Steve Ferguson/Steve Ferguson

Steve Ferguson/Steve Ferguson
1973年 アメリカ
『「アサイラムのシンガーソングライター作」
という看板に恥じない力作』

 

 アサイラム唯一の黒人ミュージシャン、というコピーで
知る人ぞ知るピアノ弾き語りのシンガー・ソングライター、
スティーヴ・ファーガスン。
黒人のシンガーソングライター?
それってスティヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイみたいなことなのだろうか?
まんまと(由緒正しい)キャッチコピーに乗っかって購入してみました。

 本作は彼の唯一作。
黒っぽさはほとんど残しておらず、
ソウルフルなシンガーソングライター作といった風情の音楽性。
ニュー・ソウルの流れを感じさせつつ、アサイラム(LA)という白人中心の音楽環境で作られた
というプロセスが反映された音楽性が楽しめるアルバムです。

ちなみに彼はソングライターとしての活躍も有名で
カーペンターズやカーラ・ボノフなどに曲を提供していたようです。

さて、本作の主な参加メンバーは以下。

エド・グリーン(Drums) モータウン畑。
ウィルトン・フェルダー(Bass)本業のサックスのジャズ・プレイヤー。
デヴィッド・T・ウォーカー(E.Gt)ソウル、ジャズ、日本の歌謡曲。世界的セッション・プレイヤー。
クライディ・キング(BackgroundVocal)ストーンズ、ハンブル・パイのコーラスも務めた。
ブルー・ミッチェル(Trumpet) 代表作『Blue Mood's』。
バディ・チルダース(Trumpet)
ディック・ハイド(Trombone)『幻想の摩天楼』にも参加。
ジョージ・ボハノン(Trombone)モータウン畑。
アーニー・ワッツ(Saxophone/AltFlute/Oboe)フュージョン系。

ジャズ・プレイヤーも加わったブラック・フィーリングが濃いメンツで制作。
リラックスした歌声とピアノに、上品なストリングスとブラスという組み合わせ。
感情豊かな歌心溢れる楽曲が並んでおり、
そのスタイルは初期ビリー・ジョエル、ランディ・ニューマンを彷彿とさせます。
傷心を癒すアコースティックな質感のメロウ・ナンバーを中心に、
ファンキーなミドル・ミューン、ポップ・ナンバーなどバラエティ豊かな構成です。
演奏面では本人によるピアノの他では、やはりデヴィッド・T・ウォーカーのギターが素晴らしい。
控えめながらメロウ・グルーヴを醸し出す柔らかい音色が印象的です。
柔和なサウンドを支えているリズム隊もポイント。
後半に配された連続するファンク・ナンバーでは
タイトなところも見せています。
シンガーソングライター作と考えると、後半に若干失速(主に曲の質に於いて)が見られるのが
残念ではありますが「アサイラムのシンガーソングライター作」という看板に恥じない力作でしょう。

「Chasing The Shadow Of Relief」


アルバムのハイライトを成している、バラード・ナンバーの一つ。
メランコリーな雰囲気の中、気負わない優しげな歌声が染みます。
さすが、素晴らしい曲を書きますね。
カーペンターズに曲を提供するのもうなずけます。


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