Marika Hackman/We Slept At Last

Marika Hackman/We Slept At Last
2015年2月 イギリス
『エニグマティック・フォーク現る』

 これはフォークかな、とっても宇宙を感じさせるなぁ、スペース・フォークか。
いや、エレクトロ・フォークって言うのではなかったか。
フロイドとマイク・オールドフィールドが混ざったような宇宙空間の如きインストゥルメンタルに、
可憐な女性ヴォーカルが踊っているような、そんな謎めいたフォーク・・・・・・
エニグマティック・フォークと呼ぶのだそうです。

 マリカ・ハックマンは1992年にハンプシャーに生まれ、
ロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター。
アニメーターの両親のもとで育った彼女は様々な創作活動を奨励されていました。
5歳から作曲を始め、12歳からギターを独学で始めた彼女は
ダンス・プロデューサーの兄に楽曲提供したり、学生バンドを組むなどして青春を謳歌。
ちなみに彼女は奨学金を得てベドラス・スクールに通っていました。
ベドラス・スクールとは芸術家養成学校のようなところで、卒業生にはリリー・アレンなどを輩出。
ノエル・ギャラガーの娘など有名人の2世が多いことも特徴です。
学校の先輩であるジョニー・フィンと出会ってフォーク・アルバムを制作したことから
本格的に音楽への道を志すことになったそうです。
2013年にはミニ・アルバムを制作し、
ローラ・マニングのオーストラリアとヨーロッパのツアーにオープニング・アクトとして抜擢されます。
本作は2014年に録音、制作され、2015年2月にリリースされた彼女のデビュー・アルバム。

marika.jpg

(ちなみに彼女はバーバリーのモデルを経験しています。)

 本作ではアコギ弾き語りをベースにしながら、
バンドやプログラミングを駆使して録音が為されています。
ダークでストレンジ、ニューウェイヴを彷彿とさせる浮遊感と幻想的サウンド、
そしてスペーシーなスケールの大きさ。
代々の英フォークの伝統を受け継いでいながら、聴き心地としてはロックに近いものを感じます。
彼女自身、
(ローラ・マニングを筆頭とするニュー・フォーク(Nu Folk)勢を
大いにリスペクトしているが、着地点は異なるように意識して取り組んでいる)
との主旨の発言をしており、
苦心して生み出した独自性が確かに感じられます。
冒頭の「エニグマティック・フォーク」という表現は、
イギリスのリリース元、ユニバーサルの宣材文からの引用ですが、
そう表現したくなるミステリアスなムードと大器を実感。

 尚、本作のプロデューサーは新鋭のフォーク・ミュージシャンを多く手掛ける若手、
チャーリー・アンドリューが担当しています。

「Drown」


 ほとんどプログレッシヴ・ロックと言っていいオープニング・ナンバー。
不安感を煽るドラムやベースの残響の中で、
温かみのあるアコギの旋律と落ち着いたヴォーカルに救われます。
尚、闇に吸い込まれそうな映像も、芸術学校出身である彼女自身によるもの。
ローラ・マニングの近作のクリップも手掛けていたそうです。
才気迸る、と言う感じでこれからの活躍に期待大。

 輸入盤が大手で入手可能です。(果たして日本盤は出るのか?それはユニバーサルの御心次第)
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トラックバック一覧

コメント一覧

#600 No title
GAOHEWGII様、こんばんは。

確かに、最初の掴みは完全にプログレですね。
フリーフォークとダーク・ニューウェーブの要素が混じっていて、
なかなか一筋縄いかない暗黒ぶりに「こりゃいいぜ!」と思いました。
水中でもがくPVも素晴らしい。芸術的です。
安堵と不協和の狭間を行くサウンドスケープが癖になります。

ローラ・マニングは1stだけ聴きましたが、朴訥とした味わいだったのに対し、
彼女は80~90年代以降の要素も入れて、才気全開で来る感じですね。
エニグマティックフォーク(ユニバの造語?)という音楽性も興味深いです。

ルックスも華やかなだけに、
今後、UKニューフォークのミューズになりそうな気がします。
CD買っちゃおうかなー。って完全に夢中になっちゃってますね、自分。
#601 Re: No title
Choco16様 こんにちは

気に入っていただけて何よりです。

ルックスの華やかさと音楽性の鋭さのギャップがいいですよね。

>UKニューフォークのミューズになりそうな気がします。

確かにそうなってもおかしくないスケールの大きさ。






> GAOHEWGII様、こんばんは。
>
> 確かに、最初の掴みは完全にプログレですね。
> フリーフォークとダーク・ニューウェーブの要素が混じっていて、
> なかなか一筋縄いかない暗黒ぶりに「こりゃいいぜ!」と思いました。
> 水中でもがくPVも素晴らしい。芸術的です。
> 安堵と不協和の狭間を行くサウンドスケープが癖になります。
>
> ローラ・マニングは1stだけ聴きましたが、朴訥とした味わいだったのに対し、
> 彼女は80~90年代以降の要素も入れて、才気全開で来る感じですね。
> エニグマティックフォーク(ユニバの造語?)という音楽性も興味深いです。
>
> ルックスも華やかなだけに、
> 今後、UKニューフォークのミューズになりそうな気がします。
> CD買っちゃおうかなー。って完全に夢中になっちゃってますね、自分。
#602 No title
初めて聴きましたが
まさに”謎めいたフォーク”ですね

でも 浮遊感のあるサウンドに静謐な感じのヴォーカルがのり
これはかなり心地よくなっていますね。

「エニグマティック・フォーク」というのも
わからないなりに言い得て妙です
#603 No title
バーバリーのモデル、まさに由緒正しき正統派の英国美人です!でもユーチューブの画像と音楽は幻想的・神秘的・狂気的・恐怖的!
#604 Re: No title
RW様 こんばんは コメントありがとうございます。

> バーバリーのモデル、まさに由緒正しき正統派の英国美人です!でもユーチューブの画像と音楽は幻想的・神秘的・狂気的・恐怖的!

きれいですよね。
映像では血を吐いちゃって怖いところもありますが。
#605 Re: No title
面白半分様 こんばんは
コメントありがとうございます。

> 「エニグマティック・フォーク」というのも
> わからないなりに言い得て妙です

販促担当者の苦心がうかがえるコピーですよね。


> 初めて聴きましたが
> まさに”謎めいたフォーク”ですね
>
> でも 浮遊感のあるサウンドに静謐な感じのヴォーカルがのり
> これはかなり心地よくなっていますね。
>
> 「エニグマティック・フォーク」というのも
> わからないなりに言い得て妙です

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