サイトウタクヤ/GOLDEN MAGIC

サイトウタクヤ/GOLDEN MAGIC
2009年 日本
『しぶとく繋がるシティポップの伝統』

 近年、JPOPに於いてネット発信で市民権を得ているシティ・ポップというジャンル。
実際の所、それらの音楽の中にはAORや
ジャズの影響を受けていなかったりするものもあり、
シティ・ポップとしての定義も変わっているな、と感じます。
(まぁ元メタル野郎の自分がこんなこと語っても、ってところですけれども)

 本作はシティ・ポップがアンダーグラウンドに潜っていた2000年代後半に
リリースされていたアルバムです。
サイトウタクヤは秋田出身のシンガーソングライター。
故郷への愛情も深く地元の音楽イベントへも積極的に参加。
本作はそんな秋田への愛が強い彼のセカンド・アルバムですが、
東京録音で制作された甘いシティ・ポップ作となっています。

 下北沢周辺のシティ・ポップ地下人脈の重要人物(一体何を言っているのだ?)
SSWにしてプロデューサーでもある松木俊郎がギターで参加しているのを始め、
鍵盤弾き語りSSWシーナアキコ、元ムーチーズのかちむつみ(piano)、寺尾紗穂(vocal&piano)、
tobacojuiceomutoneなど喫茶ロック系の渋いミュージシャンが大挙参加。
これらのクレジットを観れば音楽性もある程度読めてくるというものです。

 果たして本作の内容は極上のシティ・ポップ作。
山下達郎やシュガーベイブ、キリンジをリスペクトすることはもちろん、
AOR、ソウル、R&Bといったアメリカのルーツ音楽もきっちり研究しており、
太い自我が感じられる音楽となっています。
質の高いメロディーと、意表をつく転調が詰まった本編に死角はありません。
鍵盤、アコギが主導する爽やかで軽快なアンサンブルも素晴らしい。

 敢えて弱点を指摘するなら舌足らずなヴォーカルの発声により、
ところどころメッセージがストレートに伝わらないところがあること。
もちろんこの声だからこその甘ったるさが溜まらない魅力でもあるので
好みが分かれるところでしょう。

久しぶりに聴きましたが、やはり2009年を代表するアルバムの一つだと感じました。

「花束とペーパームーン/ハートランド」


サイトウタクヤの震える裏声ヴォーカルが炸裂しています。
落ち着いたバラード・ナンバー。
サビに行くまでの展開が捻りが効いていて素晴らしい。
2曲目は前年にリリースされたシングル曲(アルバム未収録)。
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