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ジュンパ・ラヒリ/その名にちなんで

ジュンパ・ラヒリ/その名にちなんで
2003年アメリカ 350p
『改名したらモテまくりでウハウハだぜ!という話ではない』

 一週間で2冊(700p)読めた。最近、読書が充実している。
ただ、どうにもアンハッピーな話ばかりが続いており、気が滅入る。
この本も、『停電の夜に』(未読)で有名な作者であり
「その名にちなんで」というタイトルからほのぼのとしたものを感じて
借りてみたのだが・・・・・・やっぱり主人公は挫折して幕切れ。
次こそは能天気なハッピーエンドが読みたいものだ。

 あらすじ
アメリカで暮らすインド移民夫婦が、生まれた息子にとある理由から「ゴーゴリ」と名付ける。
多感な青年期に、名前に対して恥ずかしい思いを抱くようになるゴーゴリ。
変名してインドのしがらみから逃れて恋愛など、人生を謳歌するようになった彼だが、
安定を得るその節々に、ルーツが浮かび上がり恋人との別れを呼ぶ。
名前から逃れようとして、縛られていくゴーゴリの人生についての小説。

 この小説には三人のヒロインが登場する。ソニア、マクシーン、モウシュミだ。
三人とも快活な性格であることは共通しているものの、
それぞれ個性が立っている。
生活環境も移ろっていくので、
さながらそれぞれが短編として独立しているかのような趣がある。
最初に書いたとおり、全て別離という結末を迎える。まぁ最初の二人に関しては
読んでいても予想はつくのだが、最後の一人「モウシュミ」までうまくいかなかったのは悲惨。
彼女はゴーゴリと同じインド移民なのだが、
同胞意識の強い、そのコミュニティーから逸脱しようと
家族から離れて青春を謳歌していた。
つまりゴーゴリと同じ挫折を味わい、ルーツに対する抵抗を諦めることで結ばれたのだ。
しかし、「そんな妥協があったからうまくいかなかった。」ということで別れるわけだ。
あんまりにも理不尽な人生!

 作家自身も幼い頃に両親と共にアメリカに来た移民だけに、
移民2世の葛藤はリアル(説得力がある描写)に描かれている。

 そして名前。ロシア作家が由来である「ゴーゴリ」という名前は最初、正式名称では無かった。
幼稚園(だったかな?)でゴーゴリ自身が
正式名として予定していた「ニキル」を拒絶したため定着してしまった。
しかし後に恥ずかしいと思うようになる訳だが、幼い頃に自分で無くなると感じて
ゴーゴリを守ったのに結局その名に振り回されることになるのは皮肉。
この名前を中心とした自身のルーツがついて回る様は重苦しいのだが
それに屈することなく、逸脱しようと頑張る姿が眩しい。

 気を張ってきた彼が見ないようにしていた
ルーツに向き合おうとしているところで終わるラストは爽やか。

 しかし、名前を変えたとたんモテまくり人生がスタートするゴーゴリには驚きを隠せない。
くそー、俺も改名しようかな。隼人とかいいね。
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