THE SEASONS/Pulp

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ちょっと洋楽新譜レビューのストックが溢れてしまったので
今週からしばらく日曜日と月曜日も更新します。
洋楽新譜は現在、金土日月と週4日で更新していることになりますので
よろしくお願いいたします。

THE SEASONS/Pulp
2014年4月 カナダ
『ケベック産。
林檎の曲でデビューしたご機嫌サイケ・ポップ・グループ。』


カナダ東部に位置するケベック州。
フランス入植、イギリスからの支配、という歴史を持つこの地では公用語がフランス語です。
ヨーロッパ圏の文化を多く吸収したケベック州からは、昔から多くの音楽が誕生しています。
世界的人気シンガー、セリーヌ・ディオンを始め、シンプル・プランやIMA、
あるいは70年代プログレのポレーンなど。
そんなケベック州ですがフランス語で歌われるなどの要因で、
世界的な知名度を得られないミュージシャンも多く、
魅力的な才能が埋もれている土地でもあります。

 今日、ご紹介するシーズンズもそんなグループの一つ。
ギター、ヴォーカルを二人が務める四人組です。
結成年度は定かではありませんが(資料不足につきご容赦)、
2012年には本作収録曲を演奏している動画がありました。
ヒスノイズのような高音を漏らすギター、
気だるくサイケデリックでポップ(つまり英サイケ由来)なメロディーが印象的。
そこに、ケベックの特性でもあるトラッド成分も加味されています。
その音楽はまるで、ネオアコに醒めたニューヨークを足したような風情があります。
また彼らのファースト・シングルは「Apples」という曲であり、
中期以降のビートルズ(ポール寄り)を意識していることもポイントでしょう。
SEASONS.jpg


 ヴォーカルを二人で取っているのは強みであり、
共に少しずつ声質が異なる甘く繊細な歌声でデュエットする様子は鮮やか。
ちなみに彼らは英語詞で歌っているので、フランス語が苦手な方はご安心ください。
特別、ずば抜けた力量を持った歌声ではありませんが、
温かみのある彼らの音楽を彩るには十分な魅力を持っています。
録音にはピアノやシンセサイザーなどの鍵盤楽器も参加しており、
アコースティックな質感による音数を抑えたアンサンブルとなっています。

 収録曲はポップなメロディーが印象的なものが並んでいます。
ネオアコと形容したとおり、フォーキーで内省的なものが多く、総じて華やかさには欠けます。
しかしメロディーの質は高く、曲展開も凝っており、
さすが中期ビートルズをリスペクトしているだけのことはある、と唸らされるクオリティー。
各曲は2分から4分とコンパクトにまとめられて全編で41分。飽きることなく楽しめます。

 エレクトロ全盛の現代に於いて、サイケポップはいささか時流を外れている印象。
しかしデビュー作(本作の前にEP「Velvet」あり)にして独特の存在感を放っており、
今後の活躍に期待したいグループです。
「Apples」



デビュー・シングルであり、本作のラスト・ナンバー。
再生回数は既に8万回を超えているので本国ではある程度の人気を得ていることが伺えます。
ビートリッシュなメロディーに少し気だるさを加えた、彼ららしい曲。
改めて聴いてみても、大器の予感がヒシヒシと。ルックスもスマート。
日本で最初に紹介したのはこの私なのだ、と誇りたくなってきました。 
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