森田童子/狼少年
森田童子/狼少年
1983年 日本
『80年代風にはなれない素材』
森田童子の再発盤レビューもラスト1枚。2018年4月に森田童子は亡くなられました。音楽活動を休止して久しかったですが、CD再発の企画にOKを出してくれたおかげで、作品が再び流通に乗ることになりました。ありがとうございます。
6枚目の最終作。

1曲目、いきなりのタンゴに戸惑う。キラキラのシンセサイザーによるダンス・ミュージックが、1983年という時代を思い出せます。森田童子による儚い歌声は相変わらずなだけに、ポップな楽曲とのミスマッチが際立っている印象。編曲は石川鷹彦が担当。『マザースカイ』以来の起用となります。シンセサイザー重視はもちろん、ストリングスもふんだんに取り入れており、クッキリ、キラキラとした80年代アレンジ(テクノポップ、ディスコサウンドにも近い)に仕上がっています。一部トーキングボックスも使用しており、SF映画のような趣に。「当時の最先端だった」と擁護するしかない状況で、古臭さは否めないアレンジとなっています。歌詞は相変わらずの世界観ながら、曲とのミスマッチは歴然で、歌がサウンドから浮いている印象。従来の作風に近い、シンプルなアレンジの「球根栽培の唄」辺りがハイライト。
球根栽培の唄
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1983年 日本
『80年代風にはなれない素材』
森田童子の再発盤レビューもラスト1枚。2018年4月に森田童子は亡くなられました。音楽活動を休止して久しかったですが、CD再発の企画にOKを出してくれたおかげで、作品が再び流通に乗ることになりました。ありがとうございます。
6枚目の最終作。

1曲目、いきなりのタンゴに戸惑う。キラキラのシンセサイザーによるダンス・ミュージックが、1983年という時代を思い出せます。森田童子による儚い歌声は相変わらずなだけに、ポップな楽曲とのミスマッチが際立っている印象。編曲は石川鷹彦が担当。『マザースカイ』以来の起用となります。シンセサイザー重視はもちろん、ストリングスもふんだんに取り入れており、クッキリ、キラキラとした80年代アレンジ(テクノポップ、ディスコサウンドにも近い)に仕上がっています。一部トーキングボックスも使用しており、SF映画のような趣に。「当時の最先端だった」と擁護するしかない状況で、古臭さは否めないアレンジとなっています。歌詞は相変わらずの世界観ながら、曲とのミスマッチは歴然で、歌がサウンドから浮いている印象。従来の作風に近い、シンプルなアレンジの「球根栽培の唄」辺りがハイライト。
球根栽培の唄