湯川潮音/セロファンの空

湯川潮音/セロファンの空
2015年5月 日本
『セロファンのメガネを用意するくらいの気持ちで。』

 トラッド系SSW、湯川潮音による6枚目のアルバム。
過去2枚は穏やかな作品が続いていましたが、
今回のアルバムはバンド編成にシンセ、管楽器を取り入れた、かなり音数の多いものとなっています。
色セロファンを用いた、カラフルな色眼鏡を掛けている湯川潮音。
そんなアルバム・ジャケットのイメージ通り、サイケデリックな雰囲気が満載です。

主な参加メンバーは以下の通り。
徳澤青弦(Vc / Throwing a Spoon、anonymass)
長岡亮介(Gt / ペトロールズ)
千葉広樹(Ba / Kinetic、サンガツ、蓮沼執太フィル、rabbitoo)
山本達久(Dr / NATSUMEN、真夜中ミュージック)
藤原マヒト(Pf,Acc / WORLD STANDARD)
武嶋聡(Fl,Cl)
ゴンドウトモヒコ(F.Hr,Euph / 蓮沼執太フィル、pupa、anonymass、高橋幸宏 & METAFIVE)

 これまでトラッドをベースとして楽曲を作成してきた彼女ですが、
本作リリース前にブルックリン音楽に大いに感化されたとのこと。
アフリカ、ラテン音楽などの影響も強く、
様々な人種が融和して生み出されているというブルックリン音楽。
実験音楽が盛んな土地としても知られています。
個人的にはブルックリンと言えば、ルー・リードの猥雑な雰囲気を思い出します。
そこは湯川潮音の曲だけにあくまでも清新さは失っていませんが、
大らかで雑多な雰囲気を取り込んでおり、新しい興味が作品に巧く作用していることが伺えます。
前述したサイケデリックな要素やプログレッシヴ・ロックっぽさ
(例えるならギルモア・プロデュースのケイト・ブッシュの如し)があるため、
最初は面食らいます。
しかしながら随所に挟み込まれるアコギ弾き語りのバラードの効果もあり、すんなり聴き通せます。
作品の性質上、
メロディーが後ろに引っ込んでしまった曲が何曲か見受けられるのは仕方ないところでしょう。

 最後に彼女の歌声ですが、トラッド成分が少ないため、
いつものような神秘性は控えめながら、伸びやかな発声で清々しい魅力を発しています。

湯川潮音「birch」ショートMV


 この曲がリード・トラックのようですね。
従来通りの優しいフォーク・ナンバーなだけに
アルバムの予告というには物足りないのが正直なところ。
レーベルが従来のファンに配慮したことが見えます。


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