淺野大志/あたりさわりのない話

淺野大志/あたりさわりのない話
2014年7月 日本
『10年掛けてひっそりと』

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 帯には藤原マヒト、伊賀航参加の文字。
アコギ弾き語りをする中年男性のイラスト・ジャケとタイトルなどから
興味を持ち、音源試聴の後に購入したのが本作です。
価格は1000円とリーズナブルながらあまり人気の出る気配はありません。
せめて当ブログで紹介させていただこうと思います。

 淺野大志は関西で活躍する自作自演のフォーク・シンガー。
70年代フォークに精通しており、地元の同胞の士と共に活動していたようです。
今回のアルバムにはマスタリングを笹倉慎介が担当しているほか、
藤原マヒト(ピアノ)、伊賀航(ベース)、淺野美穂(コーラス)が参加。
上のジャケット・イラストは栗田咲子という方が書いているそうです。
本作には10年以上に及ぶ彼の活動で書き溜められた楽曲より
厳選した6曲を収録しているとのこと。
ここまでは宣材文を参照しての紹介。

 上記クレジットでわかる方には音が想像出来ると思うのですが、その通り。
カントリー、米SSWの影響も内包した弾き語りフォークであり、
柔らかい室内楽アレンジが心地よく響くアルバムです。

 歌声は朴訥とした雰囲気を感じさせる伸びやかなもの。
少し頼りなげなところもいい。
楽曲はミドルテンポのものばかりが並んでおり
歌声、そして爪弾かれるアコギはゆったりとしていて音数も抑えられています。
その隙間を藤原マヒトの透き通ったピアノ、伊賀航の重厚なベースが埋めている、
というスタイル。
メロディーはとても素朴。
惹きつけるキャッチーさには欠けるものの、
気取らないおっとりしたハミング、コーラスも含めて、穏やかで心地よいです。
社会への批判、皮肉など70年代フォークの過激な部分は継承しておらず、
歌詞にはタイトル通り、強いメッセージ性はありません。
しかし穏やかな日常の中での前向きな気持ちを歌っており、爽やかな歌詞だと思います。
これも70年代フォークならではの魅力として確かにあったもの。

 一度聴いただけでは地味な個性だと感じてしまいますが、
繰り返し聴いていくと穏やかな歌に潜むノスタルジックな魅力に惹きこまれていきます。
70年代日本語フォークが好きな方は是非聴いてみてください。

 1000円は安いのですが次は2000円でフルアルバムを聴いてみたいと思いました。

「深い影 (デモ音源)」


アルバムに先駆けて公開されたデモ。
ピアノとベースの響きには清々しさが感じられますが、
(本作に付いている解説によると)夜の散歩ソングだそうです。
超然とした佇まいはイマドキ貴重。

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