Koko Taylor/ South Side Lady

Koko Taylor/ South Side Lady
1973年 アメリカ
『違いが分からない男のブルース・レビュー⑳』 

今回はこのコーナーで初となる、女性ブルース・シンガーを取り上げます。
自分の棚にも“ブルースの母”ことマ・レイニーを始め、“ブルースの皇后”ベッシー・スミス
ジャズ・ヴォーカルから転身したヘレン・ヒュームズなどのアルバムがありますが、
やはり圧倒的に少ない状況。
黒人労働者の歌、という側面からも仕方ないところでしょう。
今回初めて聴くココ・テイラーは“シカゴ・ブルースの女王”と呼ばれている人で、
どうやら先述した三人よりも若い世代のシンガーに当たるようです。

 1928年、テネシーで生まれたココ・テイラー。
実家の農作業を手伝う傍ら、
教会でゴスペル音楽に出会うことを切っ掛けに歌うことに目覚めます。
トラック運転手の夫(後にマネージャー)と結婚した1953年にシカゴへ移住。
以来、ナイトクラブでR&Bを歌っていた彼女ですが、
ある日ラジオから流れてくるBBキングに共鳴し、
ブルース・シンガーを志すことに。そして時は流れて1962年、
ウィリー・ディクソンが彼女を発見します。
1963年にはUSAよりレコードを発売し、シンガーとしての活動をスタート。
1965年にはR&Bヒット「ワン・ダン・ドゥードル」を発表。認知度を一気に高め、
以後チェス、アリゲーターとレーベルを渡ってアルバムを発表し続けました。
2009年消火器系の手術を受け、術後の合併症により亡くなったとのことです。
kokot.jpg

 唸るようなパワフルなシャウトが特徴のシンガーで、
堂々たる存在感はさすがにウィリー・ディクソンが目を付けるのも納得。
ただし彼女の作品群の魅力はそれだけは終わりません。
ウィリー・ディクソンのサポートを得たUSA~チェス時代、
ブルースの女王として確固たる地位を築いたアリゲーター時代、
とそれぞれの時代に於いて強力なサポート・ミュージシャンが起用されており、
一級のシカゴ・ブルースを堪能できるのです。
バディ・ガイ、B.B.キング、マーヴィン・ハインズ、パイントップ、サミー・ローホンなど
時代を代表する錚々たるメンツは圧巻。
このあたりは紅一点的存在でシカゴ・ブルース全体からバックアップを受けていた強みでしょう。
ちなみに晩年にあたる2001年からはメイン・ギタリストとしてシカゴ在住の日本人、
菊田俊介が起用されていました。

 さて本作はチェスからアリゲーターへ契約が変わる間にエヴィデンスよりリリースされたアルバム。
A面がフランスでのスタジオ録音、B面がオランダでのライブ録音となっています。
当時シカゴ・ブルース最強のリズム・コンボと謳われたジ・エイシズを始め、
ギターにジミー・ロジャース、ピアノにウイリー・メイボンという強力な体制での録音。
初期ならではの若さ漲るシャウトの荒々しさ、ドライブ感溢れる演奏でグイグイ惹きこまれる名演です。

「I Love A Lover Like You & What Kind Of Man Is This」

2曲とも彼女のオリジナル曲です。
クレジットはありませんが、ハープはジミー・ロジャースでしょう。
この頃はまだ女王と呼ばれるまでの成功は収めていませんが、
既に図太い安定感と貫録を感じさせます。

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#694 No title
おこんばんは。
ココ・テイラーは『ゴッドファーザー&サン』でも光ってましたわ。菊田俊介もバッチリ出てましたし。
女ハウリン・ウルフとも呼ばれてたそうな?あー、『ブルースブラザース2000』も見直したくなってきました。BBキングも出てたしね。
#695 Re: No title
yuccalina様 こんばんは
コメントありがとうございます。

映画の方はまだチェックしておりませんが、
光っていましたか。

自分はこのアルバムで知りましたが、
男ばかりのブルース界では貴重な存在だと思います。

BBキング、残念ですが改めて聴き直すいい機会ですね。



> おこんばんは。
> ココ・テイラーは『ゴッドファーザー&サン』でも光ってましたわ。菊田俊介もバッチリ出てましたし。
> 女ハウリン・ウルフとも呼ばれてたそうな?あー、『ブルースブラザース2000』も見直したくなってきました。BBキングも出てたしね。

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