Procol Harum/Novum

Procol Harum/Novum
2017年 イギリス
『ファーストのジャケ・オマージュとは裏腹に骨太な内容』

 新作のジャケット・デザインはファースト・アルバムのイラストを参考にしたとのことで、原点回帰の匂いがプンプンします。安直だなぁ、と思いつつもこういう仕掛けをされると聴いてみたくなります。
procol_novum.jpg

 プロコルハルムは、オルガンを軸としたクラシカルなロック・サウンドが特徴の英ロック・グループ。1960年代に結成、ロック黄金期となる1970年代にいくつかの名盤を残しています。邦題「青い影」で知られる代表曲「A Whiter Shade Of Pale」は日本でも人気があり、それが収録されているのが本作のオマージュ元となったファースト・アルバム(1968年発表)でした。またユーミンが初期に影響を受けていたことに言及しており、2012年にはジョイント・ツアーによる来日が実現しています。
Procol-Harum.jpg

 近年のプロコルハルムの事情については疎いのですが、2003年に発表したアルバム「Wells On Fire」以来、14年振りのアルバムとのこと。オリジナル・メンバーはヴォーカル兼ピアノ奏者のゲイリー・ブルッカーのみで、ジミヘン・フォロワーのギタリストとして知られるロビン・トロワーや、初期作品でオルガンを弾いていたマシュー・フィッシャーなどの黄金期メンバーが不参加です。オルガン奏者にはジョシュ・フィリップスが加入しており、グループの特徴であるツイン・キーボード体制は維持されています。ロビン・トロワーの代わりとなるギタリストには、70年代、ジャズ・ロック・グループIFに参加していたジェフ・ホワイトソーンが起用。尚、目玉としてクリームの諸作で知られる作詞家、ピート・ブラウンが全面的に参加しています。

 本作の音楽性について。クラシック由来の荘厳な雰囲気とブルース・ロックが混ざり合った個性がファーストの魅力だとすれば、それは再現出来ていません。最大の要因はオルガンでしょう。各曲のイントロではクラシカルな味わいを演出しておきながらすぐ引っ込んでしまうのは物足りません。ほのぼのとしたパブ・ロック的なブルース、ロックンロール・ナンバーが多く、『A Salty Dog』や『Home』を彷彿とさせる作風。ジャケットから受ける印象とは異なるものの渋いブリティッシュ・ロックが楽しめるアルバムです。骨太で泥臭いバンド・サウンドはおじいちゃんバンドとは思えないパワフルさ。そして、塩辛い歌声に変貌したゲイリー・ブルッカーのヴォーカルが表情豊かで素晴らしい。

 また、質の高い楽曲群が揃っていることもポイント。黄金期を支えた主要ソングライターの二人が去っている状況で期待値が下がっていたのでうれしい驚きでした。さすが、ソロとしてのキャリアも長いゲイリー・ブルッカー。見直しました。
Soldier

西海岸のシンガーソングライターのようなおおらかさを感じさせるバラード・ナンバー。ツイン・キーボードとストリングスで荘厳になっていく後半部はプロコルハルムらしい仕上がり。

もっと読まれたい。ランキングのクリックにご協力を。→
関連するタグ イギリスロック

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する