古川豪/原子力時代の昔語り

古川豪/原子力時代の昔語り
1976年 日本
『愛嬌とユーモアたっぷりに伝承歌を歌い継ぐ』

 去年からリリースされている『URC最後の蔵出しシリーズ』。
SHM-CDで2835円、いや今は2916円という価格に恐れをなして手を付けていなかったのですが
そろそろ集め始めないとまずいんじゃないの、
というプレッシャーに負けてポツプツと買い始めております。
「最後の蔵出し」まで残っていただけにマニアックなメンツばかりが並んでおり、
ジャケットを見ると想像力を掻き立てられてしまうのです。
(まぁはじめから見なければいいのですが)
余談ですが、10枚集めると特典盤が貰えるという、昔懐かしいキャンペーンをやっています。
締切は今年いっぱいとのことですが、2916円を10枚とはかなり険しい。

本日は古川豪のセカンド・アルバムを取り上げます。

 京都出身のバンジョー奏者、古川豪。
本作は50年代アメリカ音楽(ブルース、カントリー、オールドタイム)
をベースにした弾き語りが収録されています。
曲はアメリカの伝承歌、フォークの替え歌が中心です。
昔、高田渡のアルバムでディランの替え歌が入っていたりして
「こういうのいいのかな」と思ったものですが、
フォーク、ブルースの歴史に於いては替え歌で代々歌い継ぐ文化というものがあり、
つまりはそういうことなのです。文化なのです。

 温もりを感じさせるバンジョーと、朗々としたハスキーな歌声が魅力的。

 タイトルからは時節柄、社会的な内容を想像してしまいますが、そんなことは全くありません。
有名な「ジョン・ヘイリーの末裔」(殺人者を歌うマーダーブルース)といったトラッドも
「自動改札が導入されたばかりの駅での笑い話」にしてしまうなど、
ユーモアたっぷりの創意工夫を発揮。

 力の抜けた日常の中に人々の悲哀が混じっており、正しくURCらしい作風と言えましょう。

 さて。ここで初めてタイトルを正面から取り上げます。
当時、輝かしい新技術だった原子力について皮肉を含めてタイトルにしているものの、
本作では一切、そのテーマに触れることはありません。
ただ、その心に秘するものはあったのでしょう。
1981年に、広島の原水禁世界大会で「原発に未来なし」を歌っています。

 現在も大小様々な会場で歌うことを続けているそうです。
本作収録曲のyoutube音源が無かったので、本作にボーナストラックとして収録されている
「ホーボーの子守唄」をどうぞ。


シンガーソングライターであり、医師でもあった
藤村直樹の追悼イベントにて演奏したときの映像。
冒頭で述べられているように多くのフォーク・シンガーが
取り扱った伝承歌。
50年代アメリカらしいロード・ソングを日本のうたとして
聴かせてくれます。

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