ペンギンの憂鬱/アンドレイ・クルコフ

ペンギンの憂鬱/アンドレイ・クルコフ
1996年ロシア 315p 沼野恭子訳
読書期間1日
『受身なペンギンを応援したい!』

 同時に借りた「未来のイヴ」が手強すぎて、返却日が明日に迫る中で読み始めた本作。
しかし、こちらは読みやすかったです。

 あらすじとしては、
1990年代、ソビエト崩壊直後のロシア。
ペンギンと暮らすヴィクトルは、ある日新聞の死亡記事を書く仕事に就く。
しかしそれを切っ掛けにキナ臭い状況に巻き込まれていき・・・・・・。
こんな感じの小説です。

 別荘の朝、爆音で目を覚ますと、泥棒が罠の地雷に引っかかって
爆裂死していた・・・なんて日常がロシアにはあったのですね。
なんてハードな世界。
 
 作者は児童書も書いているためか、とにかく文章が分かりやすい。
そして訳文も女性らしいやわらかさが出ており、ほんわかとした雰囲気が心地よいです。

 さて本書では主人公の生活の軸として、
ペンギン、マフィアの娘である女の子、ベビーシッターによる同居生活が描かれています。
仕事関係の上司や一人だけいる友人も含めてですが、
とにかくそれぞれの事情にはまったく触れずに
温く薄い人間関係で形成された世界が保たれており、
そこでどう振る舞うべきか、少し戸惑ったり、苛立ったりしながら
「しょせん俺は孤独な男なのだ」と殻に閉じこもったままの主人公はなかなかリアル。
好感が持てます。
ペンギンとの会話(腹話術)シーンはアツイ!

 そのペンギンなのですが、うつ病を患っているという設定で、
物悲しい佇まいが印象的。

 ストーリーを詳しく語ることはしませんが
展開も早い物語は、「そもそもペンギンて家でいきなり飼えるものなの?」という点から始まり、
強引なところが多々あり。
しかし意外なアイディアが満ちており一気に読めます。

 そしてどんでん返しのラストも素晴らしい。
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