Simone Felice/Strangers

Simone Felice/Strangers
2014年4月 USA
『暗くメランコリーな個性でアメリカーナを料理』

 日々、量産され続けるシンガー・ソングライター作。
自分も好きなので色々とチェックするのですが、
ただでさえ発表される量が多いのに個性を判別しづらいのが、このジャンルの厄介なところ。
ちょっと聴いただけでは印象も薄くなってしまいます。
本作も一度ウォント・リストから抹消したほどなのですが、
憂鬱な暗さを伴う歌がジワジワと浸透。
発売された3月から2ヶ月掛かってようやく購入に踏み切りました。

 サイモン・フェリスはニューヨーク出身、1976年にキャッツキル山脈の集落で生まれています。
15歳の頃、パンク・バンドを結成。青春をヘッドバンギングに捧げます。
22歳の頃、大学で詩に対して関心を持ち音楽の趣味も、フォーク、カントリーへと変化。
その後、弟とフェリース・ブラザーズを結成。
自作曲や伝承歌、ブルースやフォークのスタンダードなどを
街頭や小さなクラブなどで演奏していました。
その後、大物プロデューサー、リック・ルービンとの出会い、
新たなグループであるザ・デューク&ザ・キングでの活動を経て
2012年にソロ・デビュー・アルバムを発表。今に至ります。
Simone-Felice.jpg

 二つのグループ
(21世紀のザ・バンドと呼ばれるフェリース・ブラザーズザ・デューク&ザ・キング)では、
アメリカーナ(アメリカの伝承音楽)の楽しく騒々しい部分にフォーカスしていましたが、
ソロではフォーク、カントリーに傾倒したシンガーソングライター
(ボブ・ディランやニール・ヤング)の影響をストレートに反映させた作風が特徴。
ファースト、セカンドともにチーム・ラヴ
ブライト・アイズのコナー・オバーストが主宰するレーベル)からリリースされています。
録音にはフェリース・ブラザーズからのメンバーも参加。
アルバムは弾き語りをベースとして、ストリングス、エレピなどが
爽やか且つドラマティックに盛り上げる音作りで統一されています。

 優しくジェントリーな歌声によって紡がれる詞は妻の流産、
自身が少年期に施された手術跡の再手術など激動の数年間を振り返る内容。
厳しい試練から得た前向きな提案が、聴く者を励まします。

 オーソドックスで伝統的な作風ながら、ニューヨークらしいダークな雰囲気が息づいており、
それがサイモン・フェリスの楽曲が持つメランコリーな資質と融合。
デヴィッド・ボウイとルー・リードを混ぜたような不思議な魅力が時々、顔をのぞかせています。
個性としてはささやかながらアメリカーナの正統なアップデート、
と評価する海外メディアの言う通り、温故知新がきちんとなされたアルバムです。
収録曲のいくつかには「天国への扉」の雰囲気もあり。
「Molly-O!」


 ブリッジのメロディーの美しさは特筆もの。
アルバムは穏やかなバラードを中心として構成されていますが、
その中で唯一収録されたロックンロール・ナンバー。
色気と危うさが同居しており、ニューヨークの雰囲気もたっぷり。
前述したデヴィッド・ボウイとルー・リードの融合という言葉もしっくり当てはまる曲だと思います。
後半にブラス、ピアノが加わるクライマックスの構成も見事。
大手通販サイトでも取り扱っています。(レビューもあり)
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