Lee Fields/Emma Jean

Lee Fields/Emma Jean
2014年6月 アメリカ
『二度目のチャンスを掴んだ男、63歳にして堂々たる新作』

 渋い歌心とメロウなキーボードが絡み合って生まれる幻想的なソウル・ミュージック。
梅雨真っ盛りのジメジメした今日この頃にぴったりの爽やかな音楽をご紹介。

 リー・フィールズは1951年生まれ。60年代からソウル・シーンで活躍、
79年に初めてのアルバムをリリースするなどして、
そのパワフルな歌声からリトル・ジェームス・ブラウンという異名を与えられました。
しかしソロ・シンガーとしての最初のチャンスを活かすことが出来ずに
長きにわたり沈黙することとなります。復活したのは1992年。
以降、エース・レコード、アヴァンティ、デスコ、ソウルファイア、トゥルース&ソウル、
とレーベルを渡り歩きながら10枚のアルバムをリリース。
その間にレア・グルーヴなどの再評価ムーヴメントの波に乗って、
彼の79年作「Let's Talk It Over」も浮上。
リー・フィールズは見事、再発見されることになります。
また、近年活発化しているヴィンテージ・ソウル・シーンに於いても再評価されており、
シャロン・ジョーンズ&ダップ・キングスを始め、多くの若手から尊敬を集めている状況。
41歳にして再チャレンジ。そして老いてなお、支持を伸ばしているソウル・シンガーなのです。
尚、彼はリー・フィールズ&ジ・エクスプレッションズ名義で活動しており、
今作もソロ名義ではありますが、
これまで同様ジ・エクスプレッションズが全面バックアップして制作されています。

Lee-Fields.jpg


 さて11枚目となる本作は彼の亡き母であるエマ・ジーンをタイトルに冠したアルバム。
高齢の為、79年作に比べれば、パワフルな歌唱に衰えは隠せません。
しかし依然歌心は健在。力まずに自然体で歌い上げる、
掠れたヴォーカルは艶やかであり、魅力満点です。

 60年代ソウルを下敷きにした、
古典的なソングライティングを特徴としていますが、アレンジは現代的。
エクスプレッションズによる演奏はコンパクトで洗練されたアンサンブルを形成しています。
特に煌びやかでメロウなキーボードと、サイケデリックにわななくギターは印象的。
シンプル且つソリッドなリズム隊も素晴らしい。
楽曲は先行で公開されたJJケイル(昨年死去)のカバー「Magnolia」以外は
オリジナルで構成されており、総じて60年代のソウル音楽にはない
ダークな気怠さと爽やかさを内包しているのが特徴。
バラードからジャンプ・ナンバーまで幅広く収録されています。

 長きにわたる潜伏期間は無駄になっておらず、
若手ミュージシャンのように瑞々しい感性こそ無いものの、
年の功を感じさせるバランス感覚が素晴らしい。
カリスマとして支持されているのも納得の完成度を持ったアルバムです。

「Just Can't Win」


ウーウーウウウー、という遠くから聞こえる男性コーラスが幽玄な雰囲気を醸し出しており、
印象的。ボクシング・シーンの打ち合いは、怪しい感じがアリアリですが、
リー・フィールズのルックスには堂々たる風格が感じられます。

日本盤はLOVE HIGHJACKERより6月11日にリリースされています。輸入盤ももちろんあり。

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