幻のアルバム 失われた音を求めて

幻のアルバム 失われた音を求めて
ブルーノ・マクドナルド (著, 編集), 上西園 誠 (翻訳)
2015年10月 255p
『出ていないアルバム・ジャケを
デザインするという勇気』


 しばらく購入していなかった音楽書籍を再び収集しようかと思い立ちました。
せっかくなので読書感想を載せてみます。
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 この本はビーチ・ボーイズの『Smile』に代表される、
リリースを計画されながら未発表に終わってしまった幻のアルバムにスポットを当てて、
62枚のアルバムに対してのエピソードを収録。
リリース出来なかった当時の状況を知ることが出来るのはもちろんのこと、
当時リリースされていたら、
という仮定のもとアルバム・ジャケットまでデザインしてくれているのが素晴らしい。

 少しロックに夢中になった人ならば、好奇心を刺激されるテーマ。
去年、発売されたころに立ち読みしてうずうずしていたのですが
価格が3300円(税抜き)と優しくなかったので断念。
今回は中古でゲットしました。
尚、中古市場ではけっこう出回っている模様。
それではいくつかポイント毎に感想を述べていきます。

○選盤について。
2000年代まで10年ごとの章に分かれた幅広い選盤は文句なし。
正直なところ、2000年代のミュージシャンには、
まだ幻という程の年月が足らないのではないかとも思います。
しかし、メジャーなミュージシャンを揃えており、バランスが素晴らしい。
これを機会に知らない音楽に触れるきっかけにもなりそうです。
ただ肝心の「幻のアルバム」という定義に関してはちょっと苦しい解釈のものもあり。
AC/DCはベスト盤だし、ビートルズのセッションズもお蔵入り音源の復刻盤・・・・・・
そういうのがいくつか混じっているのは減点かな。

○文章について。
 一つのテーマで数ページにまとめられているので読みやすい。
且つ詳細な状況が検証されているので、ロマンがあり面白いです。期待通り。

○ジャケについて。
この本が中古市場で出回っている一番の要因がこれなのでは、という気がします。
出来る限り、各ミュージシャンと縁のあるデザイナーが起用されているのですが、
パッとしないジャケがチラホラと見受けられるのが痛い。
こちらとしては
「思い入れのあるミュージシャンの未発表アルバムを勝手にデザインするなんて、プレッシャーだろう。
優しい目で見なければ。」
という気持ちで接しているのですがぬぐい切れない不自然さがあります。
主な要因は二つ。
一つはデザイナーが専属な場合。
ヒプノシスと組んでいた頃のピンクフロイド作品はずばりそのパターンでしょう。
もう一つの方が肝でミュージシャン達の写真を使えないことによるデザインの制限。
ビートルズの「GET BACK」はもちろんのこと、
ニール・ヤング、CSN&Yなどのアメリカ勢辺りはポートレートだった可能性が高かったはず。
ただ先にも書いたように、これは本当に難題なので責めることは出来ません。
精いっぱいやってくれた痕跡が伺えるので納得できます。
尚、「これはあり」というジャケも半分くらいあることを報告しておきます。
そう。結局われわれは難癖をつけてしまう訳ですよ。

○データについて。
 概ね知りたいことがきちんとまとめられていました。
出来ればスタジオ、プロデューサー、予定していた規格番号、
判明している曲目などもフォーマットとしてまとめておいてくれればうれしかったです。

○まとめ
ロックの名盤を初めて聴くときのようなワクワク感を味わうことが出来ます。
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