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IVAN LINS/MODO LIVRE

IVAN LINS/MODO LIVRE
1974年 ブラジル
『憂鬱の波へ飛び込め』

 MPBを代表するソングライター、とされているイヴァン・リンス。自分はボサノヴァのことは知っていても、MPBのことは素通りしていました。ブラジルでボサノヴァの要素を受け継ぎつつ、よりポピュラー寄りに進化した70年代の流行歌のことを指すとのこと。実際に調べてみるとこれまでボサノヴァと思って聴いてきたミュージシャン(ジルベルト・ジルなど)もMPBと呼ばれていることに気づきました。ボサノヴァからの派生ジャンルという感じであり、あまりMPBというものの定義を意識しなくてもいいかな、と感じました。今回は未聴のミュージシャンの作品の中から「ポセイドンの憂鬱」という感じのジャケの強烈さに惹かれて、選んだアルバムです。
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 抑揚を付けながら侘しさを強調した歌声、哀愁たっぷりのメロディーが素晴らしい。また、華麗にしてスペーシーなキーボード・アレンジが特徴的で、洗練された印象を受けます。アレンジはアルトゥール・ヴェロカイが担当。ストリングスやブラス、パーカッションなどが細かく顔を出す緻密な仕事ぶりはさすが。
晴れの日が全く訪れず、登山の計画が何度も中止になっている今日この頃。せっかく取った三連休は全て曇りで明日からは仕事。そんなアンニュイな気分を、イヴァン・リンスの歌声がより強調してくれました。うーむ、ふて寝するか。

Ivan Lins - Tens (Calmaria)
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ROSIE/BETTER LATE THAN NEVER

ROSIE/BETTER LATE THAN NEVER
1976年 アメリカ
『ゴールデンポップスを想起させるコーラスで一味違うAORに』

 AOR CITY1000シリーズより1枚ご紹介。去年の8月にリリースされていた再発盤ですが、最近やっと聴くことが出来ました。(1年寝かせてしまった)シュリンクが掛かったCDが棚にあると「まだお楽しみが残っている。」という気分になるのですが、ほどほどにしないといけません。AOR CITYは最新リマスター盤での廉価再発企画で、1000円+税でAORの名盤をコレクション出来るという素晴らしいもの。ただし予算の関係上、歌詞カードが付かないのは痛いところです。私自身、、AORはまだまだ十分な知識が無い状況なので助かりました。
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 今回のロージーは完全にジャケで選びました。女性3人組かな、と思っていたのですが、左に居る方はデヴィッド・ラズリーという男性でした。彼がシンガーソングライターとして中心的な役割を果たしつつ、更に二人の女性を加えたヴォーカル・トリオがロージーということになります。アレンジャーとして、マイケル・ゼイガー、チャーリー・カレロ、ビー・ウィー・エリスの3人を迎えているとのこと。(すみません、勉強不足につき誰も知りません)収録曲はブッカーT.ジョーンズの曲を1曲カバーしている他は、デヴィッド・ラズリーと女性メンバーによる共作曲で占められています。

 デヴィッド・ラズリーはソウルに影響を受けた作曲家で、本作では1970年代後半ならではのスウィート・ソウル系の楽曲を多く収録しています。デヴィッド・ラズリーのジェントリーな歌声はもちろんのこと、アカペラの経験もあるという彼らトリオの鮮やかなコーラス・ワークが合わさることで、鮮やかさが増幅。ハキハキしたバンド・サウンド、アレンジも洗練されていて文句無し。さすがの名盤です。

LONDON BLUES
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Florence + The Machine/ High As Hope

Florence + The Machine/ High As Hope
2018年 イギリス
『凄みで黙らせる音楽』

 2009年から活動しているロック・グループ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン。なかなか音楽性を言葉で説明するのが難しい個性的なグループだと思います。本作での彼らは、ケイト・ブッシュのような自然の大らかさを含む神秘性と、ピンク・フロイドのような宇宙的サイケ・サウンド、クィーンのドラマ性を融合させたような音楽と書いておきます。これまでに3枚のアルバムを発表しており、これで4枚目。
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 主役であるフローレンス・ウェルチの歌唱は、瑞々しい高音を力強く発声しており、相変わらず強力です。キーボード、シンセサイザーの洪水がサウンドの肝となっています。全10曲それぞれが4分台程度でまとめられているのに関わらず、フローレンスの圧力なのか、緩急の激しい構成ゆえなのか、とにかくスケールの大きさを感じさせられます。圧倒される密度の濃さから、只者でない貫禄が伝わってくるわけですが、聴きやすいと言えないのも正直な所。ポップさが後退しているのが要因でしょう。ただしスタジオ音源の迫力で圧倒する力量は本物。キャッチーではない為、日本受けはしなさそうですが、ライブを見てみたくなります。

Florence + The Machine – Hunger
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ミッキー・カーティスと侍/侍

ミッキー・カーティスと侍/侍
1971年 日本
『プログレ日本代表として』

 プログレッシヴ・ロック黎明期であった1970年代初頭に活躍していたグループ、侍のアルバム。本作はイギリスではデビュー作として、日本ではセカンドとして、リリースが前後しています。ユニバーサルが1000円で廉価再発してくれたので(ニッポンの名作シリーズ)ファーストと共に2枚セットで購入しました。
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 日英混合のメンバーによるオルガン、フルート、琴を交えた泥臭さが残るアンサンブル。全編英詞。英ブルース・ハード・ロックの影響を多分に残しつつ、ピンク・フロイドやキング・クリムゾンを彷彿とさせるドラマテイッックな叙情を加えたサウンドが特徴です。時間が経過した現在の耳で聴くと、オーソドックスな英プロフレの模倣という感想になりますが、数年遅れていた当時の日本のシーンを考えると、野心的なアルバムだったのでしょう。英プログレ以上にカッチリした構成や、「Boy With a Gun」の冒頭のような日本的な旋律に、イギリスに乗り込んだ日本代表の印を感じることが出来ます。

 セカンド作『河童』も合わせて紹介します。イギリスから帰国した1971年に録音された本作。前作の時点で大作が多い7曲という構成でしたが、こちらは全5曲とより傾向が顕著になっています。ヴォーカル・パートも少なくなってインプロヴィゼーションがより強化されて、聴き応え十分。沖縄音階を取り入れた楽曲「誰だった」では日本語詞を採用しています。ただし歌というよりも語り。この曲に限らず、侍はミッキー・カーティスのヴォーカルが非力な為、ネックとなっています。日本での録音であるにも関わらず、英アンダーグラウンドの空気感が充満しているのが印象的。またファーストよりもヘヴィ・ロック化しているのもポイントです。個性という部分ではもう一つ足りないですが、英プログレの標準レベルに達している佳作。

VISION OF TOMORROW
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Hatchet/Dying to Exist

Hatchet/Dying to Exist
2018年 アメリカ
『ライブが見たくなってくる懐古スラッシュのツワモノ』

 ベイエリア・スラッシュが好きだった。ほどほどに、といった程度で。テスタメントやエクソダス、ヒーゼン、フォビドゥンなどの有名バンドで首を振っていた思い出が唐突に蘇った。

 サンフランシスコ近郊育ち、現在はカルフォルニアを拠点に活動しているスラッシュ・メタル・バンド、ハチェットの4枚目。メンバーの面々はベイエリア・スラッシュからの影響を強く受けたとのことです。
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 ザクザクカクカクとした尖ったギターリフ、金切り声のヴォーカル、マシンガンのように前のめりのリズム隊、野太いコーラス、目まぐるしく変化していく曲調とベイエリア・スラッシュのお手本のような音楽をやっています。途中でドラマティックな泣きのギター・ソロが入ったりして、静パートを挟み込む冷静さもポイント。ひたすら「教え」を守っている印象があり、個性という点では食い足りませんが、求めているファンにとっては期待通りのサウンドでしょう。80年代から90年代に掛けて、西新宿のメタル専門店でスラッシュ・メタルの知られざる名作を求めて、有象無象の輸入盤に手を出していたマニアならば、絶対に気に入るはず。

Silent Genocide
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The Interrupters/Fight the Good Fight

The Interrupters/Fight the Good Fight
2018年 アメリカ
『ストレートなスカ・パンク』

 カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動するスカ・パンク・グループ、インタラプターズのサード・アルバム。これまでのアルバム同様、今回もRANCIDのティム・アームストロングがプロデュースを担当しています。

 女性ヴォーカル、エイミー・インタラプターをフロントに据えた4人組。2011年に結成して以来、メンバー不動で活動を続けており、2010年代のスカ・パンク・グループを代表する存在となっています。
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 レゲエのリズムを取り入れた、キャッチーでノリの良いパンク・サウンドはRANCIDの流れを汲んだもの。折り重なるコーラス、乾いたドラムが印象的なアンサンブルは、切れ味が鋭く、無条件でテンションを上げてくれます。エイミーのダミ声ヴォーカルがカッコよく、アップ・テンポの楽曲にハマっているのもポイント。2分台の楽曲が大半を占めており、一気に駆け抜けるような構成も気持ちいい。

Title Holder
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