The Dirty Nil/Minimum R&B

The Dirty Nil/Minimum R&B
2017年 カナダ
『うねるグルーヴとディストーション。猛烈パンク』

 ディストーションてんこ盛りで暴れまわる野蛮なパンクが存分に聴けるアルバムです。

 ダーディ・ニルはカナダ、モントリオールで活動するオルタナティヴ・パンク・バンド。オルタナティヴ・パンクという音楽には今回初めて遭遇しました。ディストーションやグルーヴのうねりが90年代オルタナティヴ・ロックからの影響を感じさせており、なるほどと理解出来ました。メンバーは3人。2006年にバンドを結成したものの永らくアルバムをリリースすることが出来ず、シングルを細々とリリースし続けてきたそうです。2016年、遂に初のオリジナル作を発表。本作はデビュー作に伴うツアーを経て、リリースされたシングルB面及び未発表曲集となります。
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 ひたすらシンプルにうねるヘヴィーな楽曲が続きます。パンクではありますが疾走する曲はあまりなく、ミドル・テンポで推してくるので腹に効きます。若さゆえの勢い、ロックへの憧れが詰まっており、満足。全力でバンドを楽しんでいる姿に好感が持てます。もっと元気を出さねば、と思わされたり。
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Fuckin' Up Young (Official Video)
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森田童子/夜想曲

森田童子/夜想曲
1982年 日本
『停滞もまた彼女らしい』

 5枚目のアルバム。前作から引き続いての千代正行と、今回新しく参加した比呂公一が編曲を半分ずつ分け合っています。比呂公一については『果樹園』というアルバムで知っていましたが、映画音楽や特撮ヒーローの音楽(ミラーマンなど)に携わっていた方だったようです。
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 情緒を強調したような作風は前作から繋がるもの。ピアノが主役の曲が多くなり、寂しい美しさが印象に残ります。前作で自身の活動に区切りを付けたはずですが、歌われる内容は依然として孤独の寂しさや思い出について。音楽性としては停滞しているとも取れますが、元々後ろ向きな歌なのでまったく問題はありません。

麗子像
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マジペパ/テル・ディスコ

マジペパ/テル・ディスコ
2017年 日本
『キラキラしたポップスで、オリエンタル要素もあり』

 NONA REEVESの西寺郷太と口ロロの村田シゲによる新しいバンド、という情報を聞きつけ、予約した1枚です。ただ、そういう認識でいたからか、16歳のフロント・ガール、吉田凛音の魅力を前面に押し出した音楽性に面食らってしまい、馴染むのに時間が掛かりました。
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 吉田凛音はアイドル畑出身のシンガー。ソロ活動開始後からプロデュースで参加していた西寺郷太が吉田凛音のバンドとしてメンバーを集め、マジペパと命名された。というのが経緯のようです。7人編成。

そんな経緯も知らず、帯裏の「マジペパは2020年代の『フリートウッド・マック』目指すで」の文字を発見した自分は、「これは80年代のフリートウッド・マックみたいにキラキラしたポップスで、オリエンタル要素もあり、みたいなことかな。」とか楽しみにしていました。

マジペパを聴き込んで馴染んだ今、確かにオリエンタル要素があるキラキラ・ポップだな、と感じています。プログラミングを多用した近未来的なサウンドは正に2020年代という感じであり、西寺郷太と村田シゲの合体の成果を感じることが出来ます。吉田凛音の表情豊かで溌剌とした歌唱も魅力的。また作詞は西寺郷太が全曲担当しているものの、曲はメンバーを中心に複数人で作っています。結果、バラエティーに富んだ内容になっていることはもちろん、クオリティーも素晴らしいことに驚きました。特にギターの山形氏はメインでI HATE MONDAYSというバンドをやっているとのことなので、チェックしなければ。

備長炭
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Steffie Beltt/ Luna De Octubre

Steffie Beltt/ Luna De Octubre
2017年 メキシコ
『ブリティッシュ・ブルースにメキシコの熱狂を』

 うめくハーモニカと渋いブルース・ギターが引っ張るクールな演奏陣。対照的にヴォーカルは奔放で愛嬌たっぷり。生命力あふれる音楽。陽気なメキシカン・ブルース・ロックです。

 首都、メキシコ・シティを拠点として活動するブルース・ロック・シンガー、ステフィー・ベレット。彼女は1994年、キューバの母とメキシコの父との間で生まれました。メキシコのオペラ歌手、ルチアーノ・ベルトランを父に持った彼女は、わずか5歳から子供番組「セサミ・ストリート」に参加しており、それをテレビ局での仕事の足掛かりとしています。15歳よりレストランやバーで歌い始めることに。これを機に様々な合唱団や作曲家、グループと交流、存在感を高めるとともに音楽を学んでいきます。2013年、ブルース・ハープ・プレイヤー、ビクター・ギャリーと出会い意気投合、遂に自身のグループを立ち上げることを決意します。本作は彼女が作ったグループ(彼女を含めて5人編成)を従えてのセカンド・アルバムとなります。
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 ブリティッシュ・ブルースにメキシコの熱狂を加えたような作風はインパクト抜群。女性のブルース・ロック・シンガーは少なからずジャニスに影響を受けてしまうものですが、彼女の場合にはそれは控えめ。絡みつくような低音でのシャウトはパワフルで粘っこいです。エキゾチックな魅力は彼女のヴォーカルが担っている印象。一方でバック・バンドの演奏はブリティッシュ・ブルース然としたクールなもの。特にギターとハーモニカは素晴らしいです。

Luna de Octubre (Videoclip Oficial)

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Entrance/Book Of Changes

Entrance/Book Of Changes
2017年 アメリカ
『土着的であり宇宙的』

 ピアノ、シンセ、ギターが溶け合うソフトなサイケデリック・サウンドに掠れた裏声が乗る。幻想的なストリングスもあり。爽快感十分。

 エントランスはガイ・ブレイクスリーによるソロ・ユニット。ガイはバルティモアを拠点とするグループ、The Convocation Of…のメンバーとして音楽活動をスタートしています。サイケデリックなハード・ロックを演奏していたバンドでしたが、2枚のアルバムを発表後、解散。その後、シカゴへ移り、エントランス名義を名乗ってソロ活動を開始。2003年のデビュー作以来、5枚のアルバムを発表しています。アメリカのカントリー、フォークをサイケデリックと掛け合わせる手法で、アシッド・フォークやネオアコのような作品を指向しているシンガーソングライターです。本作は6枚目のアルバム。
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 掠れた裏声は時に朗々と響き、トラッド的。ギターのつま弾かれる様も素朴。アメリカン・ルーツは濃厚です。一方でシンセ、ストリングスが幻想的なサイケ要素を担っているわけですが、こちらはとても立体的。カントリー、トラッドの持つ田舎臭さをセンチメンタルな装飾で消しているのがポイントです。

 土着的でありながら宇宙も感じさせる音楽。アルコールでもトリップ出来そうです。

ENTRANCE - Always The Right Time (Official Audio)

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休み明け報告

みなさん、こんばんは。
ちょっと更新が滞っていてしまいました。
特に何があったという訳もなく、
ただ書かない日が続いただけでした。

色々とやりたいことも多くなってきて
仕事以外での休暇時間の割り振りはカツカツ。
そしてそういう時ほど、グータラしてしまいがち。

今日また書き始めたのをきっかけに仕切り直していきたいです。

久しぶりの「言い訳記事」だけだと味気ないので、
先日登って来た金峰山の写真を載せておきます。

大弛峠まで車で行って、深夜2:10出発のナイトハイクでした。
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360°の展望が朝日に染まる時間帯を同行者と独占。(その後、霧に覆われてしまったのでラッキーでした)
やっぱり、ここの山頂は最高です。
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Lucas Hamming/Luck Is For Suckers

Lucas Hamming/Luck Is For Suckers
2017年 オランダ
『ソリッドで現代的なダンス・ロック』

 エネルギッシュにしてダンサフル。アークティック・モンキーズ等に影響を受けたと思しき、ソリッドで現代的なダンス・ロックをやっています。完全にロック・バンドの装いでありながら、名義はソロのシンガーソングライターという不思議さ。

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印象的なジャケです。色使いがオランダっぽいですね。

 1993年11月生まれ。ストックホルムを拠点に活動するSSW、ルーカス・ハミング。ジェフ・バックレイ、レディオヘッド、ポール・ウェラー、アークティック・モンキーズ、ティム・クリステン等の音楽に夢中になり、2009年ごろより音楽活動を開始。テレビでの作曲家オーディション番組にてディレクターを務めていた経験もあり。その後、楽曲を発表するとラジオ局3FMのバックアップを受ける形で、支持を拡大。現在まで3枚のアルバムを発表しており、本作が4枚目となります。名義はソロですが、固定のバンドを率いており、編成は以下の通りです。

Lucas Hamming (Vocals/Guitar)
Kas Lambers (Guitar/Vocals)
Stijn van Rijsbergen (Drums/Vocals)
Thomas Veenstra (Bass/Vocals)
Jelte de Vries (Keys/Guitar/Vocals)
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 躍動感があり、キラキラとしたキーボード、ギター・サウンドが特徴です。彼が影響を受けた00年代のロック・サウンドの雰囲気があり。力強く発声のはっきりしたヴォーカルはロック・バンドにふさわしい存在感を示しており、フロントマンとして最高のものです。うねりを持って、時にクールダウンさせる曲展開も素晴らしい。作曲家としても一級です。

Be Good Or Be Gone
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Heavy Tiger/ Glitter

Heavy Tiger/ Glitter
2017年 スウェーデン
『いきのいいガールズ・グラム・ロック・グループ』

 グリッターという(あの方については割愛)アルバム・タイトルとギラギラなコスチューム。これは間違いない。いきのいいガールズ・グラム・ロック・グループが登場です。
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 ストックホルムを拠点に活動する女性3人組。2014年から活動しており、その年にデビュー作『SAIGON KISS』を発表、日本でもリリースされています。本作は3年振りのセカンド・アルバムとなります。

 躍動感のあるパンキッシュなグラム・ロックンロールをやっています。ヨーロッパへ伝播したグラム・ロックの影響、つまりハノイ・ロックスやバックヤード・ベイビーズの流れを汲んだ音楽性と言えます。メロディーは、スウェーデン産、しかも女性グループということで、ポップかつ華やか。ズンズン、ザクザクとビート、リフが刻まれるパワフルな演奏、吐き捨てるようなヴォーカル共に素晴らしい。2分台の曲が中心となっており、一気に駆け抜けるように聴き終わります。
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 唯一不満点があるとすれば、録音がクリーン過ぎてロックの躍動感、臨場感が削がれている点。デジタル録音時代のロック・バンドの宿命を改めて感じました。

 アイデンティティがはっきりした素晴らしいグループです。次回作も楽しみ。

I Go for the Cheap Ones
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Vintage #18/Grit

Vintage #18/Grit
2017年 アメリカ
『パブでの演奏を聴いているかのような親しみやすいヴィンテージ・ソウル』

 ジャンルがソウルであり、グループ名にヴィンテージが付くとなれば、そういうこと。ヴィンテージ・ソウル・グループが再び誕生しております。

 恰幅の良いおばさまはティナ・ターナー風白いワンピース(セクシーかどうかと言われればセクシーと答えざるを得ない。)でバッチリ決めています。なるほど、ココ・テイラーやティナ・ターナー、エタ・ジェイムス、三大キングなどに影響を受けているとのこと。中にエイミー・ワインハウスの名前もあり、黒人音楽が継承されている様が想像出来てうれしいです。
ヴィンテージ#18は、2013年に結成された4人組ソウル・グループ。ノーザン・ヴァージニアを拠点に活動しています。今回のアルバムがデビュー作。
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 一般的なヴィンテージ・ソウルではグルーヴを大切にしている傾向がありますが、彼女達の場合、ブルースへの比重も大きいのが特徴。またギタリスト、ビル・フォルターはジミ・ヘンドリクス・フォロワーであり、絡みつくような情熱的なギターソロでサイケデリック感を醸し出しています。ロビン・カプサリス嬢によるヴォーカルは声域こそ狭いものの、重厚でふくよかな味わいがあり。他のヴィンテージ・ソウルにある熱狂こそ控えめなものの、パブでの演奏を聴いているかのような気安さが魅力と言えます。
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Vintage#18 - "Poor Me" (Official Music Video)

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Darling/Darling

Darling/Darling 
2017年 イギリス
『アイルランドの新鋭ロック・デュオ』

 荒涼とした冷たさと迸る情緒が同居するロック・サウンドは、彼らの先達であるU2やコールドプレイを彷彿とさせます。デュオにしてスタジアム・ロック級の音楽を表現しているのが凄い。

 アイルランド、ダブリン出身。ダーリンはギター、プログラム担当のゲイリー・ハーディングとヴォーカル担当のジェイムズ・マクガイアの二人によって2012年に結成されました。デモ音源をネット等で公開していたところを、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、グレース・ジョーンズ、ウルトラヴォックス、ペットショップ・ボーイズなどを手掛けたことで知られるプロデューサー、スティーブン・リプソンの目に留まり、彼の後押しを受ける形で本作が完成。これがデビュー作となります。
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 デュオとは言え、録音は鍵盤入りのフル・バンド形態で行われています。80年代~90年代に掛けてのロックからの影響が強く、低音がズンズン響くダイナミックなロック・サウンドでありながら、前述したようないかにもアイルランドのグループらしい個性を持っているのが特徴。キラキラとしたギター、爽やかなコーラスが浮き上がるアレンジが施されており、アコースティックで幻想的な味わいがあります。U2、コールドプレイからの影響は固まりのまま、曲に収まっている状態。それを加味しても素晴らしいロック作品であると言えます。

※お知らせ
現在、記事の書き溜め期間に入っており、少しばかり更新が遅くなります。
二日に1日更新くらいを目安に頑張りますのでよろしくお願い致します。
読んで頂きありがとうございます。

Bright Light Switch
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