坂本慎太郎/ナマで踊ろう

坂本慎太郎/ナマで踊ろう
2014年5月 日本
『まったりディスコ』

 評判が大変高い本作を遅ればせながらレビュー致します。
元ゆらゆら帝国のブレーンによるソロ第二弾。

 シンガーソングライターらしく内省的でありつつ、
トローンとしたサイケデリック感覚は引き継いでいます。
初期の加藤和彦サンズ・オブ・サンにも通じる幻想的な音楽で、
レトロな雰囲気もたっぷり。
ただし、それらにはないグルーヴ感や残響(エフェクト)があるのが特徴。
なるほど、タイトル通り、ムーディーなダンス要素が全編で貫かれています。
ディスコティックな楽曲から、
ハワイアンにPUFFY「アジアの純真」風メロディーをヴォイス・エフェクトで挟み込んだ
この世はもっと素敵なはず」や、
「ええじゃないか音頭」(動画は遠藤ミチロウver.)みたいな「もうやめた」など、
工夫を凝らした曲がたっぷり入っており、
どんよりした中にもユーモアをわすれていないところが素晴らしい。

「好きではないけど懐かしい」
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星野みちる/E・I・E・N VOYAGE

星野みちる/E・I・E・N VOYAGE
2014年7月 日本
『最近、「俺の何とか」ってやつ多いじゃん。
つまり、このアルバムは「俺のアイドル」なんだよ。』


 1stアルバム『星がみちる』からちょうど1年、星野みちるが大きく成長して帰ってきました!
星野みちる×はせはじむ×佐藤清喜が奇跡を起こす!(宣伝文より抜粋)

 ということで、ファーストと同じブレインで制作された星野みちるのセカンドですね。

 ただ音楽性は変化しており、
テクノ・ポップ色が濃いシティ・ポップ作だった前作から
80年代アイドル歌謡路線へと舵を切っています。
前作の清純センチメンタル振り(ブリ)には、
アイドル黄金時代にリアルタイム世代で無い自分も圧倒されました。

 マイクロスターの佐藤清喜は相変わらずいい曲を揃えています。
アイドル歌謡になり、ヴォーカルの比重が増えたとはいえ、
トロピカル、テクノ・ポップ、ダンスなど前作以上にバラエティーに富んだ楽曲構成。
ノスタルジックなメロディー・メイカーとしての腕は衰えていません。
終盤にシンセサイザー・ソロをブチ込むなど、メジャーでは出来ない尖がった編曲もあり。

 高評価を得ている星野みちるの歌ですが、
なるほど難曲をスムーズに歌いこなす姿はなかなかのもの。
アイドルらしい清々しい歌声も素敵です。

 さしてアイドルに思い入れのない自分ですら、
クオリティの高さを感じる本作なので、まっとうなアイドル・ファンにはもちろん・・・・・・

(・・・ビデオクリップ鑑賞中)
いや、往年のアイドル・ファンにおすすめ、ということにしておきましょう。

ファーストをもう一度聴き直してみるか。

「星間連絡船 ~Night Voyage~」
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Four o'clocks/港湾都市

実は今日、2015年の総括記事(私が気に入っているアルバム・ベスト10的なやつ)
を載せる予定だったのです。

しかしながら。全然出来ていない!
ごめんなさい、2月中には載せますので(しれっと締め切りを伸ばす)
しばしお待ちください。

本日は一昨年に書いたにもかかわらず
載せる機会が無かった邦楽新譜レビュー(もう新譜では無いですね、本当にごめんなさい)
をお届け。

Four o'clocks/港湾都市
2014年5月 日本
『今年レビューしたシティポップ系作品の中でも、
レトロっぽさは随一』


 新人3人組の6曲入りデビュー・ミニアルバム。

 彼らに関して分かっている情報は少ないです。
都内を中心に2013年から活動しており、
70年代から80年代に掛けてのニューミュージックに影響された
音楽性が特徴。
後は素敵なレビューが書かれているだけ。

 朗らかで開放的なシティ・ポップ・ナンバーが並んでいます。
トリオとは言え、鍵盤もリズム隊もしっかり入っており、きっちり録音されている印象。
トリオならではの音の隙間というものは気になりませんが、
新鋭のシティ・ポップ勢としては、シンプルな音づくりがされていると感じました。

 ただレビューにある山下達郎テイストを期待すると肩すかしかもしれません。
(「Morning Moon」だけは例外)
一方で大瀧詠一マインドは確かにそんざいしています。
初期の「空飛ぶくじら」みたいな感じ・・・
多くのシティポップ系ミュージシャンはアメリカンなサウンドを指向する訳ですが、
彼らはほんのりブリティッシュな要素を残しているのが特徴でしょう。
ザ・バンド的なラリー・パパ・アンド・ザ・カーネギー・ママから
渋みを除いてグッと洗練させたら
ブリンズリーっぽくなったみたいな・・・・・・多分そういう感じもあり。

 上記のように、英米ロック/ポップス、AOR、ボサノヴァ、などからの影響が顕著な彼等ですが、
更にもう一つ、70年代の歌謡曲に通じる素朴な親しみやすさがメロディーに宿っており、
それが彼ら独自の魅力となっています。

 今年レビューしたシティポップ系作品の中でも、
レトロっぽさは随一で存在感は十分だと思います。
それだけにフルアルバムを待望!

「朝の恋人」
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加藤千晶/四つ角のメロディー

加藤千晶/四つ角のメロディー
2014年12月 日本
『子供時代にあこがれる大人向けのチルドレン・ソング集』

 NHKEテレへの童謡楽曲の提供やCM作曲家として活躍
(近年では『イオンスマホ 親子セット』や『手洗い・うがい・ビタミンレモン』を担当)
しているピアノ弾き語りSSW、加藤千晶の去年発売されたミニ・アルバムです。
(5曲+2カラオケ)
2005年に発売された3rd『おせっかいカレンダー』以来、ご無沙汰だったのですが、
実は2012年に4thアルバムをリリース(後述)しており、近年活動を活発化している模様。

 本作はガッタントンリズムという楽団を迎えてのバンド演奏での録音。
これはベテラン・ミュージシャンの集合体で、そのメンツが豪華。
鳥羽修(guitar、ex.カーネーション)を始め、
以下、高橋結子(drums、gomes the hitman)、河瀬英樹(contrabass、ex.セロファン)、
中尾勘二(trombone)、多田葉子(sax)、関島岳郎(tuba)という布陣。
鳥羽修は本人との共同プロデューサーとしても名を連ねています。

 経歴にも書いたように童謡としての世界観が特徴の彼女。
今回の作品でも「みんなのうた」採用曲をフューチャーした
ミニ・アルバムということもあり、親しみやすい童謡的楽曲ばかりで統一されています。
メルヘンチックでジャジーな楽曲が並んでおり、
管楽器をフューチャーしたアンサンブルで、スウィング感が強調されているのがポイント。
鳥羽修によるブルージーなギターも素晴らしい。
歌声は相変わらず線の細さが気になるものの
(CM曲の場合、これが前に出過ぎない要素になってプラスに働くのでしょう)
溌剌としていて、且つ女性らしい優しい歌声で魅力的。
歌詞も童話的な世界観でほのぼのとします。

 子供向けと言いつつ、かなり渋い仕上がりなので
子供時代にあこがれる大人向け、といった感じのアルバムです。

みんなのうた「ゆきだるまかぞく」「四つ角のメロディー」-2014-12-08_MP3
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とんちピクルス/DEMODAS 4

とんちピクルス/DEMODAS 4
2014年 日本
『自主盤を聴く 第三回』

 2月10日のこと。
経堂にある「さばのゆ」という酒場で行われたとんちピクルスのライブに行ってきました。
もうひと月前でうろ覚えの部分もあるけれども、とにかく楽しかった。
(↑この記事を随分寝かせてしまったことをお詫びします)
その日のライブは麹料理研究家のおのみささんという方が
料理を振る舞ってくださることが目玉となっており、お客さんは15人くらいだったでしょうか。
その半分以上がおのさん(の料理の)ファンという状況の中、
お酒の力も借りて、とんちピクルスの世界
(初稿ではこの辺りを長々と書きましたが泣く泣く割愛)
で皆を大いに楽しませたのは凄かったです。
初対面のお客さん同士(僕も含めて)がお酒を飲みながら食事をして打ち解けていき、
演奏を盛り上げる、という流れが新鮮。
もしかして、こういうのがイギリスのパブ・ロックみたいなことなのではないか、と思いました。
本編終了後に自分の発したリクエストにも即応じてくれ、アンコールもやって頂きました。
ありがたや。
※ちなみにおのさんの料理も自分には初めての味ばかりで、おいしかったです。

 さて今回は、そのライブの際におみやげとして購入してきた、
とんちピクルスのデモ音源最新盤をご紹介。

 ここでさりげなくプロフィールを挿入。
とんちピクルスはウクレレによる弾き語りフォーク、
及びウクレレによるヒップホップ(トラックメイキングとラップ)
という二枚看板を持つ松浦浩司のユニットです。
これまで流通盤としてアルバムと10インチを1枚ずつ発表。

 本作はタイトル通り、4枚目のデモ音源集。
2014年にリリースされたとのことで、ファンとしては、
次のアルバムまでの予告編として楽しむのが吉でしょう。
何と18曲も入っています。
ライブで初めて聴いて(あれ、ここまで振り切っていたっけ?)と驚かされた「まんこにタッチ」や、
「Tightin’up」風リズムに乗って、シンセがビョーーンと唸り、
ドモアリガット」的ロボ・ボイスがリフレインする「エッチなアリスちゃん feat.OKBT」、
しみじみデュエット「同じ月が輝いていた with coronco」などを収録しており、
バラエティ豊かで楽しめました。

「ウインピー」
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