湯本香樹実/ポプラの秋

湯本香樹実/ポプラの秋
1997年 日本
218p 読書期間1週間
『少しずつしか変わっていかない日常での感動』

 前回の『されどわれらが日々』が非常にまじめ、
すなわち硬質だったので、次は柔らかいものを、ということで、図書館を物色。
適当に棚から抜いたら本のカバー絵が柔和で鮮やかなこの本が飛び出してきました。

 初めて読んだ作家さんです。テレビ、ラジオの脚本家出身の小説家とのこと。

 さて、本作のあらすじを少し。
主人公は7歳の女の子。父親を亡くしたばかりの母子がアパートに移り住み、
そこの大家さんであるおばあさんや住人との交流を描いたおはなしです。
おばあさんを介して、亡き父への手紙を書くという行為が話の中心になっており、
気持ちの整理や成長が描かれています。

 表紙、タイトル、設定を踏まえて童話っぽいものをイメージしていたのですが、普通の小説でした。
ラジオドラマの脚本の如く、会話が多く流れるような文章が素晴らしい。
気持ちよく読み進めることが出来ました。

 いい話だ。読了感も爽やか。
成長した主人公が再び人生の岐路に立っているところで終わるのもいい。

 実際、普通にアパート暮らしをしていても、
この時世では、本のような交流はなかなか生まれないだろうとは思います。
自分は下宿暮らしをしていた経験があるので、その頃の楽しい思い出が少し思い出されました。
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