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David Ford/Animal Spirits

David Ford/Animal Spirits
2018年 イギリス
『エネルギッシュな声に圧倒される』
 ブルース・スプリングスティーンとエタ・ジェイムス、トム・ウェイツを愛するイギリス人による、酔いどれブルース/ロック・ミュージック。
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 デヴィッド・フォードは1978年ケント市ダートフォードにて誕生。上記のようなアメリカ音楽を楽しみながら育ったとのこと。学生時代からバンド活動を開始。インディー・ロック・バンド、EASYWORLDは2004年に解散するまで2枚のアルバムを発表するなど、地元では人気を得ていました。2005年からソロ活動を開始し、5枚のアルバムをリリース。本作は6枚目のアルバムとなります。
 
シャウトを交えた、ブルージーな歌声が素晴らしい。太い声です。ゴスペルを彷彿とさせる重厚な女性コーラス、叩きつけるような指使いが印象的なギター、オルガンなどによる迫力のバンド・アンサンブル。ソウルやブルース、カントリーなどアメリカ音楽への憧れを感じさせる音楽です。イアン・マシューズやロッド・スチュワートなど、かつてイギリスより生まれて来た米国憧憬のミュージシャンと同様に、ストリングス・アレンジの細やかさ、カチッとしていて凝った曲構成、煮え切らない暗さなど、イギリスらしさが隠し切れないところが魅力となっています。

Animal Spirits - David Ford

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Spiders/Killer Machine

Spiders/Killer Machine
2018年 スウェーデン
『クリップでのカッコよさは抜群』

 WITCHCRAFT~TROUBLED HORSEと、ヴィンテージ・ハード・ロック・グループを渡り歩いてきたギタリスト、ジョン・ホイルズによるハード・ロック・バンド、スパイダーズ。本作はサード・アルバムとなります。
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 スウェーデン出身ということで、グラム・ロック要素と暴走ロックンロール要素がミックスされた音楽性です。HellacoptersとBackyard Babiesを足して割ったようなサウンドと言えるでしょう。女性ヴォーカルは程よくワイルド、クリアーな発声でカッコ良し。

 そつなく楽しめるアルバムではあるのですが、もう一歩楽曲にパンチが足りず、あまり印象に残らないところは残念。


Spiders/Dead Or Alive

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さとうもか/Lukewarm

さとうもか/Lukewarm
2018年 日本
『ユーミンを彷彿とさせるのは歌詞世界』

 モナレコードで発掘された女性SSW。タワー・レコードのレーベルからミニアルバムでデビュー。Pvineからリリースされたファースト・アルバムが本作となります。帯の「新世代のユーミン」というキャッチコピーに惹かれて、試聴し購入しました。

 1994年生まれ、岡山県出身。3歳からピアノを始め、ギター、サックス、合唱、声楽などの音楽に触れて育ったとのこと。音楽科の高校と音楽の短大での勉強を経て、弾き語りの活動を開始しました。ファースト・アルバムのプロデューサーとして、入江陽が参加しています。
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 さとうもかによるピアノ、キーボード、ギターによる弾き語りの録音が中心。ドラムが2曲、トークボックスが1曲で参加しています。ただし、入江陽による特徴的な編曲がされており、ふわふわとした幻想的なシンセサイザーがカラフルでメルヘンチックな世界観を演出。尚、入江陽は1曲でゲスト参加しており、デュエットしています。

 乙女チックな比喩満載の歌詞は、なるほどユーミンの世界観に通じる部分があり。ただ音楽性自体はそれほど被っておらず、ピアノはかなりジャジー。また声楽などの経験からなのかオペラのルーツを感じさせます。ウクレレのようにつま弾かれるギターからはボサノヴァ、コーラスの被せ方からはソウルを感じさせますが、プロデューサーが同傾向の入江陽なだけにどこまでが彼女のルーツなのか判別はつきません。丁寧なプロデュースによるポップな楽曲が並んでいるのですが、それぞれ捻りが加えられていて楽しめました。感情の振れ幅が一定なことが気になるものの、気負わない歌声も魅力的です。

さとうもか 「最低な日曜日feat.鶴岡龍(LUVRAW)」
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Sigrid/Raw

Sigrid/Raw
2018年 ノルウェー
『注目の新人SSW』

 大型新人として日本でも紹介されているシグリッド。本作は5曲入りのEPとなります。
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 1996年、ノルウェーの港町、オーレスンで生まれたシグレッド。影響を受けたミュージシャンとして、アデルやジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングの名を挙げています。その他、2017年に参加したサントラではレナード・コーエンの「Everybody Knows」をカバー。2013年よりシンガーソングライターとして活動を開始しており、2016年には大手アイランドと契約。ノルウェーから世界へと活動規模を広げています。現在、シングル6枚、EP2枚をリリース(配信のみを含む)。

 シンセ、ストリングス、ギターを中心としたシンセ・ポップ。透き通っていて力強さも感じさせる歌声がインパクトあり。加えてアメリカのSSWを手本とした、軽快で爽やかなメロディーも素晴らしい。シンセやストリングスによる凝ったアレンジがされていますが、あくまでヴォーカル中心のミックスがされており、すっきりとした聴き心地です。21歳でこれだけの曲を書き、堂々とした歌唱も披露する新人ということで、注目されるのも納得。早くフルアルバムが聴きたいし、来日公演は是非見たい。

Sigrid - Raw (Live)
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Natalie Evans/Better At Night

Natalie Evans/Better At Night
2018年 イギリス
『放心した様な少し舌足らずな歌声がかわいい』

 放心した様な少し舌足らずな歌声がかわいい。我ながら歌声がかわいい、などと俗っぽい書き出しは久しぶりであります。

 ロンドンの南東にあるケント州で活動するシンガーソングライター、ナタリー・エヴァンスのデビュー・アルバムです。ハープとギターを演奏することが出来、2013年頃から活動。本作の前に『House』というEPをリリースしています。これしか情報が探し出せず、影響を受けた音楽なども不明。一応、日本語のページにはブライト・アイズやオーウェンズに影響を受けた、という情報も乗っていたのですが、根拠が見つからず。
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 こう書くとまたか、と言われるかもしれませんが、ケイト・ブッシュを彷彿とさせる音楽性です。ハープ、アコギを織り交ぜた素朴で幻想的なフォーク・サウンドを基調として、シンセ系の打ち込みがポスト・ロック的にリフレインで入る感じ。森林浴をイメージするような爽やかさ、清々しさが魅力で、加えてシンセなどの残響が心地よく催眠音楽としても有効です。タイトル通りですね。ハープ兼ギター奏者のシンガーソングライターという関連で言えば、ジョアンナ・ニューサムにも近いイメージがあり。

'Lyre Song'
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