ロックの50年、究極の500枚

最強版 ロックの50年、究極の500枚 シンコーミュージック
2012年 263p
『1年毎の丁寧な歴史検証が便利』

 実は2000年代のロックについて、あまり愛着が無い。
一応代表作らしいものはまんべんなく聴いてはいますが、深く浸透していかないです。
この本は、そんな自分が客観的に俯瞰でロック史を見直せるのでは、と思って購入しました。

 500枚と銘打たれており、タイトルからはガイド本としての印象が強い。
ただしどちらかといえば、歴史の流れを解説している部分が主役。
各年代のトピックが分かりやすくまとめられています。
クロスビートが編集しているだけに、90年代以降の記事は特に説得力があり。

 こういった本を作る場合、ロックとは何か、という定義が重要になってきます。
別に大上段で断定する必要はないけれども、ある程度「編集の方針」として示してもらえないと
価値観を共有できずデータとして使えないのです。
そういう意味でこの本はちょっと不備があります。
ソウルであるはずのマーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーを入れるのならば、
(すなわちポップスを吸収したニュー・ソウルとして選ぶならば)
カーティス・メイフィールドやダニー・ハサウェイも選ぶべきだった。
(コラムで言及されていますが)
アバがポップスとして除外されているのにボブ・ディランやキャロル・キングは選ばれていたり、
とイマイチ基準が分からないのもマイナスポイント。
それからクロスビートだから仕方ないのですが
ジューダス・プリーストなどメタル系グループは、ごっそりと排除されています。
HR/HMはロックの一部であり、ニルヴァーナなどグランジ勢に与えた影響はとても大きいはず。
抜け落ちた視点を他の理屈で補っているので無理が生じている部分があります。

 ただし、最初に書いた通り1年毎の丁寧な歴史検証は読み物として充実しています。
重要な事象は漏らさず掲載されているので参考になります。
僕自身、90年代以降は勉強になりましたし、
それ以前に関しても楽しく読ませていただきました。
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ロック・ザ・バイオグラフィー

ロック・ザ・バイオグラフィー
シンコーミュージック
1996年12月 527p
『不遇のバイオ本』

 この本が発売された当初、兄弟作であるロック・ザ・ディスコグラフィーと共にセットで購入。
しかしロック・ザ・ディスコグラフィーばかり読み込んでこちらは放置。
そのうちに古本屋に売ってしまいました。
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この二冊は掲載されているミュージシャンがほぼ同じな上、
ディスコグラフィーには作品ごとの解説がジャケ付きで載っています。
一方のバイオグラフィーには、その名の通り、ミュージシャンのバイオが詳細に載っていたのですが、
如何せん文字ばかり。(写真もまぁまぁありますが)
これでは放り出すのも無理ないことなのかもしれません。
実際、シンコーは最近までクロスビートを軸とした、
ロック・ザ・ディスコグラフィーの流れを組む書籍が出していましたが、
バイオグラフィー本は全く復活しませんでした。
クロスビートも無くなってしまった今では諸行無常な話でありますが・・・。

 そして20年たった今年、無性に読みたくなりオークションで500円+送料で落札したのでした。
アルバム解説だけでは点だけの理解であったものが、
バイオグラフィーを理解することで線として認識できるようになる。
一番の恩恵はこれでしょう。

もう一度めくってみても読みやすい代物ではありませんでした。
しかし名盤を聴く折々に触れてこの本をめくり続けていれば、
各ミュージシャンの歴史にも詳しくなれることでしょう。
ちょっと重いですけれども。

 それから、今まで名盤、代表作一枚で済ましてしまっていた往年のミュージシャンのページを読んでいるうちに
興味が沸いて来たり。ということもあります。
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幻のアルバム 失われた音を求めて

幻のアルバム 失われた音を求めて
ブルーノ・マクドナルド (著, 編集), 上西園 誠 (翻訳)
2015年10月 255p
『出ていないアルバム・ジャケを
デザインするという勇気』


 しばらく購入していなかった音楽書籍を再び収集しようかと思い立ちました。
せっかくなので読書感想を載せてみます。
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 この本はビーチ・ボーイズの『Smile』に代表される、
リリースを計画されながら未発表に終わってしまった幻のアルバムにスポットを当てて、
62枚のアルバムに対してのエピソードを収録。
リリース出来なかった当時の状況を知ることが出来るのはもちろんのこと、
当時リリースされていたら、
という仮定のもとアルバム・ジャケットまでデザインしてくれているのが素晴らしい。

 少しロックに夢中になった人ならば、好奇心を刺激されるテーマ。
去年、発売されたころに立ち読みしてうずうずしていたのですが
価格が3300円(税抜き)と優しくなかったので断念。
今回は中古でゲットしました。
尚、中古市場ではけっこう出回っている模様。
それではいくつかポイント毎に感想を述べていきます。

○選盤について。
2000年代まで10年ごとの章に分かれた幅広い選盤は文句なし。
正直なところ、2000年代のミュージシャンには、
まだ幻という程の年月が足らないのではないかとも思います。
しかし、メジャーなミュージシャンを揃えており、バランスが素晴らしい。
これを機会に知らない音楽に触れるきっかけにもなりそうです。
ただ肝心の「幻のアルバム」という定義に関してはちょっと苦しい解釈のものもあり。
AC/DCはベスト盤だし、ビートルズのセッションズもお蔵入り音源の復刻盤・・・・・・
そういうのがいくつか混じっているのは減点かな。

○文章について。
 一つのテーマで数ページにまとめられているので読みやすい。
且つ詳細な状況が検証されているので、ロマンがあり面白いです。期待通り。

○ジャケについて。
この本が中古市場で出回っている一番の要因がこれなのでは、という気がします。
出来る限り、各ミュージシャンと縁のあるデザイナーが起用されているのですが、
パッとしないジャケがチラホラと見受けられるのが痛い。
こちらとしては
「思い入れのあるミュージシャンの未発表アルバムを勝手にデザインするなんて、プレッシャーだろう。
優しい目で見なければ。」
という気持ちで接しているのですがぬぐい切れない不自然さがあります。
主な要因は二つ。
一つはデザイナーが専属な場合。
ヒプノシスと組んでいた頃のピンクフロイド作品はずばりそのパターンでしょう。
もう一つの方が肝でミュージシャン達の写真を使えないことによるデザインの制限。
ビートルズの「GET BACK」はもちろんのこと、
ニール・ヤング、CSN&Yなどのアメリカ勢辺りはポートレートだった可能性が高かったはず。
ただ先にも書いたように、これは本当に難題なので責めることは出来ません。
精いっぱいやってくれた痕跡が伺えるので納得できます。
尚、「これはあり」というジャケも半分くらいあることを報告しておきます。
そう。結局われわれは難癖をつけてしまう訳ですよ。

○データについて。
 概ね知りたいことがきちんとまとめられていました。
出来ればスタジオ、プロデューサー、予定していた規格番号、
判明している曲目などもフォーマットとしてまとめておいてくれればうれしかったです。

○まとめ
ロックの名盤を初めて聴くときのようなワクワク感を味わうことが出来ます。
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