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Gallery/The Wind That Shakes The Barley

Gallery/The Wind That Shakes The Barley
1973年 イギリス
『麦畑など久しく見ていない』

 男女ヴォーカルを擁し、ダルシマー、フィドル、マンドリン、ギターなどのメンバーで構成された英トラッド・グループの唯一作。オリジナルはフォーク系マイナー・レーベルのミダスよりリリースされており、レア盤として人気が高いです。2002年にはジャケをルネッサンス風のものと差し替えてCD(KISSING SPELL)が再発。2014年にオリジナルのジャケで再びCD(GUERSSEN)が復刻されています。ただし、双方ともオフィシャルな再発では無いのが残念なところ。
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 麦の穂をゆらす風、というタイトル通り穏やかなトラッド・ナンバーが並んでいます。フォーク・ロック・ムーヴメント真っただ中でリリースされており、確かな技量を持つメンバー達による、緊迫感のある演奏が楽しめる内容。暗く寂しげな雰囲気が全体を包んでいるのも英フォークならではの魅力です。「Dowie Dens Of Yarrow」「The Baron Of Brackley」「Let No Man Steal Your Thyme」など英トラッド好きにはお馴染みのナンバーを多く収録しているところもポイント。

Queen of He

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三枝茂樹/永遠に向かって

三枝茂樹/永遠に向かって
2018年 日本
『70年代フォークの名残』


 70年代後半から80年代前半に東海地区で活躍していた伝説のフォーク・シンガー、三枝茂樹。彼が1985年に亡くなった際、追悼盤として自主制作されたのが本作とのこと。2018年、二度目のCD化となりました。
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 ジャケットの宇宙的なイメージから、シド・バレットみたいなのかな、と思っていたのですが、音楽性はカントリー・ロックが基盤となっています。解説にはグラハム・ナッシュやジャクソン・ブラウンの影響が書かれていますが、付け加えるならボブ・ディラン、CSNやポコと言った辺り。またギターはブルージーでねっとりとしており、時にブリティッシュ・ブルース・ロックっぽい感じがあり。「I shall be released」をカバーしているから、というだけでなく西岡恭蔵のような日本語の語り口をしているのもポイントです。70年代フォークの王道といえる内容で、ディスコ全盛の活動当時では地下に沈んでしまうのも納得。残された歌はどれも味があり、虚無感が漂うのが特徴。これがジャケットのイメージとなったのでしょう。ただ、作品として残すことを想定していなかった故の音質の悪さが悔やまれる。でもリリースしてくれたことに感謝です。いとうたかおを始め、いくつかのミュージシャンが今も彼の歌を歌い継いでいるとのこと。

動画はありませんでした。
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AHI/ In Our Time

AHI/ In Our Time
2018年 カナダ
『アットホームな雰囲気が心地よいフォーク・ロック作』

 オンタリオ州南部、ブランプトン出身のフォーク・シンガー、AHI(アイと読む)のセカンド・アルバム。2017年にデビュー作を発表、現在はナッシュビルなどでライブを行っているようです。
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 名義は本名であるAhkinoah Habah Izarhの頭文字を取ったもの。
フォーク・シンガーと紹介しましたが、どちらかというとフォーク・ロック寄りであり、バンド・サウンドにストリングス、女性コーラスも加えた厚みのあるサウンドです。カントリーの素朴さとカナダ出身SSW達の影響を感じさせる感傷的なメロディーが特徴。大陸的な広がりを感じさせる曲が多く、それらはロビンザンダーのソロ作を想起させる部分があり。ソウルフルな歌声も素晴らしく、ストリングスとの相乗効果でドラマティックに仕上がっています。

AHI | In Our Time | Full Concert
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Joe Cocker/Live At Woodstock

Joe Cocker/Live At Woodstock
1969年録音(2007年発表) イギリス
『ロック史上屈指のライブ盤』

 最近、有名なウッドストックのドキュメント映画をDVDで購入。3回目くらいだろうか、もう一度鑑賞し直しました。今までよりも早送りしていないことで、自分も年齢を重ねて幅広い音楽を楽しめるようになったな、という感慨があり。そんな中、一際目を惹いたのがジョー・コッカー&グリース・バンドのパフォーマンス。あの長編ドキュメントをぼやーっと眺めていた僕をシャキッとさせたのですから、会場ではもっと凄かったのでしょう。もしかして、と検索したらこのライブ盤が発売されていることを知りました。ロック・ファンには有名な発掘音源みたいです。
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 ウッドストックの記録音源、映像では1曲「With A Little Help From My Friends」(ビートルズのカバー)だけしか聴くことが出来ませんでしたが、こちらでは全11曲を通して聴くことが出来ます。もっともジョー・コッカーが登場する前にグリース・バンドのみで演奏していた部分があり、それはカットされているとのこと。

 収録曲内訳は、まずジョー・コッカーのオリジナルが2曲(「Something’s Coming On」「Something To Say」)。残りはカバーでボブ・ディラン3曲(「Dear Landlord」「Just Like A Woman」「I Shall Be Released」)、ソウル・シーンのソングライター・チームASHFORD、SIMPSON & ARMSTEADによるレイ・チャールズ楽曲2曲(「Let’s Go Get Stoned」「I Don’t Need No Doctor」)、ハニー・バス「Do I Still Figure In Your Life」、トラフィック「Feelin’ Alright」、ホセ・フェリシアーノの持ち歌「Hitchcock Railway」、ビートルズ「With A Little Help From My Friends」という構成。

 「Do I Still Figure In Your Life」をこの時点で選曲しているのは凄い。

 ここが見せ場と冒頭から声を絞り出すじょー・コッカー、荒々しく泥臭い演奏で熱狂を生み出すグリース・バンドの組み合わせは、スタジオ盤とは比べ物にならない素晴らしさ。倦怠感が漂うジミ・ヘンのウッドストックも素晴らしいが、やはりクライマックスはここでしょう。
Joe Cocker - I don't need no doctor (Live at Woodstock 1969)
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The Allergies/Steal the Show

The Allergies/Steal the Show
2018年 イギリス
『ブレイク・ビーツも楽しいね』

 ブリストルを拠点として活動しているブレイク・ビーツ・デュオ、アレルギーズのサード・アルバム。普段はブレイク・ビーツという音楽ジャンルには疎い自分ですが、試聴して一発で気に入ってしまいました。

 メンバーはDJマネーショットとロッカビートの二人。2012年に結成されています。
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 内容はサンプリングを駆使した、グルーヴィなソウルとヒップホップ。ディスコからモッズ、モータウンまで、引っ張ってくるサンプルは多彩です。ゲストとしてシンガーが複数参加しており、男性ヴォーカル曲、女性ヴォーカル曲が入り乱れる上、多様な楽曲群で飽きさせません。オルガン、ピアノをジャジーに使いこなしている点も素晴らしい。またメロディーは即効性があり、とてもキャッチー。自分がすぐ気に入ってしまったのも、きっとそのせいでしょう。ハイテンション且つバラエティに富んだ内容は、まるで1990年代後半に登場していたラップとロックを融合させようと試みていたLOVE/HATEなどのグループを思い出します。

The Allergies - Steal the Show (feat. Andy Cooper)
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