FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN

FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN
1975年 イギリス
『どんより英フォークの隠れた佳作』

 以前ビッグピンクで再発されたファラウェイ・フォークの2ndを紹介していました。今回はそれに続き、4thが再発されました。

 ファラウェイ・フォークは2組の男女で結成されたフォーク・グループとして、1969年に結成。2ndリリース後に1組の男女が脱退することになり、メンバーが入れ替わっています。
Faraway Folk - [1975 ENG] - Seasonal Man

 英フォークのガイド本ではたびたび掲載される本作。2ndでのほのぼのとした空気感は無く、峻厳な寒さを感じさせるシリアスなエレクトリック・フォークとなっています。解説では初期スティーライ・スパンなどが引き合いに出されていますが、それも納得の硬派路線。タブラやリコーダーも入っています。1975年という時期を考えると、数年遅めの音楽性という印象ですが、英フォーク好きにはど真ん中に突き刺さる魅力的なアルバムです。

Coming Back To Brixham
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日本国憲法 羅生門

日本国憲法<平和・自由・愛> 羅生門
1971年 日本
『微妙な反応でした。』

 日本国憲法の条文にメロディーを付けた楽曲を収録したアルバム。その斬新な試みもさることながら、クニ河内が作曲アレンジで参加しているという点も特筆すべきところ。

 サイケ、プログレ、ブラス・ロックが融合したような、ごった煮のサウンドで、60年代後半辺りのブリティッシュ・ロックからの影響が大。キーボードの存在感が大きく、ドラマティックな曲展開にはハプニングス・フォーからの連続性も感じられます。
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 日本国憲法は学生時代に教科書で抜粋したものに触れた程度でした。ここでは朗々としたペペ吉弘の歌声によって、丁寧に内容をなぞっていくので、すんなりと頭に入る・・・・・・訳はないですね!うん。無表情で朗読する箇所とエモーショナルな歌唱との落差も大きく、加えて変拍子を取り入れた複雑な曲展開と相まって、あんまり歌詞の内容は入って来ません。

 しかしながら初期の日本語ロックとしての野心、個性への挑戦を感じるアルバムで大いに楽しめるはずです。今度、職場にいる法学部の学生に貸してあげよう。→微妙な反応でした。

日本国憲法(OUR CONSTITUTIONAL RIGHTS) SIDE 1
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DAVID DUNDAS/DAVID DUNDAS

DAVID DUNDAS/DAVID DUNDAS
1977年 イギリス
上質の、ほのぼの英ポップ』

 2018年1月にヴィヴィッドからリリースされたビッグピンク再発シリーズの1枚。ジャケットには覚えがあり、加えてブルーミンク人脈であるロジャー・グリーナウェイ・プロデュースということで、期待の購入。
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 デヴィッド・ダンダスは76年にデビューしたシンガーソングライターであり、本作はそのデビュー盤。スタンダード1曲を除く11曲を自作しており、内3曲はエディー・ハウエルとの共作です。彼の作品(75年)は昔、輸入盤でのみCD化されました。

 小西勝氏による解説では、「EMI系スタジオの音作りとグリーナウェイのポップ・センスの融合」と書かれていますが、納得の王道ブリティッシュ・ポップが楽しめます。手拍子、ホーンを交えた賑やかでほのぼのとしたアレンジ、甘々のメロディーが全編で貫かれており、加えてエルトン・ジョンのような上品さもあり。個性という点では一級に及ばないものの、英ポップ愛好家にはたまらないアルバム。

Daisy Star
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NIGEL OLSSON’S DRUM ORCHESTRA AND CHORUS

NIGEL OLSSON’S DRUM ORCHESTRA AND CHORUS
1971年 イギリス
『エルトン・ジョンを支えた面々が集合』

 このアルバム、気になっていました。エルトン・ジョンのバンドでドラム奏者として活躍していたナイジェル・オルソンがリリースしたリーダー名義のファースト・アルバムです。
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 随分長いバンド名だな、とは思っていましたがこれは小西勝氏の解説によるとジョー・コッカーの「マッド・ドッグズ&イングリッシュ・メン」から影響されてのものだそうです。レオン・ラッセルを中心としたLAスワンプ・ムーヴメントに呼応して作られた作品の一つとのこと。いつもながら小西勝氏の解説はためになります。ありがたい。

 バンドは5人編成。プロコルハルムにも在籍したことで有名なギタリスト、ミック・グラブハム、スティール・ギター職人BJコールの他、エルトン・ジョンのバックを支えたベーシストのディー・マーレイ、ギターのカレブ・クレイに、主役のドラム及びヴォーカルを務めるナイジェル・オルソンというメンツ。他、ドリス・トロイ、リザ・ストライクなどのバック・ヴォーカルが4人参加しています。BJコールやドリス・トロイ、リザ・ストライクというスーパー・セッションマン、及びウーマンにまた会えてうれしい限り。

 LAスワンプへの憧憬、という音楽性ではありますが、ジョー・コッカーの「マッド・ドッグズ&イングリッシュ・メン」と比べてもかなりソフト。やはり元エルトン・ジョン・バンドの3人が集まっているだけに、穏やかなポップ・テイストが各楽曲に反映されています。

 レオン・ラッセル『Hummingbird』ランディ・カリフォルニア『Nature’s Way』など4曲のカバーと6曲のオリジナルで構成。ハイライトはカバー曲という印象ですが、オリジナルの出来も悪くないです。オルソンが満を持して一人で作曲したレヴォリューションno9的な曼荼羅インスト『Wierdhouse』は完全にコンセプトをぶち壊している問題作。初めは駄目だな、と思っていたのですがこれは悪くないサイケ・ナンバーかも。
 
 セッション・プレイヤーとしても活躍しているメンツが揃っているだけに、演奏は安定しています。特に一発録音と思しき、『Hummingbird』『I can’t Go home again』での粘っこいブルージーなアンサンブルは聴きもの。最後になりましたが、ナイジェル・オルソンのヴォーカルは渋い低音でなかなか良いです。

Nigel Olsson's Drum Orchestra And Chorus (WITH Kathi MacDonald) - I Can't Go Home Again
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伴よしかず/青春彷徨

伴よしかず/青春彷徨
1976年 日本
『純朴な人柄が窺い知れる』

 名古屋で人気だったという八事裏山フォーク・オーケストラの後期メンバーであった、伴よしかずがリリースした唯一作。「URC最後の蔵出し」シリーズから再発されたものです。

 オーケストラやバンドによるアレンジが豪華で洗練されているのが特徴。URCのイメージとは異なりますが、時代は1976年なのですから当たり前のことなのかもしれません。オーケストラにより、日々の暮らしに根付いた歌詞の情緒が強調されており、歌謡曲に近い印象を受けました。
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 優しく柔和な歌声は素晴らしい。歌詞世界も優しい目線が基本であり、寂しい雰囲気をまとっています。同じURCで例えるなら、西岡恭蔵に近い味わいがあり。

 今回CD化に伴い、発掘されたボーナス・トラック「北勢線」は地方のローカル路線をテーマとした曲。50年代のアメリカ、ゴールデンポップスを下敷きにしており、アルバムとは違った和気あいあいとした楽しい曲でした。

※音源は無し。
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