保利太一/ゆとり

保利太一/ゆとり
2015年1月 日本
『ゆとり世代、うらやましい』

 ゆとり世代の新人フォーク/ブルース・シンガー、
という触れ込みでデビューした保利太一のデビュー・アルバム。
モアリズムのナカムラ氏がプロデュース(苗字のみの名義だと「氏」を付けてしまう小心者)、
セッション・プレイヤーとしてKOTEZ
モアリズムやヤング☆ナッツのメンバーが参加していたことに興味を持ち、
サラッと試聴した後に買ってみました。

 日本に於けるブルース文化の伝道師レーベル、Pヴァイン
(祝40周年)からリリース。
その宣材文には「堅苦しい暑苦しいしつこいブルースにおさらば。」
「マディではない清流ブルーズ」といった文言が並んでいます。
甘さすら感じさせる優しい歌声は、
ダーティなしわがれ声が王道であるブルーズとは一線を画しており、
「なるほど」暑苦しさやしつこさを感じません。
慎ましやかな日常ながら何とかなるさ、
というメッセージが込められた歌詞にはユーモアが含まれており、
飄々とした語り口とともにすんなりと腹に落ちるのもポイント。

 宣材では本格ブルースなんかじゃないんですよ、という触れ込みですが、
ミシシッピ・ジョン・ハート(当ブログでも取り上げました)のカバーが2曲目に入っていたり、
そもそもタイトル曲「ゆとり」が
大スタンダード「イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン」を下敷きに作っていたりと、
どっぷり黒人音楽に浸かったブルース・マンなのだと思います。

 アルバムはそんな本人の素養に加えて、
プロデューサーとバック・ミュージシャンのブルース魂が結集して、更に濃厚になっています。
前述の「ゆとり」のジャグ要素はヤング☆ナッツを彷彿とさせますし、
一部サックスも入る、もったりとタメが効いたスウィング感はモアリズム由来のもの。
先輩たちの土台に自然体に乗っかれる度量も、
ゆとり世代ならではの心意気なのかもしれません。

 本作は、野心を全く発していない音楽なので地味であることは否めません。
ただし、ゆとり世代を始めとする新参者に厳しい日本の仕事場で痛い目を見たとき、
彼ののほほんとしたメッセージが救ってくれそうな気がします。
明後日あたり、何か失敗をしそうなので、その時、また聴いてみよう。

「言うほど悪くはないさ」LIVE@JOOK(佐賀県唐津市)


 MCも達者で、とても人懐っこいパフォーマンスに好感。
この緩々な雰囲気が彼の本領なのでしょう。
楽しそうなライブですね、機会があれば行ってみたいです。

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