KUBELIK:Boston Symphony Orchestra/SMETANA:MA VLAST

KUBELIK:Boston Symphony Orchestra/SMETANA:MA VLAST
1972年 アメリカ
『「モルダウ」は第2曲だった』

 月一枚のクラシック記事。
今月は華麗な旋律を持つ「モルダウ」が有名な
スメタナの交響詩「我が祖国」を聴こうと思います。
最近、歯医者に行った時にこれが流れていて
そう言えばきちんと聴いたことが無いな、と思い立った次第です。

 スメタナの「我が祖国」、と単語の聞き覚えはあれど、
何の知識も無いので少し基礎知識を書いておきます。

 チェコで生まれ育ったスメタナ。
ピアニスト、聖歌隊指揮者、音楽教師とキャリアを重ねて来た彼が
オペラ作曲家、指揮者として活動を開始したのは1860年初頭のこと。
その後、人々の支持を得るスメタナ。
しかし専門家からは、リスト等の影響を受けた彼の作風が
「チェコの伝統を守っていない」と非難を浴びることになります。
精神的に追い詰められたスメタナは体を壊してしまい、
次第に聴覚を失っていきます。
1874年頃には失聴(※注)し、作曲家としての活動に専念して人生を送ったそうです。

「我が祖国」は、全6曲からなる連作交響詩。
1874年に制作されており、1曲目が完成した段階で失聴してしまったにも関わらず
完成させたそうです。

 元々、オベラ作家だけに6つの楽曲にはそれぞれ物語があり、
祖国の歴史、自然が描かれています。
穏やかな風景を想起させる優しくも華麗な旋律が特徴。

 今回は「我が祖国」の代表的名演として有名らしいクーベリック指揮の71年録音
を選んでみました。
クーベリックはチェコ出身の指揮者なので、
「我が祖国」に対する理解はもちろん、愛着もあるだろうと思いました。
穏やかで上品な演奏で、雄大な自然を表現するのに最適なものという印象。
モルダウ以外は初めて聴きました。
「ドラクエ」っぽいな、というのが最初の印象で
「ロールプレイングのお城やエンディングで流れる感じに似ている」という感想。
もちろん、「我が祖国」のほうが先なのですが。
全編、非常に親しみやすいメロディーであり、
ダイナミック且つ流れるような構成を持っています。
「モルダウ」だけで有名ですが、全編通しても
クラシック初心者にも優しい曲になっていました。満足です。

※失聴 言語能力を持ったあとで聴覚を失うこと。全ろうは言語能力を持つ前に聴覚を失うこと。
ワイドショーでは「彼」を全ろうと称していましたが、あの場合、失聴ですね。

「Šárka」


第3曲:シャルカ

 チェコに伝わる物語、女戦士シャルカを取り上げた曲。

恋人に裏切られたシャルカは
女戦士となり全ての男たちへ復讐を決意。
谷に陣取り、女戦士団を率いて、男たちを襲っていた。

ある日、騎士ツチラートが軍団を連れて、谷に続く森へと入った。
物音で侵攻に気づいたシャルカは計略を考える。
「まず部下に裏切られたことにして投降したフリをする。
そのあと酒で奴らをグデングデンにした後で
血祭りに上げてやろう。」

道中、木に縛り上げられたシャルカを助けたツチラート。
彼はシャルカに惚れてしまい、成敗するのをやめて自分の城へと連れ帰る。
帰ってきたその日の夜、宴は開かれた。
シャルカは計画通り、酒に一服盛り、
ツチラートを始め、屈強の男たちは皆眠りについてしまった。

シャルカは角笛で待機していた部下たちを呼ぶ。
ツチラートを自らの剣で刺し殺すと、部下たちもそれに続く。
皆殺しにして、勝ち誇るシャルカと部下たちの雄叫びが城に響き渡る。

しかしシャルカの心は全く満たされることはなく、
絶望した彼女は谷から身を投げて命を絶った。

いくつかのヴァージョンがあるそうですが、
以上がそのうちの一つの物語となります。

野生のシャルカという谷(自然公園)がチェコにはあるそうで、
観光名所となっています。

Divoká Šarka

動画に写る絵画。その中にいる赤い服を来た女の人がシャルカでしょうか。

次々に場面が移り変わっていく激動の曲。

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