星野みちる/ My Favorite Songs

星野みちる/ My Favorite Songs
2016年 日本
『明るく朗らかなアレンジがされたカバーアルバム』

 星野みちるの新作はカバー・アルバム。これまでプロデューサー、はせはじむの計画、綿密な設計図に沿って4年間、歌手活動のキャリアを積んできた彼女。今回のカバー・アルバムでも選曲の決定権をある程度(半分くらい)プロデューサーに委ねています。信頼関係が築かれているのでしょう。EPO、矢野顕子、松田聖子、杏里、山下達郎、イックバル、松尾清憲と硬軟入り乱れる選曲。
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 ハキハキとして清々しい歌唱には堂々たる自信も含まれており素晴らしい。多くの曲で大胆なアレンジが施されているのが特徴。モータウン・ビートを入れつつロック度を上げた「恋するフォーチュンクッキー feat. ザ・スクーターズ」や朗らかなミドル・テンポへと変貌した「ずっと一緒さ」など、多くの曲で明るく朗らかなイメージへと変貌しています。イックバルは日本のシティポップに憧れているインドネシアのグループとして話題ですが、はせはじむの日本語詞が付けられていることで、全く違和感が無くアルバムの中で同化。

収録曲のミュージシャンの中で比較するならEPOや杏里のアルバムのような、すっきりした聴き心地でした。
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Lal And The People/Bad Case Of Blues

Lal And The People/Bad Case Of Blues
2016年 インド
『インドからやってきたブルース・ギタリストはゲイリー・ムーアが大好き』

 溜めに溜めたブルース・ギターが渋いことこの上なし。声域は狭いが感情を露わにしたヴォーカルも渋い。ゲイリー・ムーア以来の泣きのブルース・ギタリストではないのか。

 素晴らしいギタリストの名前はローヒット・ラルワニ。インドのボーパル地方出身。幼少の頃より(以下フェイスブックより抜粋)Albert King, Gary Moore, Albert Collins, T- Bone Walker, Stevie Ray Vaughan, Soulmate, Eric Johnson and many more.といったギタリストの音楽を聴き漁っていました。2014年、自身のバンドを結成。オルガン入りの4人編成でラル&ザ・ピープルという名義でEPを制作。それが本作となります。
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 さすがに2番目にゲイリー・ムーアの名前が来るだけに、こってりしたブルース・ハード・ロックが展開されています。ここでは枯れる前の80年代ゲイリー・ムーアをイメージして頂きたいです。早くもスターの貫録十分。ラルばかりが目立っているのは確かですが、バンドの演奏も素晴らしい。隙間を多めにとってルーズなインプロヴィゼーションを展開しており、ジャジーな瞬間もあります。特にキーボードの弾き分け加減が絶妙。

 欠点はデビューEPということで4曲しかないこと。通常、このボリュームの作品はスルーしているのですが、今回は例外的に紹介しております。是非、私と一緒にフルアルバムを渇望してみませんか?

Out Of The Blue
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Little Tybee/Little Tybee

Little Tybee/Little Tybee
2016年 アメリカ
『スーパーテクニカルなのにほのぼの系』

 ソフトな裏声の男性ヴォーカルの心地よさとは裏腹に、バックでは複雑なタッピングを披露する8弦ギター、フィドル、グロッケンなどが乱舞。ハイレベルなテクニックを交錯させたインプロヴィゼーションがビシバシと披露されているにもかかわらず、緊張感は無し。晴れ晴れと爽やかな聴き心地が不思議で癖になります。

 リトル・タイビーはアトランタを拠点に活動しているグループ。メンバーは以下の通り。

• Brock Scott - Vocals, Piano, Acoustic Guitar
• Ryan Donald - Electric Bass, Double Bass
• Pat Brooks - Drums, Percussion
• Josh Martin - Eight-String Electric Guitar
• Nirvana Kelly - Violin, Viola
• Chris Case - Keyboards
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 2008年に結成されており、3枚のアルバムをリリースしており、本作は4作目となります。自身の音楽を「エクスペリメンタルなプログレッシヴ・フォーク」と表現している彼ら。
メンバーは6人ですが、アルバム毎に管楽器やペダル・スティールなど多彩な楽器のゲスト・プレイヤーが参加しています。
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 一糸乱れぬインプロヴィゼーションは凄いですが、複雑なことをしていると感じさせないさりげなさがもっと凄い。アコースティックな編成なのでフォークと言われればそうかな、とも思えますがどちらかと言えばプログレ寄りのサウンドです。ロマンティックなメロディーが多用されており、イーソスなど70年代米プログレを愛聴している方へもお勧めできそう。

Languid
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Charity Children/Fabel

Charity Children/Fabel
2016年 ドイツ
『寒い冬にぴったりのフォーク・デュオ』

 寒い冬にぴったりのフォーク・デュオ。という書き出しも最早通じない暖かさですね。更新しそびれていました。

 フィドルとピアノが絡み合う様は荘厳にして寒々しく、力強いヴォーカルとの対比が鮮やかです。リズムにプログラミングを取り入れており、躍動感があるのがポイント。
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 ニュージーランドで生まれ育ち、2011年にドイツのベルリンへ移住してきたクロエ・ロワーとエリオット・マーキーによるデュオ・グループ、チャリティ・チルドレン。移住後すぐに路上ライブで音楽活動を開始。数年で多くの支持を獲得しました。2013年にはデビュー作を発表して各地のフェスにも出場。本作はセカンド・アルバムとなります。尚、グループにはサポート・メンバーとして以下の4人が参加しています。Dave Sills: Cello, Keys Nick Morrison: Guitar, Keys Martin Rose: Bass Wouter Rentema: Drums
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 ニュージーランドへの愛国心を前面に出しているグループで、トラッド色が濃厚です。一方でエレクトロ(いわゆるフォークトロニカ)やテクノの要素を取り入れており、ファンタスティックで心地よい揺らぎをもたらす音楽に仕上げています。

You Want Me
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META META/MM3

META META/MM3
2016年 ブラジル
『ジャズかブラジルかプログレかはさておき、この混沌は凄い』

 妖しさたっぷりに物語を紡ぐ女性ヴォーカル、ブルージーにしてアンダーグラウンドなギター、暴れまわるサックス。70年代アンダーグラウンドのような混沌としたサウンドが魅力のアルバムです。めためた、という言葉の響きはかわいいのですが、音楽性はかなりシリアス。

 まずこのジャケが強烈。
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イサカを思い出してしまいました。
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だがしかし、彼らはブラジルのグループ。女性ヴォーカルのジュサーラ・マルサル、ギタリストのキコ・ヂヌッシ、サキソフォンのチアゴ・フランサによるトリオで2008年に結成され、2011年にデビューしています。これまで3枚のアルバムと1枚のEPを発表。本作は4thアルバムとなります。先入観でプログレ・バンドだと勘違いしていましたが、彼らはジャズ畑で活躍しているミュージシャンが集まったバンドで、ジャズ・グループとして活動しているようです。初期の作品は一部輸入盤ショップなどでレビューもされており、それによるとアフロ・ジャズ的な音楽性で、コルトレーンにも影響されているとのこと。
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 さて本作の内容について。本体である彼らトリオに加えて、キーボード、ドラムが参加しています。ドタバタしたドラムを加えたサックス、ギターが絡むバンド演奏はとにかく不穏でダーク。女性ヴォーカルによる妖しい語り口も絶妙で、改めて聴いてみてもやはり英アンダーグラウンドのような音楽性だと実感出来ました。躍動するリズム辺りにブラジルらしさを感じることが出来ます。ムタンチスに共通する熱気を発しているロック・バンドだと思います。

Mano Légua
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