DU PRE/ELGAR & DELIUS:CELLO CONCERTOS

DU PRE/ELGAR & DELIUS:CELLO CONCERTOS
1965年 イギリス
『イギリスらしくなったエルガー』

 新年一発目のクラシック(というか、クラシックのレビュー自体2か月空いていましたね)
はチェロ協奏曲。
たまにはちょっと変わったものを聴いてみたいと思い、選んでみましたがさてどうでしょう。
かつてはマイナーだったこのジャンルですが、今やピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲に次ぐ
メジャーな協奏曲のようです。
その中でも古典として知られているのがロマン派の時代に誕生した
ドヴォルザークとエルガーによるチェロ協奏曲。
今回は『威風堂々』しか聴いたことが無かったエルガーの曲をチョイスしました。

1)エルガーについて(WIKIなどから抜粋)
イギリスの作曲家にして、ヴァイオリニスト。
(1857年6月2日 - 1934年2月23日)
ローマ・カトリック教徒であった彼は、プロテスタントのイギリスに於いて、
(階級社会ということもあり)コンプレックスを持ちつつ肩身の狭い思いを
持ちながら暮らしていたようです。
作曲に於いてもイギリスよりもドイツなどヨーロッパ諸国からの影響を取り入れているのが特徴。
その音楽性はダイナミックにしてスタイリッシュ、そしてエモーショナルというところでしょうか。
悪く言えば大仰で気取っていて、クサイメロディーがたっぷり、という表現に。
実際、イギリスで正当に評価されたのは没後のことだったらしいです。

2)デュ・プレとチェロ協奏曲について
この曲は後期(1919)に作られた最後の大作でしたが、それほど有名ではありませんでした。
しかし61年にチェロ奏者デュ・プレが、この曲を演奏して鮮烈なるデビューを飾ることになり、
一躍有名になりました。その切っ掛けとなったのが本作という訳です。
彼女は65年の本作を機に一流チェロ奏者として上り詰めましたが
73年に多発性硬化症の為引退。87年に亡くなってしまいました。

 なんだかしんみりしてしまうバックグラウンドですが・・・
とにかく、本作は作曲者エルガー、演奏者デュ・プレ、
双方に於いて欠かすことのできない代表作となりました。

 さてチェロ協奏曲ですが、
物悲しいメロディーを奏でるチェロをバックのオーケストラが盛り立てるドラマティックな曲でした。
デュ・プレはテクニックよりも情感を乗せる表現力に重きを置いているチェロ奏者で、
映像こそないものの激烈な弾きっぷりを想像させる念の籠りようです。
オーケストラのダイナミックなサポートも素晴らしい。

 チェロ協奏曲には他のクラシックのジャンルにはない爽やかさと気品があるなぁ、とか
思いながら浸りました。

 尚、オーケストラを指揮したバルビローリは
デュ・プレが5歳の時に通い始めた音楽学校の校長先生だったそうです。
本作は彼の最晩年の頃に当たり、70年に死去しています。

Jacqueline du Pre - Elgar cello concerto - part 3 (recording with Barbirolli)



第三楽章アダージョ。
演奏家によって姿を変えるのがクラシック楽曲の常ですが、
ここでデュプレは牧歌的な哀愁を込めて演奏しており、元来の姿よりもイギリス的なものへと
曲を変貌させています。
コンプレックスからイギリスの影響を受けずに作られた曲が、
後年イギリス人によってふたたびイギリスらしさを注入されるとは。
(この時、デュ・プレは二十歳。)

ディランが「エレキギター、ゲットだぜ!」とやっている時代に
こんなアルバムが作られていたのですね。
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コメント一覧

#509 No title
明けましておめでとうございます。今年も色んな音楽を楽しみにしています。どうぞよろしく願いいたします。
#510 No title
あけましておめでとうございます。
デュプレはなかなかエグイ音(良い意味で)を出すチェロですね。
もし彼女がブルースギタリストだったらとんでもないことになってそうですね。
#511 Re: No title
yuccalina様 

明けましておめでとうございます。
いつもコメントを頂き、ありがとうございます。
今年も楽しんでいただけるよう、
且つ自分も全力で楽しみながらいろんな音楽を紹介したいと思います。


> 明けましておめでとうございます。今年も色んな音楽を楽しみにしています。どうぞよろしく願いいたします。
#512 Re: No title
わんわんわん様 あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

> あけましておめでとうございます。
> デュプレはなかなかエグイ音(良い意味で)を出すチェロですね。
> もし彼女がブルースギタリストだったらとんでもないことになってそうですね。

確かに。気迫を前面に出すタイプですし、情緒もたっぷり。
ブルースでも合いそうですね。
意外とクラシックの女性奏者にはこういうタイプ、多いですよね。

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