼女を中心として、ハードバップならではの小粋な雰囲気を満喫出来るアルバムです。
特にトリオ編成での演奏は普段バンドで行動を共にしているためか、
息の合ったパフォーマンスを披露。

これが世界初CD化とは・・・・・・いい仕事ぶりだと思います。

残念ながらレア盤のため、youtube動画はありませんでした。
彼女が当時参加していたテリー・ギブス・バンドの演奏をどうぞ。

Terry Gibbs Quartet with Terry Pollard /Gibberish
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Billy 'The Kid' Emerson/Move, Baby, Move: Sun Sessions

Billy 'The Kid' Emerson/Move, Baby, Move: Sun Sessions
1957年 アメリカ

『違いが分からない男のブルース・レビュー⑤』

21人を殺し、21歳で死んだアウトロー、ビリー・ザ・キッド。
西部劇でもモテモテの悪漢です。

 ビリー・ザ・キッド・エマーソンは、
キッド同様に背が低いというだけで、
悪友たちからあだ名を頂戴した
ブルースマンなのです。

 アイク・ターナーのバンドで修行を積み、
エンターテイメントの術を身につけた彼。
得意とするのはノベリティ・ソング。

車のCMでは
「俺は知っているんだ、女は皆車に夢中だってことを。
あの娘はフォード、あの女はキャデラック、
あいつは・・・・・・乗れるんだったら何でも」と歌ってみせ、
下ネタバリバリでお茶の間を沸かせたのでした。
凄いぜ、アメリカ。

この辺りで「例の写真」をどうぞ。
BillyTheKidEmerson.jpg
おひげが素敵。

1950年代中盤に多くのブルース、ロカビリーを録音した彼は、
後にロカビリーの殿堂入りを果たしたそうです。

ちなみに、この曲はタイトルを「Every Woman I Know」と言い、多くのミュージシャンにカバーされており、
あのライ・クーダーも取り上げています

今回取り上げたCDは彼の所属レーベル、サンでの録音を収録時間ギリギリまで
入れた編集盤です。これ一枚あればOKでしょう。

さて、それでは曲をご紹介。

本当は「Red Hot」という曲が有名なのですが、
ここは「(Do The) Chicken」をどうぞ。
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Jimmy Rogers/Chicago Bound

Jimmy Rogers/Chicago Bound
最古の録音は1950年(オリジナル・リリースは1970年) アメリカ

『違いが分からない男のブルース・レビュー④』

 どっこい、このコーナーは生きていた。ということで、
第4回ですね。

 昨年12月にリリースされていたチェス・レコードの廉価盤シリーズ
これは違いが分からない男としては、フォローしなければ。
今回はシリーズの中からジミー・ロジャーズの編集盤を取り上げます。

 本作はチェスで録音されたシングル音源を集めて作られた編集盤で、
ヴィンテージ・シリーズと題されたうちの一枚。
ちなみにジミー・ロジャーズのアルバムは、チェスでは本作のみとなります。
彼はシカゴ・ブルースが根付く前からシカゴで活躍しており、
マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターなどと共に、シーンを形成していった人物。
最古参であったジミーですが、
マディ・ウォーターズのセッションでは出番が無くあぶれてしまったりと、
苦労したようです。
本作はアルバム・リリースの機会が得られなかった
彼の為の救済措置の意味もあったのでしょう。

ジミー・ロジャーズの例の写真はこちら。
JIMMY.jpg

 前述のように、シングルを集めた本作ですが、
マディ・ウォーターズの面々を迎えて録音されているのが特徴です。
当時はブルースマンが集って録音が行われており、音頭を取るリーダーを替えて
同日に進行したらしいです。

 彼の特徴は、クリアで渋い歌声とシンプルなブルース・ギター。
特にクリーンなヴォーカルは、
ばっちい声のブルースばかり(失礼)聴いてきた自分には新鮮でした。
そして全曲を自作曲名義にしている点もポイント。
もちろん伝承歌をモチーフにしているとは思いますが、
他の50年代ブルースと比べても明らかに
朗らかで洗練された楽曲となっています。
キャッチーなメロディも印象的。
クリーンな歌声と相まってとても聴きやすいブルースと言えるでしょう。

 正直、他のブルースマンと比べて突出した個性は見当たりません。
評論家からはスルメ、スルメと表現される彼の音楽ですが、
それ以上の形容が見当たらないのも、そのあたりに起因するのでしょう。
しかしマディ・ウォーターズの布陣によるハーモニカ、ピアノ等に彩られた楽曲群は、
ブルースの魅力をわかりやすく伝えてくれます。

「Chicago Bound 」
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Johnny Griffin Quartet/Way Out!

Johnny Griffin Quartet/Way Out!
1958年 アメリカ
『ハードバップバカ一代』


 あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願い致します。

 元日の今日は景気のいいハードバップが聴きたい。
とくれば、ジョニー・グリフィンで決まりでしょう。

どんな早いフレーズも美しいトーンで難なく吹いてしまう、
名サックス奏者。

 本作はリバーサイドから発表されたリーダー作。
ブルーノートでも1枚出しているので正式には通算2作目となりますが、
あちらはあくまでも「introducing」なのでこちらをデビュー作と
見る風潮らしいです。(まぁどちらでも)

 リーダー作としては初期に当たりますが、
既に彼の技量は訓練期間を終えており、エンジン全開。
高速ブロウを快調に飛ばしております。
編成はグリフィンに加え、ウィルバー・ウェア(b)、ケニー・ドリュー(p)、
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)のカルテット。

本作は、シカゴの作曲家のナンバーを多く採用しています。
リラックスした面と豪快な面が見事なコントラストを描く。
そんなシカゴ・ジャズの魅力を
絶妙にチームワークで表現したアルバムです。

「Cherokee」
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