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Glen Hansard/Between Two Shores

Glen Hansard/Between Two Shores
2018年 イギリス
『歌詞が気になるので日本盤が欲しい』

 アイルランド出身のシンガーソングライター、グレン・ハンザードの3枚目。ユニオンのページでは”映画『コミットメンツ』や『ONCE ダブリンの街角で』で広く知られる”と紹介されているのですが、自分は全く知りませんでした。とにかくいい声で渋いバラードを歌い、ヴァン・モリソンみたいだな、とチェックした次第。
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 1970年、アイルランドのダブリンにて生まれたグレン・ハンザード。13歳で学校を辞めて路上演奏を始めた彼は、1990年の自身のバンド、THE FRAMESを結成。アイルランドで積極的にギグを行いました。1991年には先述した映画『コミットメンツ』の音楽を担当。以降、いくつかの映画音楽を携わりながら、THE FRAMESや男女デュオThe Swell Seasonの一員として活動。その合間を縫って2008年からはソロとしても作品を発表しており、本作もその一つです。尚、影響を受けたミュージシャンとして、ヴァン・モリソン、レナード・コーエン、ボブ・ディランを挙げてます。

 内省的なバラード、ブルースを中心とした内容。ハミングでうねるような節回しはボブ・ディランやヴァン・モリソンを、ゴスペルのように荘厳なオルガンの調べはレナード・コーエンを彷彿とさせます。少しガナリ気味の歌声は美声とは言えないものの、感情が籠っており惹きつけられます。地味ながらも時々思い出して繰り返し聴いている一枚です。

Your Heart's Not In It
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空気公団/僕の心に街ができて

空気公団/僕の心に街ができて
2018年 日本
『キャリア総括後の巻き戻し』

 10枚目のアルバム。近年はベスト盤発表に伴う、ベスト選曲ライブ・ツアーを敢行しており、その後に発表された作品ということになります。
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 ジャケットは志村貴子によるイラスト。女性らしい雰囲気で何となくいい予感がします。レコーディングはメンバー3人のみで行われたとのこと。

 熱心なファンからのニーズを先のツアーで改めて感じ取ったのかどうか。それは僕には知る由もないのですが、以前の空気公団の音楽性に巻き戻されています。初期ほどインディーズ然とした籠ったサウンドでもない。スウィングするドラムと丁寧に重ねられたキーボードといった達者な演奏は、今の空気公団ならではのもの。それでも淡々としながら(ポストロック要素を内包しつつ)、感傷をたっぷり込めたメロウな楽曲群が揃っており、『夜はそのまなざしの先に流れる』あたりから始まり、前作『ダブル』で高まった実験精神は影を潜めています。個人的には前作の感想で「もっとセンチメンタルを」と見出しに書いていたほどなので、大歓迎な内容となりました。そこかしこにジャジーな要素は残っており、特に中盤のピアノ・インスト「思い出の全て」辺りには、前作までの名残を感じます。しかし唐突な感じはなく、溶け込んでいる印象。素晴らしい。

空気公団 "うつろいゆく街で" (Official Music Video Full Ver.)
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Marem Ladson/ Marem Ladson

Marem Ladson/ Marem Ladson
2018年
『コーヒーショップからお手軽デビュー』

 ジャカジャカとざらついたギター・サウンドにエコーを掛けた気怠いヴォーカル、幻想的なシンセサイザーが絡み合う、サイケデリックなポップス。暗く沈み込むようなサウンドが大勢を占めますが、メロディーの美しさが光っています。
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 新人シンガーソングライター、マレム・ラドソンのデビュー作。アメリカとガリシア(スペインの自治区)のハーフとして生まれた、スペイン系のミュージシャンです。ガリシア州オーレンスにて、1997年に誕生。早熟であった彼女は9歳で短編小説や詩を書き始め、同時にギターを学び、曲を書き始めています。高校2年ではテキサス州ヒューストンへの短期留学を経験。その後、コーヒーショップでミュージシャンのコミュニティに入ることに。そのコーヒーショップでの演奏(アコースティックによるカバー)をインターネットに投稿。それが切っ掛けとなり、18歳の時、インディーズ・レーベル、モントヴェントとの契約を結びました。2017年には最初のシングル「All My Storms」を、2018年にはセカンドシングル「Shades of Blue」を発表。Spofityなどで話題となりました。そんな中、発表されたデビュー作が本作です。

 前述した通り、エコーの掛かった幽玄なアコースティック・ポップ。だらーんと弛緩しているようで、メロディーには気を使っており幻想的なポップスとして、クオリティは高いです。

Shades of Blue (Official Video)
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Saxon/ Thunderbolt

Saxon/ Thunderbolt
2018年 イギリス
『こんなに頑張っていたなんて知らなくて』

  NWOBHMシーンを代表するグループの一つ、サクソンの新作。全盛期である初期以降、試行錯誤の迷走をしていた時期もありましたが、今も生き延びているだけでなく、ハイペースでアルバムをリリースしていることは素晴らしい。軽い気持ちで「サクソンだ!なつかしー」とか言って試聴してみたものの、まさか紹介することになろうとは。舐めていました。
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 切れの良いブリティッシュ・ヘヴィ・メタルが全編で楽しめるアルバム。一糸乱れぬツイン・ギターを前面に押し出したバンド・アンサンブルがとにかく凄い。またコーラスによる威勢のいいサビ、67歳になるビフによるおじいちゃんシャウトも健在です。サクソンらしく、楽曲はとにかくキャッチー。ドラマティックな魅力もあり、ライブで盛り上がること請け合い。

 人間、老いて行けば落ち着きが出てくるもので、ディープ・パープルのように渋い音楽性へとシフトするのがベテランの常。だというのに、この元気なジジメタルの凄まじさたるや。ここ数年の過去作も素晴らしいようなので、チェックしてみます。
Saxon - Thunderbolt (Official Video)
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Saint Chameleon/ Mockingbird

Saint Chameleon/ Mockingbird
2018年 オーストラリア
『さびれた味わいがくせになるオリエンタル・ロック』

 トリオ編成のロック・バンド、セイント・カメレオンのデビュー作をご紹介。
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 今回は公式hp及びフェイスブックでしか、情報収集が出来ませんでした。

 2000年代後半、後に中心人物となるルーカス・クストスがストリート・ライブを開始。2010年、もう一人の中心人物であるルカ・スルゼールとルーカスがオーストラリア、グラッツの街で出会う。ジャズ、ブルース、ロック等多岐にわたる音楽を好んでいた両者は意気投合して、音楽活動を二人で開始することになる。音楽都市であるグラッツにはたくさんの音楽家が集まって来る。エミリアーノ・サンパイオ(トロンボーン)、カエタン・カメンジャセビッチ(ベース)、フランチェスコ・ドニネッリ(バイオリン)、ティロー・シヴァーズ(ピアノ)、デイビッド・ドレスラー(ドラム)といった面々を加え、5か国の国籍を持つメンバー達による7人組グループとなった。これが2015年のこと。

 というプロフィールが載っているのですが、肝心のルカとルーカスの二人の担当楽器が掛かれておらず。恐らくギター&ヴォーカルと鍵盤奏者だとは思うのですが。5か国の国籍の内訳なども欲しかったところですが記載は無し。ディスコグラフィーも不明ですが、過去音源が見つかることからセカンド・アルバムだと思います。

 トム・ウェイツ、マディ・ウォーターズ、ベイルート(ワールド要素のある米ロック・バンド)をフェイバリットに挙げています。

 リラックスしたブルース、フォーク要素はトム・ウェイツ、オリエンタルな雰囲気の跳ねるパーカッション、ゆったりしたリズムなどワールド要素はベイルートという感じ。多国籍グループらしいごった煮サウンドです。落ち着いた低音のヴォーカル、ジャジー且つオリエンタルな演奏がとてもカラフルなアンサンブル共に魅力的。トム・ウェイツからの影響を感じさせる、場末のバー的な、気安い雰囲気もグッド。

Mockingbird - Saint Chameleon
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