寺尾紗穂/楕円の夢

寺尾紗穂/楕円の夢
2015年3月 日本
『歌の素晴らしさは言うまでもなく』

 鍵盤弾き語りSSW、もはやベテランとなった寺尾沙穂の3年振り7枚目。
当ブログではミニアルバム「珈琲」を取り上げております。
今作ではレーベルをミディからPヴァインへと移籍しています。
ミディの看板ミュージシャンという印象が強かっただけに出て行ったのは意外ですが、
ピアノ弾き語りというシンプルなフォーマットゆえ、環境の変化が必要だったのかもしれません。

既に前作からヒップホップ・ミュージシャンとの共演など、新しい試みに挑戦している彼女。
過渡期に入ったと言えるでしょう。本作でも豊富なゲストを迎えています。

vapour trai〈l program〉on M2/あだち麗三郎〈Dr.〉、
伊賀航〈Bass〉 on M3, 4, 6, 10/
権頭真由(表 現)〈Accordion〉on M5 /森は生きている on M7 /
植野隆司( テニスコーツetc.)〈Sax〉on M8, 10 /
オオルタイチ〈program〉on M9 /
高橋三太( 王舟etc.)〈Horn arr., Flugelhorn〉、
宮﨑達也〈Tenor Sax〉、高橋真太郎〈Trombone〉 on M10

Pヴァイン人脈が色濃く反映されているのが分かるメンツですね。

 これまでほとんどの楽曲でライブと差異の無い演奏を収録してきた彼女ですが、
本作ではスタジオでの編集をかなり施しています。
エレクトロ要素があるというレーベルの宣材文にも納得で、
自身のピアノを中心として鍵盤、複数の弦楽器などによって緻密に音が重ねられています。
他にもヒップヒップ・ミュージシャンとの共演が再びあったりと、新しい試みが行われています。
しかしそれらの試みは前作よりも彼女自身の個性に寄り添っており、こなれている印象。
また、近作は重いテーマが多かった歌詞が少し柔らかさを取り戻しているのもポイント。
何気ない日常のありがたみを発見する観察眼は相変わらずお見事。
39分ですっぱり終わる構成も素晴らしい。
愛の秘密』のようなシティポップ路線を期待していたのですが、
幻想的でほんわかとした雰囲気を楽しめる本作の味わいも良かったです。

歌声とピアノの素晴らしさについては
既に前回の原稿で書いていると思いますが、
相変わらず素晴らしい。
フェンダーローズで歌を追いかける「停電哀歌」などで特にそれを感じました。

もはやベテランとなり、メロディーの引き出しは出し尽くしている感があり。
正直今回のアルバムはマンネリを感じるのでは、と心配しておりました。
しかし、それでも新鮮に聴かせてくれました。
その手腕がありがたい。
かっこいい歌がいっぱいです。

「楕円の夢」


クリップで踊っているのは、
最近、ライブで共演しているというソリケッサというダンス団体のお二人。

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