FC2ブログ

ピエール・モントゥー指揮/ フランク:交響曲二短調&ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ

ピエール・モントゥー指揮/ フランク:交響曲二短調&ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ
1959年&1961年録音 フランス
『フランス音楽の父はベルギー育ち』

1.セザール・フランクについて
1822年生まれ。ベルギー出身の作曲家、オルガン奏者。ピアノの名手であった父に教えを受け、やがて1837年パリ音楽院へ留学。音楽院は中退に終わるが、ピアニスト兼音楽教師として生計を立てる。1858年には聖クロチルド教会のオルガン奏者となり、後進の指導(ドビュッシーなど)に当たった。フランクはベルギー出身であった為、フランス音楽史のルーツとは異なるドイツ・ロマン派(バッハなど)からの影響を受けた音楽を生み出していた。その為、彼の音楽は死後まで評価されることが無かった。
 フランスへの憧れを持って移住したものの、ルーツの違いから差別され馴染むことが出来なかったフランク。晩年にはフランス人へ帰化(留学時にも帰化手続きをしたが成人までの時限付きのものだった)したとのこと。
27179-1_original.jpg

2.交響曲ニ短調について
 フランクの唯一の交響曲。晩年に当たる教会オルガン奏者時代に書いたもの。パリ音楽院の教授になっていた彼は、病気の為、音楽家を引退し療養していた弟子にこの曲を捧げた。3楽章から成っており、3つの主題が幾度も繰り返し登場する循環形式と呼ばれる構造を持っている。わずかな転調を次々に行うことによって、盛り上がっていくところがポイント。

3.本作について
 1907年にデビューしたフランス指揮者モントゥーの晩年(1964年没)の演奏。重厚なこの曲を、強弱のメリハリを付けて指揮しています。微妙な変化をしつつ繰り返されるフレーズにより、クライマックスまで登りつめていく構成を存分に楽しむことが出来ました。

※同時に収録されているストラヴィンスキー:ペトルーシュカについては、割愛します。

147103__440_440_0.jpg
SICC-1862 定価1000+税 安い! 2015年発売ですがまだ在庫あるようです。



Franck - Symphony in d minor - Chicago / Monteux
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ フランスクラシック

Gasoline Stars/Good Looks, Bad Behaviour

Gasoline Stars/Good Looks, Bad Behaviour
2014年 スウェーデン
『落ち着かないポップ・ロックンロールが満載』

 スウェーデン、ヨーテボリ出身のグラム・ハード・ロック・グループ、ガソリン・スターズのファースト・アルバム。これは自分のCD棚から出したものなのですが、いつのタイミング、切っ掛けで買ったのか、さっぱり思い出せないです。

 ヨーテボリ地方のヴェストラ・イェータランド県。スウェーデンで2番目に人口が多いという都会で活動しているグループ。2012年から活動を開始し、当初はギタリストが居たものの脱退。更にドラムが交代するなど、メンバーは未だ流動的な模様。現在はギターレス(!)の3人編成ですが、本作はメンバー・チェンジが起こる前に録音された4人編成時代のものです。
71eOjcIx22L__SX355_.jpg
ジャケからして懐かしい雰囲気を醸し出しています。

 北欧ロックンロール・ムーヴメントの中心地、スウェーデンから新しい世代のグループが登場。メロディアスなグループが多いお
国柄だとしても、度を過ぎている感がありロックンロールの野蛮さを凌駕するポップさが特徴です。能天気なコーラス・パートや80年代を彷彿とさせる高音のギター・ソロ、畳みかけるヴォーカル・メロディーなど、落ち着かないポップ・ロックンロールが満載。曲を聴き進めるうちにキラキラした魅力にハマっていきました。

 ネット上では音信不通状態となっており、今後のことは不透明な状況ですがハノイ・ロックスなどが好きな方にはお勧めのアルバムです。

Gasoline Stars - Hit It Like You Mean It (Lyric Video)
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ スウェーデンHR/HM

Three Seasons/Things Change

Three Seasons/Things Change
2018年 スウェーデン
『ヴィンテージ・ハード・ロック・バンドは皆、無邪気だなぁ』

 2009年結成。スウェーデンで活動するヴィンテージ・ハード・ロック・バンド、スリー・シーズンの4thアルバム。オリジナル・メンバーであったドラムスが脱退し、新メンバーが加わっての初めてのアルバムとなります。
61mOjRoVuhL__SY355_.jpg

 元々、オリジナル・メンバー3人で活動していたグループですが、アルバムではオルガン奏者をセッション・メンバーとして参加させて録音しています。しかしながら、本作ではトリオ編成での録音をより強化。オルガンはいくつかの楽曲での彩り程度に落ち着いている印象。結果、より泥臭くブルージーな面が強調されているのがポイントでしょう。初期のスティーム・ハマー、あるいはファーストのスプーキー・トゥース辺りを彷彿とさせる渋いハード・ロックをやっています。あか抜けないマイナー調のヴォーカル、バタバタとしたリズム、リフをビョンビョンとかき鳴らすギター。アンダーグラウンド臭たっぷりなアンサンブルには、マニアなら「合格!」と呟いてしまうことでしょう。「『アキレス最後の戦い』みたいなことがやりたい」など具体的な欲求が分かってしまう楽曲も多いのですが、なかなかにドラマティックに仕上がっており、聴き応え十分。テンポの上げ下げのタイミングも絶妙です。

I Don't Need Nothing More
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ スウェーデンHR/HM

Jesper Munk/Favourite Stranger

Jesper Munk/Favourite Stranger
2018年 ドイツ
『サイケデリック・ブルースは捨てたのか』

 2015年に発表されたセカンド『Claim 』をレビューした際、ジミヘン流サイケデリック・ブルースの継承者とぶち上げたレビューをしたジェスパー・ムンクのサード・アルバムが到着しました。
712.jpg

 詳しいプロフィールについては前作のレビューを参照ください。さて本作について。サイケデリック・ロック度が増しており、スペーシー。「火星から来た男」風、もしくはピンクフロイドという風情で、ギターはジミヘンというよりもデイヴ・ギルモアの如し。ブルース要素、いやギター要素すら薄まっている状況に困惑を禁じえません。ジェントリーな歌声でのピアノ・バラードはエルトン・ジョンみたいですし。

 本人からすれば前作も今作もやりたいことをやっているだけなのでしょう。穏やかなメロディーに満たされた本作も前作と切り離して評価すれば、高水準の出来。大手ワーナーからのリリースだけにアレンジもカッチリしています。ただし変わり身の早さから、お手軽なクラシック・ロック・フォロワーという印象が拭えず、凄みは感じられません。最初に聴くならセカンドを推します。

Jesper Munk - Stranger (G7 Studio Session)
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ ドイツSSW

Maxayn/Reloaded: Complete Recordings 1972-1974

Maxayn/Reloaded: Complete Recordings 1972-1974
2017年(1972年~1974年録音)アメリカ
『スライっぽさ満載の熱いソウルが楽しめる』

 昨年再発された、アメリカのソウル・グループ、マクサンのアルバム集。カプリコーン・レーベルからリリースされた3枚のアルバムが収録されています。
5013929086432.jpg

 表題の通り、1972年から1974年に掛けて活動していた4人組。キーボード奏者兼プロデューサーとして、フランク・ザッパやザ・フー、グラント・グリーンなどとジャンルを超えて交流、活躍していたアンドレ・ルイスが中心となり、結成。フロントに据えた女性ヴォーカル、マクサンは彼の妻です。

 力強いシャウトが印象的なマクサンがバンドを牽引。小刻みに打ち付けるリズム・セクションと、キンキンと跳ねるキーボードによる、熱っぽいバンド演奏は、マクサンのヴォーカル・スタイルと相まってスライの影がチラつく印象。オリジナル曲の他、カバーもいくつか収録されており中でもストーンズ・ナンバーは面白かったです。ゴスペル要素を強めて静と動の対比をくっきりさせた「You Can't Always Get What You Want」、モッサリとした重量感を強調した「Gimme Shelter」どちらも聴き応え十分。
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ アメリカソウル

外道/外道LIVE

外道/外道LIVE
1991年(1976年録音) 日本
『伝統を守った王道』

 邦楽の廉価盤企画「ニッポンの名作1000」にて再発された1枚。自分はこれまで、暴走族のカリスマ的なイメージから外道のことを敬遠しており、今まで積極的に聴こうと思いませんでした。今回は廉価再発ということで、これまで聴けなかった外道に初めて挑戦してみようと思います。
515MI0OHHVL__SX355_.jpg

 1973年に活動を開始したトリオ編成のロック・グループ、外道。2枚のアルバム(ファーストはライブ盤)を残して1976年に解散したとのこと。本作はそんな短い活動期間の中より、1974年と1975年のライブ音源と1976年の解散ライブを収録しています。

 ツェッペリンやエクスペリエンスを彷彿とさせるブルース・ロック。全く奇をてらっておらずストレートなブルース・ロック、ハード・ロック、ロックンロールが並んでいます。粘っこくブルージーなギターが素晴らしい。歌詞もシンプルですが日本語を乗せるということが挑戦だった時代なのだと思います。既に60年代のブルース・ハード・ロック・ムーヴメントは過去となっていた、この時代に於いて、このようなエネルギーに満ち溢れたライブが見ることが出来たなら、人気が出るのは納得。鳥居、着物にメイクなど視覚的なインパクトがあったら、もっと驚いていたことでしょう。
関連するタグ 日本ロック

Samantha Leon/Samantha Leon

Samantha Leon/Samantha Leon
2017年 アメリカ
『今更紹介したい2017年度のEP』

 ニューヨークの新人SSW、サマンサ・レオンのデビューEPをご紹介。

 まだ情SAMANTHALEON_COVER.jpg
報が少ないのですが、ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちとのこと。Amos Lee, Fleetwood Mac, Sarah McLachlan, Alanis Morissette, Corinne Bailey Rae, Mariah Carey, and Adeleといった音楽を聴いて来たそうです。このデビューEPを発表して以降、アメリカをツアー中です。

 フォーキーなアコースティック・ソウルをやっています。自由奔放な節回しと、爽やかで深みのある歌声。伸び伸びとしたファルセット・ヴォーカル。初期のリンダ・ルイスを彷彿とさせる瑞々しい魅力があります。乾いた打音で弾むパーカッション、細やかな指使いのアコースティック・ギターを始め、演奏陣も充実。

 楽曲、パフォーマンス共に高水準でデビューEPとは思えない内容なのですが、日本はもちろん、本国アメリカでもノーマークの模様。今、聴くべき新人です。EPですが7曲入っています。

Samantha Leon - Bright Yellow Shoes (Official Music Video)
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ アメリカSSWソウル

Jacqueline Govaert/Lighthearted Years

Jacqueline Govaert/Lighthearted Years
2017年 オランダ
『ロック度の高さからバンド時代の名残を感じさせる』

 2000年代に活躍したロック・バンド、ケルシプのリーダー、ジャクリーン・ゴバートのサード・アルバム。

 1982年生まれ、36歳。カーツスフーフェル出身。幼少の頃からピアノを嗜み、12歳で作曲を始めたとのこと。高校時代より、ケルシプとして活動を開始。ケルシプは2009年に解散するまで、6枚のアルバムをリリースするなど、人気グループとなりました。バンドではヴォーカル兼ピアノを担当、中心人物として活躍しました。2009年のバンド解散を期に、自作自演歌手として再スタートをすることになります。
71ZcPYl0A4L__SY355_.jpg

 ピアノ弾き語りを中心としてリズム隊、オーケストラを加えた重厚な編成。オランダのミュージシャンらしく、はっきりとしたメロディーが特徴です。多彩なキーボードによる透明感、華麗なオーケストラ・アレンジがサウンドを彩っています。ハキハキとして活力漲る歌声はさすがロック・ヴォーカリストと感じさせるもの。ピアノ弾き語りというイメージとは裏腹なパワフルな内容が新鮮でした。

Lighthearted Years
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ オランダポップス

阿佐ヶ谷ロマンティクス/灯がともる頃には

阿佐ヶ谷ロマンティクス/灯がともる頃には
2018年 日本
『中道路線への挑戦』

 もし昨年の総括記事を作ったならば(結局、放り投げたまま作れませんでした)阿佐ヶ谷ロマンティクスのファースト『街の色』を1番聴き込んだアルバムとして選出しようと思っていました。それくらい入れ込んでいた阿佐ヶ谷ロマンティクスのセカンドがリリースされたので、早速購入。
91BHgsQv09L__SX355_.jpg

 シティ・ポップ・レゲエと標榜していたスタイルに大きな変化はないようです。メンバー表記からベースが抜けており、4人となっています。現在はサポートを入れて対応している模様。

 黄昏れたギター、そして紡がれる美しいメロディー、共に健在でうれしい限りです。前作と比べるとキーボードが前面に出ている印象で、爽やかに鳴っているのが印象的。

 メインを張る女性ヴォーカルは情緒たっぷりに歌い上げており、魅力的です。しかしながら、前作でも感じた不安定さがより際
立ってしまっており、一部でバックに埋もれてしまっている箇所があるように感じました。前作ではこの部分をアレンジで補っていたのですが、本作はよりライブに近い、シンプルな仕上げがされているので目立ってしまっているのでしょう。この安定しない感じが魅力的な歌声なのですが、もう少し強靭さがあれば、というところです。

 アレンジは前述した通り、前作に比べるとシンプル。ブラスも入ったりコーラスを挟んだりと十分凝っているものの、とがったギター・ソロが少なくなっていたり(これは残念!)、とコンパクトにまとめられた印象。楽曲もクオリティが高いものを揃えているものの、ファーストと比べるとインパクトに欠けます。ファーストほどの妄執を感じないというか、そう感じるほど前作に入れ込んでいたということで仕方ないのかもしれません。

シティ・ポップとしてのまろやかさ、みたいな中道路線への挑戦は成功しており、聴きやすさは抜群です。またファーストで感じた歌詞の乙女チック要素が抑えられているところも、個人的にはうれしいポイント。(あれはあれで個性なのですがやはり恥ずかしかったので。)

 土曜日にライブを行うことが多く、土日が忙しい仕事なので
なかなか予定が合わずに参加出来ていないです。
しかしながら、今度休みを取って行ってみます。

君の待つ方へ

続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ 日本シティポップレゲエ

Attila Zoller/ The Horizond Behyond

Attila Zoller/ The Horizond Behyond
1965年 ハンガリー
『初期フリージャズの名盤』
R-3156575-1453042596-8501_jpeg.jpg

 ハンガリーを代表するギタリスト、アッティラ・ゾラーによる初のリーダー作。
ATTILA ZOLLER(g)
DON FRIEDMAN(p)
BARRE PHILLIPS(b)
DANIEL HUMAIR(ds)
ドラムの方のみ、知らないのですが、なかなかの豪華メンバー。ジャズとは思えないサイケ度の高いジャケなのですが、内容は硬派。1965年のヨーロッパ・ジャズとしては、かなり進んだフリー度の高いジャズをやっています。速弾きの応酬はもちろんのこと、静寂パートと熱いインプロヴィゼーションの切り替わりが素晴らしい。フレーズのアクは強いものの、メロディアスな部分も残っており、生粋のフリー・ジャズよりは幾分聴きやすいです。

Attila Zoller - The Horizon Beyond (1965)
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ ハンガリージャズ