世木トシユキ/西陽の影

世木トシユキ/西陽の影
2016年3月 日本
『今年最初の邦楽新人』

 以前は新人ミュージシャンのデビューを盛んに後押ししていた印象だったミディ・クリエイティブ。
ここ数年は、再発企画(矢野顕子や友部正人など)に力を入れており、
新人のリリースが少なくなっている印象です。ちょっと寂しい。
そう思っていることも忘れていた頃に知ったのがこのアルバム。
英米フォーク、ウエストコースト、ボサノバ、民族音楽など様々なルーツ音楽を研究したSSWとのこと。
さらっとだけ試聴した後、
「ミディ・クリエイティブが送り出す久しぶりの新人だから大丈夫だろう。」ということで購入した次第です。
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 幼少期をカナダで過ごした彼。大学時代に自主盤を発表しているとのこと。
本作は2015年より本格始動させた音楽活動の成果をまとめたデビュー作です。

 アルバムは彼のギター弾き語りに加えて、様々な楽器をセッション・プレイヤーが弾いています。
宇田川寅蔵(ドラム)、佐藤友亮(キーボード)、トキミツシンイチロウ(ベース)、
安宅浩司(スティール・ギター)などが参加。まだまだミディ人脈は健在な様で何より。

 寒々しい英トラッド、ほのぼのとしたカントリー・ロック、室内楽っぽく落ち着いたボサノバ、
と曲によって印象が大きく異なる、よく言えばバラエティに富んだ内容です。
歌声は繊細で頼りなげ。
しかしながら、70年代の日本語フォーク歌手を想起させる暗く落ち着いた雰囲気があり。
アコースティック・ギターは、スクラッチ・ノイズをキュッキュ、キュッキュと頻繁に鳴らしているのが印象的。
全体に流れるアットホームで牧歌的な空気感に一役買っています。

 ルーツ・ミュージックの下地を隠さない渋い骨格。
そこに平易な日本語の歌を被せることでソフトな印象を抱かせる音楽です。
ハナレグミにも通じる魅力があると思います。
未完成の個性だからこそのふわふわとした浮遊感もいい。


シティーバス

 ボサノヴァ調のミドル・ナンバー。
うつむき加減で歌う姿は内気そうに見えますが、堂々たる歌唱で素晴らしい。
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