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She’s Pippi/ She’s Pippi

She’s Pippi/ She’s Pippi
2003年 日本
『切っ掛けが思い出せない』
 もう10年以上前にミディ・クリエイティヴからリリースされていたJPOPのCD。
これを何故欲しいと思っていたのか。
確か、好きなミュージシャンが彼女達の音源をカバーしていたのを聴いて、メモしていたのだと思う。
そしてウォント・リストに残ること、1年以上。
今、そのきっかけとなるカバーがどんなものだったのか、
思い出せないまま縁あってCDは手に入った。
うーん、誰がカバーしたのだっけ。
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 発売当時の宣伝文によると、京都出身のサイケデリック・トイ・ポップ・バンドとのこと。
4人編成。
1998年に結成され、本作を残して活動を休止している模様。
全15曲の中にはオリジナルの他、シド・バレットとトッド・ラングレンのカバーが含まれています。
トッド・ラングレンの有名曲「I Saw The Light」はともかく、
シド・バレットはなかなかカバーするバンドが現れないので新鮮。

 聴いてみての感想。
ピッピというポップな名前に油断していました。
シド・バレットをカバーするのも納得のドロドロなサイケ・ポップをやっています。
掻き鳴らすギターはシタールっぽい。
ポコポコのパーカッションを始めとするずっしりと響くリズム隊、
呪術的なムードを高めるシンセサイザーも加わり、雰囲気満点。
クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンを彷彿とさせる、
熱気ムンムンのサイケデリック・サウンドがある一方で、
浮遊するホワホワしたヴォーカルの脱力した魅力を前面に出したビートリッシュなポップ・ナンバーもあり。
バラエティに富んだ楽曲群で飽きずに一気に聴けました。

 2曲のカバーはともに日本語詞が付けられており、完成度が高いです。
シド・バレットの「Late Night」はオリジナルに比べると、
随分レゲエチックでのどかになっていますが、これはこれでドリーミー。

 60年代サイケポップと比べるとブッ飛んだ感性という点が見当たりません。
しかしながら2000年代の邦楽というフィルターを通したマイルドなサイケデリック・ポップ、
これも素晴らしい味わいでありました。
切っ掛けが思い出せないのが心残りですが、出会いに感謝。

I Saw The Light / She's Pippi
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The Hellacopters/ Rock & Roll Is Dead

The Hellacopters/ Rock & Roll Is Dead
2005年 スウェーデン
『地味であることを肯定』

 以前、取り上げたヘラコプターズのアルバムを再び。
本作は6枚目のフル・アルバムで「Head Off」の前、つまりラストひとつ前に当たる作品です。
実はこのアルバム、当時はあまり馴染まず、一度手放しており最近再び入手した次第。
ラスト・アルバムがカバーだったので、
本作はオリジナル曲が聴ける最後のアルバムということになります。

 タイトルにもあるように「絶命種のロックンロールの勃興」をテーマとしており、
初期のパンキッシュな疾走感などは抑えられています。
またレイナード・スキナードなどを彷彿とさせる
アメリカ南部のスワンプ・テイストも加わっているのがポイントで、
全体から漂うレイドバック感が印象的。
特にゴスペルチックな女性コーラスをフューチューしたミドル・ナンバーなどに、
その傾向は顕著。

 アンサンブルはベテランのロック・バンドらしく骨太なもの。
初期の頃の粗いパフォーマンスはどこへやら、タイトで引き締まった演奏が素晴らしい。
従来は激しいアタックのキーボードが特徴でしたが、
本作では多くの曲で抑えられておりブルージーなギターが演奏を主導しています。

 リアルタイムで彼らの音楽を聴いていた当時は、
どんどん枯れていく音楽性と本作のタイトルとで、「年寄り臭くなってしまったな。」
という気持ちを抱いてしまったわけですが、改めて聴いてみると、
この年寄り臭さが心地よくなっていました。
ただし、ロックンロールというテーマのためか、
手癖のままに「ヘラコプターズならではのよくあるフレーズと展開」
が使いまわされているという欠点は改めて実感。

 初回盤にはDVDが付いています。
ライブDVDではなく、ツアー・ドキュメンタリー及び録音風景という内容。
ライブ・パフォーマンスの爆発力に定評がある彼らなのですが、
演奏される姿は断片的に挿入されるだけ。
これはちょっと歯がゆい特典でしょう。
個人的には所有しているブートのライブビデオが伸びてしまっているので、
きちんとしたライブDVDをオフィシャルでリリースしてほしいと思っています。

「Everything's On T.V.」
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The Hellacopters/ Head Off

The Hellacopters/ Head Off
2008年 スウェーデン
『暴走ロックンロールの道、険し』

 昔、とあるお店で働いていた時の事。
もう彼らは解散が決まっており
ラスト・アルバムとしてリリースされた本作にPOPを書いたことを覚えています。
「初期のパワフルさが戻り、シンプルなロックンロール多めの熱気あふれるアルバム」
みたいな感じで。
アルバム・ジャケはサバスのオマージュだろうと思っていたのですが、
違う意味があったとは当時知るすべもなし。
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 2000年代、最も夢中になったグループの一つ、ヘラコプターズ。
スウェーデン出身のロック・グループです。
パワー・ロック・トゥディを切っ掛けに存在を知って以来、
アルバムはもちろんのこと、7インチ・シングルまで収集しました。
音楽性はいたってシンプル。モーターヘッドのような暴走ロックンロールに、
キッスのようなキャッチーなメロディー
(ヨーロッパのグループらしく哀愁が漂っているのもポイント)を載せたもの。
初期ではパンキッシュなイメージも強かったのですが、
徐々にピアノの存在感が増していき
後期ではレーナード・スキナードの如きハードボイルドな渋味が特徴となっていました。
しかし唐突にさっぱりとした解散発表の後、本作を残して解散してしまうのです。

 さて、このアルバムですが冒頭でも触れたとおり、
エネルギッシュなロックンロール・ナンバーが多く収録されています。
初期ほどのパンキッシュで前のめりなノリは無いものの、
躍動感溢れる仕上がりだと無邪気に楽しんでいたのですが・・・・・・
実はカバー・アルバムだという事実が発覚。
そう、本作はシークレット・カバー・アルバムだったのです。
正直、店頭で訳知り顔にPOPを書いてしまった本人としては「恥ずかしい!」という心境でした。
寄りによって一番好きなグループで、そのことが分からなかったとは。
シングルB面にはいつもカバーが入っていたのに。
歌詞が全くないのでおかしいとは思ったのですよね。
「お前、音楽に詳しい振りしているけれども、何も知らないんだな。」という心境。
収録されている曲はマイナーな(ガレージ色強めの)ロック・バンドから選ばれており、
しかも彼ららしいアレンジが施されているのでカモフラージュとしては完璧な仕上がり。

 時が立って聴きなおしてみてもかっこいいアルバムであることには間違いなし。
個人的には、聴くたびにあの時の驚きが蘇るというおまけつきなので、思い入れもあり。
これを聴くたびに、「もっともっと好きな音楽を探し続けなければ。」という気持ちになります。
ただラスト・アルバムなだけにオリジナル曲を聴きたかったと思うのも偽らざる気持ちです。

「I'm Watching You」
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Wilson Phillips/California

Wilson Phillips/California
2004年 アメリカ
『功罪入り混じるカバー第一弾』

 ウィルソン・フィリップス。
ママス&パパスのジョン・フィリップスとミシェル・フィリップスを両親に持つチャイナ。
ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンを父に持つカーニーとウェンディ。
3人の2世ミュージシャンによって結成された、コーラス・グループです。
アイドル的な売り出しをされた彼女たち(日本では特に)ですが、
現在でも音楽性を高く評価するファンが根強く残っています。
自分もそんなファンの一人。

 60年代の雰囲気を残した煌びやかなポップ・ナンバーでヒット・シングルを量産したファースト、
グッと落ち着いたミドル中心のセカンドの2枚ではチャイナを中心に作曲面でも才能を発揮していました。
そして長い沈黙を経てリリースされた、このカバー・アルバム。(サード)。
久しぶりに本作を聴いてみました。

 収録された曲/作曲者は以下。
1. You're No Good Clint Ballard, Jr.
2. Old Man Neil Young
3. California Joni Mitchell
4. Already Gone Robb Strandlund / Jack Tempchin
5. Go Your Own Way Lindsey Buckingham
6. Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season) Pete Seeger
7. Monday Monday John Phillips
8. Get Together Chester Powers
9. Doctor My Eyes Jackson Browne
10. Dance Dance Dance Brian Wilson
11. In My Room Gary Usher / Brian Wilson

 60年代〜70年代のアメリカ西海岸音楽から選曲されているのがポイント。
7,10,11は親の曲を取り上げていますが、全体的に代表曲を避けたマニアックなセレクトです。
親父ロック・ファンの心をくすぐってくれます。
プロデュースはピーター・アッシャーが担当。そう言えば以前記事を書きましたね。
シンガーソングライターのプロデュースに関して実績のある彼。
ここではそれらSSWが生み出した楽曲群を
ウィルソン・フィリップスにフィットするアレンジに専念している印象。
どの曲もかなり印象が変わっていて新鮮に聴くことが出来ます。
この辺りはプロデューサーの貢献が大です。
一方でウィルソン・フィリップスの最大の武器、コーラス・ワークはグッと渋みを増しています。
鮮やかさはもちろん健在ですが、若い頃のやりすぎなくらいソプラノな感じはもうありません。
そこに一抹の寂しさを感じます。

 改めて聴いてみても素晴らしいカバーアルバム。
これを足がかりにオリジナルに着手して欲しかったのですが、
現状はもう一枚カバー・アルバムをリリース(こちらはベタな選曲でちょっと・・・・・・)したのみ。
本作を切っ掛けに「作曲しなくてもいい」などと考え違いをしてしまっていたら、と思うと心配。
彼女たち(特にチャイナ)には、新しいオールディーズを生み出す才能があるだけに
作曲活動の再開を切に望みます。

「Turn! Turn! Turn! 」
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しゃかりきコロンブス/ 君が誰かの彼女になりくさっても

しゃかりきコロンブス/ 君が誰かの彼女になりくさっても
2009年 日本
『文化祭の発表を見ているような』

 これまでワンダフル・ボーイズ関連のアルバムをレビューして来ましたが、
本作こそがその出発点となります。
ワンダフル・ボーイズの前身グループ、しゃかりきコロンブスの唯一作。

 何故改名したのかは不明(やっぱりジャニーズ絡みで難しかったのかな)ですが、
インパクト絶大のしゃかりきコロンブスという名前を無くしてしまうのは
もったいない気がしました。
それはともかく。ASKAという方はやはり凄い発想をするなぁと改めて思いました。

 しゃかりきコロンブスは7人編成のグループ。
楽器のクレジットは無いのですが、
コーラス隊、ブラス・セクションを含んでおり、
リーダー、サンデー・カミデによる歌唱がピアノを軸となった
ダンサフルなポップ・ミュージックをやっています。
フルートがお囃子のように使われているのもポイント。

ただのポップスではなく
ヒップホップ、レゲエなどの要素が融合されているのが彼らの音楽の特徴でしょう。
クラブのオーガナイザーが結成したグループだけに、演奏はかなり緩い。
加えてサンデー・カミデのヴォーカルは声域が狭いため、表現の幅が狭い。
しかし80年代から90年代に掛けてのロック/ポップスをオマージュしたメロディや、
細かく施されたエレクトロ・アレンジで眩しいノスタルジーが味わえます。
そこに気が付けば、今度は掠れたヴォーカルが、素人くささ故の気安い魅力を放ち始めます。

 「今夜はブギー・バック」を彷彿とさせる「One music オーライ!」
後に有名になったタイトル・トラック「君が誰かの彼女になりくさっても」など
楽曲の充実度は文句なし。
歌詞も面白く、
特に、彼女に好きな音楽を偏見と生理的な判断で「嫌い」←→「好き」に仕分けされる
(メタル系が多く概ね嫌われています)様子が登場する「ロッケンロールbaybe」はお気に入り。

 実は本作の大半の曲は既にワンダフル・ボーイズなどでリメイクされています。
今年リリースされた天才バンドのアルバムではヴォーカルを奇妙礼太郎にまかせており、
そのことから彼はヴォーカリストというより作曲家というポジションに重きを置いているのでは、
と思いました。
確かにそんな彼のヴォーカルを含め、チープな部分も沢山ある本作。
しかし文化祭の発表を見ているような、また純粋な音楽への熱い愛情が伝わってくるような、
和気藹々とした雰囲気がとにかく素晴らしい。
現時点での彼らの最高傑作として推したいです。

「琴平電鉄 ~ 君だけのライフ ~」
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