LAMP/ゆめ

LAMP/ゆめ
2014年2月 日本
『Lampのゆめは素敵な「ぼんやりタイム」』

 インターネットはミュージシャンについて色々な情報を提供してくれます。
例えばミュージシャン自身のHPなどで詳しいプロフィールを見ることが出来て、
そこで彼らのルーツを知ることも出来たりします。

 ランプの場合、メイン・ソングライターの方が音楽ブログをやっており、
自らの音楽趣味を披露してくれています。
音楽愛を爆発させている様をまざまざと見せ付けられるとファンとしては、
大いに安心するわけです。今はこんな音楽が好きなんだな、とか。
(※さすがに最近は新作の告知ばかりだったので数ページめくらないと音楽紹介は出てきません)

 そんな彼らの最新作が本作です。
YUME.jpg
やけに昭和チックだな、と思ったら林静一がジャケットを担当しています。
あがた森魚が歌った「赤色エレジー」で有名な漫画家ですね。
前作の鈴木翁二といい、昭和ノスタルジーに的を絞った人選。
しかしいつの間にか、大物感が漂うグループになりました。
貫禄がありすぎるジャケの効果、絶大です。
レコード・ジャケを眺める「プカプカ」風ギャル。
このジャケはなんだろう、くりすとふぁー・すとりーと?
調べてみると50年代にクリストファー・ストリート/ワンダフル・タウンというミュージカルがあり、
このサントラの裏ジャケだと思います。
(該当の裏ジャケまでは探れませんでしたので、間違っていたらごめんなさい。)
それを聴いている情景ですね。
ちなみに折りたたまれた歌詞カードの外側にも素敵な絵が描かれています。
ジャケだけでダラダラと書いてしまい恐縮です。
まとめると「いい!」ということです。

 ランプは女性ヴォーカルと二人の男性シンガーソングライターによるグループ。
混声コーラスが美しい、ボサノヴァ風味のポップ・ミュージックを作っています。
本作はミニアルバムを含めて8枚目のアルバム。
男女それぞれのヴォーカル一人ずつに、ギターという役割分担のバンド・メンバーに加えて
多数のセッション・プレイヤーが参加。
特に鍵盤関連に分厚く人員を配しており、フェンダーローズ(エレピ)とオルガンの二枚看板がフォーマットで、
更にウーリッツァー(エレピ)が加わる曲もあり。
まさかのメロトロンも複数曲で活躍、更にヴィブラフォングロッケンシュピール
それからトランペット、ヴァイオリンなど様々な楽器を使用。
クレジットから念が迸っています。

 クレジットからも想像出来るように鍵盤の分厚さが際立つ、
ファンタジックな雰囲気が印象的なポップ・ミュージック。
前作を踏襲した音楽性と言えるでしょう。
1曲目ではメロトロンを使っていることもあり、クリムゾンやクィーンを思い浮かべてしまいました。
主にアメリカン・ロックをルーツとしている彼らですが、ここまで叙情を込めると
さすがにブリティッシュへと流されていくのでしょう。
そんな変化もバッチリ、ハマっています。
 ボサノヴァ、アメリカン・ロック、AOR、シティポップなどをルーツとした
コーラスてんこ盛りの楽曲群は相変わらずの充実振り。
今回は全曲がLAMP名義となっています。
 そして最大の関門「榊原嬢のヴォーカルは何を歌っているのか分からない」問題ですが、
近年進化を遂げており、本作でも大分聞き取りやすい発声になっていると感じました。
早口パートがほとんど無くなっているほか、デュエットパートでフォローを入れる箇所も多く、
配慮が為されています。(それでも初見の方は慣れが必要かもしれません。)
聞き取りやすければ、彼女のこわれもののような繊細な歌声はとても魅力的に響きます。
70年代日本語ロック/フォークの流れを汲んだ言葉選びも健在。 

 ジャケット通り、若者の日常を切り取った世界観でまったりとしています。
多分大学2年生ですね。
「ゆめ」というのは、このアルバムが生み出す空間を「ゆめ」と捉えて欲しい、
という意図だと思います。
微睡んだ雰囲気の曲が並んでおり、
転調の激しいハード・ドライヴィンな曲は目立ちません。
美しいコーラスとストリングスに包まれて、lampの世界に沈殿していく感覚。
素敵な「ぼんやりタイム」を過ごすことが出来るでしょう。

「シンフォニー」


これが先ほど言及した1曲目です。
クリムゾンか、新月か。という感じのイントロでロマン爆発ですよ。
甘い男性ヴォーカルが登場する頃にはランプの世界に無事着地します。
ヴァイオリン、メロトロン、鍵盤等により生み出される幻想世界。
音の厚い曲が並ぶ本作でも
指折りの壮麗さを誇ります。
うーん、ドラマティック。
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コメント一覧

#101 No title
ランプ、新譜出てたんですね!!
紹介しているシンフォニー聴いたのですが、こんなに聴きやすいバンドでしたっけ?なんか、もっと身構えて聴かなきゃいけないタイプの音だったような気がします。ここ2年ぐらいで音が変わったのか、こちらの耳が変わったのか分かりませんが。

榊原嬢のヴォーカル>何歌っているのか、分からないのが好きでした(笑)
ランプは良いのですが、あまり売れて欲しくないバンドですねーGAOHEWGIIさん、ランプ、思い入れありそうですね♪
#102 ちょっと長くなっちゃいましたね。Re: No title
chaos cafe様
こんばんは

そうですね、初期はもっとボサノヴァ度が高かったのですが、
最近は70年代フォーク&歌謡のムードも醸し出している気がします。
元々ポップなグループでしたが、聞きやすくなったというのはその通りだと思います。

榊原嬢のヴォーカルに関しては
分からないところが好きなのですね。それだと今回は聞き取りやすいのでどうでしょう。
繊細な魅力はそのままですよ。

ランプは末永く活躍して欲しいです。

字数が多くなってしまったのは、反省材料です。
序文は削ってもよかったか。
ちなみに当ブログは400〜500くらいを目安にしている・・・はずです。

> ランプ、新譜出てたんですね!!
> 紹介しているシンフォニー聴いたのですが、こんなに聴きやすいバンドでしたっけ?なんか、もっと身構えて聴かなきゃいけないタイプの音だったような気がします。ここ2年ぐらいで音が変わったのか、こちらの耳が変わったのか分かりませんが。
>
> 榊原嬢のヴォーカル>何歌っているのか、分からないのが好きでした(笑)
> ランプは良いのですが、あまり売れて欲しくないバンドですねーGAOHEWGIIさん、ランプ、思い入れありそうですね♪

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