王舟/Wang

王舟/Wang
2014年7月 日本
『焦らしに焦らされたデビュー作』

 とんちレコードなど、現在の国内アコースティック音楽シーンで
数年前から名前だけは聞こえてきたミュージシャン、王舟。
そういえば、当ブログで紹介した伴瀬朝彦も王舟バンドのメンバーでした。
既に2枚の自主CDRもリリースしており、一部ファンから高い評価を獲得。
そんな名は聞こえども音楽は聴こえて来なかった王舟ですが、
この度、デビュー・アルバムをリリースされたということです。
めでたい。自分も早速購入してみました。

 王舟は上海に生まれ、現在は栃木で暮らしている中国人。
音楽的なルーツとしてはジャズやアフリカ、カリプソ音楽に対する造詣が深い一方で、
スピッツなどのJPOPを聴いて育ったという側面も持っています。
音楽活動を始めてからは、先述したようにとんちれこーどcerommmといった、
京都や東京で活動するアコースティック系ミュージシャンとの交流を盛んにしています。

 制作に3年を費やしたという本作では、これまでの音楽活動で培った人脈が活かされており、
岸田佳也(俺はこんなもんじゃない)、伴瀬朝彦(片想い、ホライズン山下宅配便)、
潮田雄一(QUATTRO)、池上加奈恵(はこモーフ、真黒毛ぼっくす)、mmm、
みんみん(カッパ大使館)、シャンソンシゲル(GELLERS)、フジワラサトシ、
柱谷、高橋三太、kyooo、澤口希(omu-tone)、oono yuuki、森ゆにが参加。
ミックスは岩谷啓士郎(トクマルシューゴのバンド・メンバーであり、
最近ではシャムキャッツの新作にてエンジニアを担当)、
マスタリングは木村健太郎(クラムボンや七尾旅人の作品を担当)が手がけています。
(ちなみにアドヴァイサーとしてトクマルシューゴもクレジットされています。)

 さてデビュー作ですが、ceroにも通じるふわふわしたアコースティック音楽をやっています。
ポイントとしてはまずヴォーカルが基本、英語詞であること。(一部、日本語詞の曲もあり)
ユルユルで鼻歌のような発声であり、ハミングに近いニュアンスで歌われているのが特徴です。
この辺りは好き嫌いが、はっきり分かれるところでしょう。
個人的には最高とは言い難いですが、ほんわかとした雰囲気にマッチしていると思います。
そしてもう一つのポイントは、カリプソ要素が音楽に色濃く反映されており、
パーカッシヴな音楽になっていること。
細野晴臣のソロ作や、カセット・コンロスのような、
のほほんとした旅情溢れる音楽はとても魅力的です。

 楽器編成は基本編成に加え、フルート、ピアノ、オルガン、バンジョー、トランペット、
パーカッション、グロッケンシュピール、マリンバなどが彩る賑やかなもの。
カリプソ音楽、ラテン、ジャズといったルーツを反映させた渋い楽曲が並んでいますが、
JPOPを聴いて育ってきただけに、仕上がりは至極まろやかで聴きやすいです。
噂の人物、遂にデビュー!というには、かなりまったりですが・・・・・・
ふわふわしていながら、芯となるルーツがしっかりしているので安心して聴けます。

「New Song」


2011年のライヴ。恐らく、何らかのグループ名義だと思います。(複数あるので特定できず)
演奏メンバーは所々異なるものの、アットホームな演奏はこの映像そのままです。
アルバム中でも最も、牧歌的な(ほぼトラッド)ナンバー。

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