徳永憲/アンサンブルー

徳永憲/アンサンブルー
2015年3月 日本
『気怠くも、ばっちりキャッチー』

 オルタナティヴ・ロックの影響を受けたSSWとして1998年にデビューした徳永憲。
地道に活動を続け、これまで9枚(フルアルバムのみでの枚数)のアルバムを発表。
本作は10枚目のアルバムとなります。

 彼の音楽性は、
オルタナティヴ・ロックの影響を強く感じさせる弾き語りでのアシッド・フォークと、
クィーンなど英ロックの影響を感じさせるバンド演奏でのグラム寄りのロックという二本立て。
前者は内省的で叙情味に溢れ、後者はダイナミック且つ幻想的。
異なる魅力を持つサウンドを使い分けて、アルバムを制作しています。
(余談ですが、ライブでも弾き語りとバンド体制という
二つの形態を使い分けて実施されています)
ここ数作は弾き語りにゲストを入れてのアルバム、
という印象が強く内省的なイメージでした。
しかし、本作はタイトルからも連想できる通り、
バンド体制で録音されたものが大勢を占めており鮮やかなアルバムとなっています。
ちなみに本作をもって拠点を東京から故郷の滋賀に移すとのことで
集大成的な意味合いも強い模様。

 バンドの参加メンバーについてはCDのブックレット内でもクレジットが省略されています。
現在のバンド・セットのメンバーである
中村憲司(ds)、吉川真吾(b)、二木友也(tb)、杉山優香(sax)、中島愛実(tp)といった面々が
参加しているとのこと。(ご本人HPより)
ざらついたギターを中心にエコー強めの穏やかなバンド・アンサンブル。
近年のアルバムでも顕著だった気怠さが漂い、なるほどブルーな聴き心地です。
多重録音による一人コーラスもてんこ盛り。
また、メロディーは過去最高にキャッチーさが強調されている印象。
週末のライブを目標にして日々の仕事を頑張るメタル・ファンの中年や、
スーパーで解体されるマグロの目力など、豊かな発想力が光る歌詞も相変わらず素晴らしい。
少し前にあった素敵なナルシシズムは薄れていますが、
年齢を重ねて変化していく作風もSSWの魅力でしょう。

「(そういや僕らは)アンドロイド」


タイトルに歌詞の内容が追い付いていかない序盤のもどかしさが好き。
サビ終わりのフルートや、後ろの方で鳴っているパーカッションが、
ほんわかとした曲調にバッチリ効いています。

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