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三枝茂樹/永遠に向かって

三枝茂樹/永遠に向かって
2018年 日本
『70年代フォークの名残』


 70年代後半から80年代前半に東海地区で活躍していた伝説のフォーク・シンガー、三枝茂樹。彼が1985年に亡くなった際、追悼盤として自主制作されたのが本作とのこと。2018年、二度目のCD化となりました。
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 ジャケットの宇宙的なイメージから、シド・バレットみたいなのかな、と思っていたのですが、音楽性はカントリー・ロックが基盤となっています。解説にはグラハム・ナッシュやジャクソン・ブラウンの影響が書かれていますが、付け加えるならボブ・ディラン、CSNやポコと言った辺り。またギターはブルージーでねっとりとしており、時にブリティッシュ・ブルース・ロックっぽい感じがあり。「I shall be released」をカバーしているから、というだけでなく西岡恭蔵のような日本語の語り口をしているのもポイントです。70年代フォークの王道といえる内容で、ディスコ全盛の活動当時では地下に沈んでしまうのも納得。残された歌はどれも味があり、虚無感が漂うのが特徴。これがジャケットのイメージとなったのでしょう。ただ、作品として残すことを想定していなかった故の音質の悪さが悔やまれる。でもリリースしてくれたことに感謝です。いとうたかおを始め、いくつかのミュージシャンが今も彼の歌を歌い継いでいるとのこと。

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AHI/ In Our Time

AHI/ In Our Time
2018年 カナダ
『アットホームな雰囲気が心地よいフォーク・ロック作』

 オンタリオ州南部、ブランプトン出身のフォーク・シンガー、AHI(アイと読む)のセカンド・アルバム。2017年にデビュー作を発表、現在はナッシュビルなどでライブを行っているようです。
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 名義は本名であるAhkinoah Habah Izarhの頭文字を取ったもの。
フォーク・シンガーと紹介しましたが、どちらかというとフォーク・ロック寄りであり、バンド・サウンドにストリングス、女性コーラスも加えた厚みのあるサウンドです。カントリーの素朴さとカナダ出身SSW達の影響を感じさせる感傷的なメロディーが特徴。大陸的な広がりを感じさせる曲が多く、それらはロビンザンダーのソロ作を想起させる部分があり。ソウルフルな歌声も素晴らしく、ストリングスとの相乗効果でドラマティックに仕上がっています。

AHI | In Our Time | Full Concert
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The Allergies/Steal the Show

The Allergies/Steal the Show
2018年 イギリス
『ブレイク・ビーツも楽しいね』

 ブリストルを拠点として活動しているブレイク・ビーツ・デュオ、アレルギーズのサード・アルバム。普段はブレイク・ビーツという音楽ジャンルには疎い自分ですが、試聴して一発で気に入ってしまいました。

 メンバーはDJマネーショットとロッカビートの二人。2012年に結成されています。
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 内容はサンプリングを駆使した、グルーヴィなソウルとヒップホップ。ディスコからモッズ、モータウンまで、引っ張ってくるサンプルは多彩です。ゲストとしてシンガーが複数参加しており、男性ヴォーカル曲、女性ヴォーカル曲が入り乱れる上、多様な楽曲群で飽きさせません。オルガン、ピアノをジャジーに使いこなしている点も素晴らしい。またメロディーは即効性があり、とてもキャッチー。自分がすぐ気に入ってしまったのも、きっとそのせいでしょう。ハイテンション且つバラエティに富んだ内容は、まるで1990年代後半に登場していたラップとロックを融合させようと試みていたLOVE/HATEなどのグループを思い出します。

The Allergies - Steal the Show (feat. Andy Cooper)
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ノラオンナ/めばえ

ノラオンナ/めばえ
2018年 日本
『昼寝を始めたくなる穏やかさ』

 ウクレレ弾き語りスタイルのシンガーソングライター、ノラオンナの新作。全国流通盤としては4枚目のアルバムです。
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 ボサノヴァ、ジャズ、ブルース、歌謡曲といった要素が混ぜ合わさった音楽性は変わらず。ウクレレ弾き語り以外のアレンジは最小限に留めており、落ち着いた雰囲気のアルバムになっています。ボツボツと呟くような低い歌声が映えている印象。

 素材そのままを活かしたアレンジの影響により、楽曲には思い付きで作られた鼻歌のような、軽やかさが備わっています。
曲数は16曲とたっぷり収録。穏やかな曲の中に情感たっぷりの曲も混ざっていますが、聴き疲れすることなく、のんびり穏やかな時間を提供してくれます。そこで演奏してくれているかのような近い距離を感じられるのはウクレレ弾き語りならではなのでしょう。

 水色のイラスト・ジャケットを開くと海の風景が広がる内ジャケが現れる、ジャケット・デザインも素晴らしい。レコードではもっと映えるのでしょう。

声とウクレレ「めばえ」ノラオンナ 全曲試聴
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Stand Atlantic/ Skinny Dipping

Stand Atlantic/ Skinny Dipping
2018年 オーストラリア
『安定感ある王道ポップパンク』

 紅一点のヴォーカリスト、ボニー・フレイザー率いるトリオのファースト・アルバム。
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 2014年、オーストラリア、シドニーを拠点に結成されたスタンド・アトランティック。メジャー・デビューを期に渡米してホープレス・レコードへ移籍、本デビュー作をリリースしています。

 音楽性はまっとうなパワーポップ、ポップ・パンク。ハキハキと明朗快活、そして疾走感を伴ったメロディーが、この種の王道ど真ん中を貫いており素晴らしい。結成から5年を経ている為なのか、メジャー・レーベルのなせる業なのか、デビュー作にして安定感抜群なことが少し寂しくすらあり。個性は見いだせないものの、純粋なパワーポップ愛を感じる楽曲群と、パワフルな歌唱で一気に聴かせます。

Stand Atlantic - Skinny Dipping (Official Music Video)
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