空気公団/こんにちは、はじまり。

空気公団/こんにちは、はじまり。
2015年2月 日本
『すっきりくっきり』

 空気公団はこれまでもジャジーだったり、ポストロックだったりと、
様々な変化をしてきたグループ。
ただ、そもそもの音楽性がとても穏やかなものであったため、
変化もスムーズに受け入れられました。
内省的で籠もったイメージは一貫しています。
今回はタイトルからして新章を感じさせるものですが、果たして。

 アルバムには三人のメンバーに加え、
オータコージ山口とも、奥田健介、ticomoon鈴木広志、江上瑠羽、
山本精一NINGEN OKが参加しています。
山本精一や奥田健介辺りの参加は順当と言えますが、
やはりNINGEN OKの存在が目を引きます。
インダストリアルなグループだったと思うのですが、空気公団と組んでどうなるのか。

 アルバムはピアノ曲「伝う」からスタート。
風通しのよい録音で晴れ晴れとした雰囲気が、
夜をテーマとした前作との対比で、新鮮に感じます。
そして2曲目がNINGEN OK参加曲「はじまり」。
轟音ギターとタイトなドラムが絡む空気公団というのは、かなり新鮮。
あくまでのバンドの演奏を立てたアレンジになっているのですんなり聴けました。
欲を言えばもっとインプロヴィゼーションを長めに収録してほしかったところ。・・・・・・

 冒頭でも書いた通り、彼らの個性の一つに「籠もる」という特性があり、
これはエコーや録音環境により、生み出される幻想的な世界観を確立していました。
しかし新作はとにかくすっきりとしたアレンジで開放的。
インストゥルメンタル曲もポストロック色が減退している分、
ジャズ、クラシックの影響が強まり、
ジャズ・ロックもしくはプログレッシヴ・ロックのような美しい構築美が堪能出来ます。
また山崎ゆかりのヴォーカルもこれまでになく、
はっきりくっきりと前面に出ているのもポイント。
これまでと同じく、淡々とした歌い口ながら包容力を感じさせる柔らかい歌声はやはり魅力的。
歌が主役になっています。
(インスト曲でも意味深な詩の朗読があり、意味はさっぱり分かりませんが、心地良かったです。)

 冒頭2曲の他にも、ちょっとアヴァンギャルドなちんどんフュージョン風インスト「手紙が書きたい」、
青森県にある岩木山の登山囃子を取り入れた「お山参詣登山囃子」辺りは尖がっていましたし、
その他の曲も溌剌としたポップ・ソングが並んでおり、世界の広がりを感じさせるアルバムでした。
また次の曲のイントロを最後に被せる手法を取っており、
スムーズな楽曲構成も見事。
固定ファンだけの音楽となりがちだった空気公団の音楽が、
これを機に更に外側に広がっていけばうれしいです。

「はじまり」


アルバムからのクリップなのですが、どうやらバージョン違いの様です。
こちらはNINGEN OKが参加していないバンド・(アコースティック)ヴァージョンみたいですね。
ピアニカ・ソロもいいなぁ。

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