Ginger Wildheart/Albion

Ginger Wildheart/Albion
2014年3月 イギリス
『メロディー、轟音ギター、転調、ビート。
くっきり原点回帰した充実作』


 大学時代、ワイルドハーツというグループに夢中になりました。
疾走するビート、轟音ギター、それらを包み込むキャッチーなメロディーとめまぐるしい転調。
主に60年代から70年代に掛けての英米音楽をルーツとしており、
それをパンク、グランジなどの要素と掛け合わせた音楽性は、とてもカラフルで魅力的でした。
90年代後半、最もポップなハード・ロックを鳴らすバンドだったと思います。
またシングルを発表する際にはB面に2曲の新曲を収録。
それを2ヴァージョン以上リリースしていました。
つまりシングル1枚につき,4曲の新曲を投入しており、
しかもそれらがアルバム収録曲と遜色ないクオリティーを保っていたのです。
この驚異的生産性も彼らの魅力の一つでした。
 
 その後、解散騒動(辞める辞める詐欺)〜低迷期を経ても生き延びたワイルドハーツ。
イギリスはもちろん、日本での人気も高かったです。時は流れて2013年。
彼らの黄金時代に残した名作『Earth vs the Wildhearts』がリリース20周年を迎える節目の年。
それを記念して、昨年アルバム再現ライヴ・ツアーが計画され、来日ライヴも実施されました。
そして2014年。ワイルドハーツは、作曲面をほぼ一人で受け持ってきたリーダーのプロジェクト、
ジンジャー・ワイルドハートへと名義を変えながらも存続。
プロジェクトとしての2ndアルバムを発表。それが本作『Albion』となります。
GINGER.jpg


 前作『100%』同様、キャッチーなメロディーは健在。
それに加えて、疾走するビート、轟音ギター、めまぐるしい転調という
かつてのワイルドハーツの要素が勢ぞろい。
再現ライヴを経たことで、原点回帰というテーマが反映されています。
本作は鍵盤奏者、ツインギターによる5人編成に、
曲によって女性コーラスが入る、という体制で録音されています。
録音メンバーは7名。メタリカに傾倒していた『Earth vs the Wildhearts』期に比べて、
轟音ギターはボリュームを抑えられており、
キャッチーなメロディーを前面に出した音作りが特徴です。
原点回帰とは言え、サウンドでは最近のポップ路線との折り合いを付けている印象。
ひたすらポップなリーダー・トラック「Body Parts」、キッスの「I Was Made For Loving You」と、
高速ロカビリーを合体させたようなダンス・ロック・ナンバー「Grow A Pair」、
ピンク・フロイドの「Summer '68」を彷彿とさせるパパパ・コーラスが美味しい、
幻想的なミドル・ナンバー「After All You Said About Cowboys」など盛りだくさんの内容です。

 一方でボーナストラック及び何曲かでは明らかにクオリティーが落ちる曲があるのが残念。
名曲量産能力までは復活していないことが伺えます。
ただし、全盛期の名作群には及ばないものの、ファンなら納得できる充実作です。

「The Beat Goes On (Caledonia) 」


とろとろにポップであり、かつグネグネと転調する彼ららしい曲。
本作を聴くにあたって『Earth vs the Wildhearts』も聴き直したのですが、
歌声がまろやかになって安定していることに気づきました。
ヒャダインや星野源など、J-POPを代表する転調作曲家を愛する方々にも聴いて欲しいです。

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