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Nicola Conte/Free Souls

Nicola Conte/Free Souls
2014年2月 イギリス
『タイトルで釣られて後悔なし、 お洒落なジャズ・ヴォーカル作』

 フリーソウルというムーヴメントが都会で盛り上がっていた頃(90年代中盤)、
自分はまだヘヴィーメタルばかり聴いていました。
そんな僕でもフリー・ソウルズというタイトルには何故か
「お洒落そうだな」と反応してしまうのだから、やはりフリーソウルという言葉の浸透率は凄い。
「自由な魂」というシンプルな言葉なのに、
洋楽のアルバム・タイトルには多く使われていない気がします。まんまと釣られてしまいました。

 ニコラ・コンテはイタリア出身のジャズ・ミュージシャン。
そしてDJであり、プロデューサーであり、バンドのリーダーでもある才気溢れる人物です。
これまでに7枚のアルバムを発表。
50年代から60年代に掛けてのジャズ、ボサノヴァ、フュージョン、
アフロキューバンなどに影響を受けており、
中でも特にブルーノート・レーベルとボサノヴァには思い入れが強いとのこと。
本作はそんな彼による8枚目の新作となります。
NICOLA.jpg

 各曲毎にヴォーカリストを迎えた(女性ヴォーカル比率高め)ジャズ・ヴォーカル作。
ボサノヴァの影響が強く感じられる一方で、
ヨーロッパ・ジャズならではの洗練されたメロディーと、クールな演奏が印象に残ります。

 オープニング・ナンバー「Shades Of Joy」が始まって30秒ほどで
「あれ、アフィニティーみたいだな」(この曲は男性ヴォーカルです)と感じたのですが、
その原因はこの曲がアフィニティーもカヴァーした
Mr. Joy』(アーネット・ピーコック)を下敷きにしている為。→アフィニティのカバーはこちら
(というGAOHEWGIIの断言だけど、間違いなく似てますよね?)
自分もまだまだジャズに精通している訳ではないので気がついたのはこれくらいですが、
オリジナル曲として収録されている多くの曲は
かなり過去の名曲のエッセンスが入っていると感じました。
またカバーを3曲収録。
ボビー・ジェントリーアーマッド・ジャマル、ラルフ・レインジャー/レオ・ロビン、
というマニアックなチョイスをしています。
忘れ去られた名曲群の魅力を再び磨き上げて新しい音楽として提供してくれており、
DJとしても活躍している彼ならではの柔軟性を感じることが出来ます。

 ダンディーな歌声のマーヴィン・パークス(メルヴィン・スパークスと名前が似ている)、
パワフルな女性ヴォーカル、ブリジット・アモファ(Amofah)を始め、
参加ヴォーカリストは総じて強力。
次々に主役が変わるため、楽しく聴き通すことが出来ました。

 あくまで主役はヴォーカルながら、インスト部分では所々でフルート、
ピアノを交えた透明感溢れるアンサンブルを披露しているのもポイント。
きっちり、ヨーロッパらしさも主張しています。

「Soul Revelation」


 「魂の啓示」。オランダ人シンガー、ターシャズ・ワールドをフューチャーしたナンバー。
浮遊するフルートと、柔らかいピアノ、少しアンニュイな女性ヴォーカル。
やっぱりアフィニティーに通じる魅力があるな、と再確認しました。
本作は日本盤でもSHM-CDにてユニバーサルよりリリースされています。
歌詞が面白そうなので、日本盤が良いかもしれません。

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コメント一覧

#297 No title
フリーソウル、この言葉には惹かれています。

魂の啓示はまさにフリーソウルでいい感じですね。

それにアフィニティ。
強烈なハモンドの印象が強すぎましたが
Mr.Joyのおしゃれ感って再認識しました。
#298 Re: No title
面白半分様 こんばんは

コメントありがとうございます。

> フリーソウル、この言葉には惹かれています。
>
> 魂の啓示はまさにフリーソウルでいい感じですね。

おっしゃる通り。
スカしたカッコよさはまさしくヨーロッパ流という感じ。
ソウルはゴージャス系が受ける昨今ですが、こういうのもいいですよね。

>
> それにアフィニティ。
> 強烈なハモンドの印象が強すぎましたが
> Mr.Joyのおしゃれ感って再認識しました。

エンジェルエアーからリリースされた初期作などは
ものすごくジャジーなインストだったりして、
本気で黒い音楽に取り組んでいたんだなぁ、と思いました。
根っこがしっかりしてるからこそのおしゃれ感ですね。
マニアに愛でられすぎて敷居が高くなっちゃったのは
ちょっともったいない気もします。

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