ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES

ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES
1973年 アメリカ
『ドノヴァンとのデュエットが貴重』
 
 2011年にリマスターされたアリス・クーパーのカタログ。これを日本盤で揃えようと思うと、紙ジャケ盤かタワーから限定で再発された廉価盤か、選ぶことになります。アリス・クーパーの紙ジャケは仕掛けが凝っていて楽しいのですが、如何せん高いのが悩みどころ。税込み3200円にプレミアが付いて3900円くらいが相場になっています。しかしタワーの廉価再発も見逃してしまったので、こちらで集めるしかない状況。ワーナーの「FOREVER YOUNG」シリーズにラインナップされる日を待つという手が一番賢明なのかもしれません。

 前回は『Eighteen』のレビューを書きました。今回は『School’s Out』を飛ばして『BILLION DOLLAR BABIES』について書こうと思います。本作は移籍後4枚目のアルバム。ブラスやストリングスが煽る派手なアレンジは演劇調で、アリス・クーパーの個性が確立されています。マーク・ボラン、キース・ムーンが参加しているとのことで、鋭いギター、太いドラムなど、うねるロック・サウンドにはブリティッシュ・ロックの影響が感じられ、彼らの後押しがあったのでしょう。例えば「Unfinished Sweet」はクィーンを彷彿とさせます。
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 ハイライトはドノヴァンとのデュエットが聴けるタイトル曲。アリス・クーパーと渡り合う怪人振りを披露しているドノヴァンが素晴らしい。この曲を含め、作曲面ではポップ且つ無駄が無く派手な曲が並んでおり、完璧な出来。さすが名盤です。リマスターの効果も絶大で、ハッキリクッキリ聴こえます。初期にCD化されたタイトル群が如何にダメな音質だったか改めて思い知りました。

Elected
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THERAPY/ONE NIGHT STAND

THERAPY/ONE NIGHT STAND
1973年 イギリス
『英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバム』

 本日は1970年より活動を開始したフォーク・グループ、セラピーのセカンド・アルバムをご紹介。前作のレビューはこちら。前回のアルバムではプロデューサーにコリン・コールドウェルが付いていたり、12の星座をテーマとしたコンセプト・アルバムだったり、と話題満載でした。しかし本作はメンバーが一人抜けデュオ体制となり、加えてレーベルもドロップ。自主制作盤です。そしてA面がカバー曲、B面がトラッド曲というオリジナル曲無しという構成。地味すぎる・・・・・・更に自分に対して小西勝氏の解説文の一節「オリジナル曲を切り捨てたのはちょっと残念」の文字が精神ダメージを与えてきます。
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 デュオとなった彼らですが、ゲストでリズム隊が参加しています。A面はジョニ・ミッチェル「Carey」「Big Yellow Taxi」、メラニー「Brand New Key」、ジャズ・スタンダード「Twelfth Street Rag」、ダンカン・ブラウン「Journey」、ビートルズ「Honey Pie」、イアン&シルヴィア「Someday Soon」というラインナップ。自主盤とは言え、適度な緊張感のある演奏で、音質も申し分ありません。女性ヴォーカルの凛々しい歌声も細やかなピッキングを披露するギターも素晴らしい。トラッド・サイドでの優しい演奏も心地よいです。素朴なフォーク・グループ作品という趣。英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバムです。

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BRONCO/SMOKING MIXTURE

BRONCO/SMOKING MIXTURE
1973年 イギリス
『ジェス・ローデンが居ないブロンコ』

 ジム・モリスンが居ないドアーズ、デヴィッド・ボウイが居ないスパイダース・フロム・マーズ、イアン・ハンターが居ないモット、ブリティッス・ライオンズ・・・・・・そしてジェス・ローデンが居ないブロンコ。

 ブリティッシュ・ソウル・シンガー、ジェス・ローデンが中心となって結成されたブロンコ。カントリーを英国流に料理した2枚のアルバムをリリースしたものの、そこで中心人物であったジェス・ローデンは脱退。その後にアルバムを1枚リリースしていたものの、長い間CD化されず、聴くことが出来ませんでした。そもそも待っていた訳でもないというのが正直なところで、誠に申し訳ございません。
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たばこの缶を模したジャケット・デザインは素晴らしい。

 音楽性は慎ましやかなカントリーロック。ヴォーカルの線が細いと感じるのは、やはりジェス・ローデンの残像がよぎるせいでしょう。ただパブロックのようなリラックスした演奏は魅力的。またクリフォードTワードがゲスト・ヴォーカルや作曲として4曲でクレジットされています。これは地味になりがちな本作にささやかなハイライトでしょう。

Attraction
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DAN PENN/Nobody’s Fool

DAN PENN/Nobody’s Fool
1973年 アメリカ
『やっとメジャーから日本盤化』

 ダン・ペンのファーストもナイス・プライスで再発されました。自分が持っていたのは最初にCD化された時のレパトワー盤だったので、この機会に買い直しました。やはりSSWのアルバムは歌詞対訳付きがうれしい。
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 60年代のアラバマ州にて、フェイムとマッスルショールズ・スタジオを拠点に活躍したSSW。アレサ・フランクリンやクレランス・カー
ターなど、ソウル・ミュージシャンを中心に多くの楽曲を提供していました。本作は彼のファースト・アルバムで、スプーキー・オールダム、ディキシー・フライヤーズなど、裏方仕事を経て得ることが出来た人脈をフルに活用して制作されています。

 カントリー、ブルースを基盤とする土着的な演奏はきっちり泥臭く、スワンプであることを主張しているのですが、上品なストリングスとピアノが甘さを演出。90年代、このアルバムがCD化された際にはスワンプの名盤という紹介をされていました。実際、その通りなのですが、上記のようなソウルのルーツを知って改めて聴いてみると、甘さがはっきりと認識出来ました。本作では、当時流行したトロトロなスウィート・ソウルが隠し味になっているようです。

 スプーキー・オールダムを始め、何人かと共作をしており、且つ60年代から書き溜めてきた豊富なストックのおかげで、バラエティーに富んだ内容となっているのもポイントです。

 感情を丁寧に乗せた渋い歌声も魅力的。

Raining in Memphis
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ファニー・カンパニー/ファニー・カンパニー

ファニー・カンパニー/ファニー・カンパニー
1973年 日本
『ラフでルーズな演奏が魅力的』

 ブルース・ロック、ロックンロールを日本語でやった70年代のグループによるファースト・アルバム。以前持っていたのですが、金欠で手放してしまい、この度再購入しました。現在流通している紙ジャケ盤では、ボーナス・トラックが5曲入っています。
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 ヴォーカルの桑名正博をフロントに据えたキーボード入りの4人編成。ドラムはこの時点ではゲスト扱いになっており、その代わりヴォーカル&ギターが二人います。

 ロックのドライブ感を保ったまま日本語で歌う、桑名正博のヴォーカルは当時とても画期的だったそうですが、今聴いてもとてもかっこいい。颯爽としており、随所に入るアドリブ(シャウトなど)も堂に入っています。ゴツゴツ、ドタバタとしたバンド・アンサンブルの荒々しさも素晴らしい。アメリカン・ロックほどに破れかぶれなエネルギーはありませんが、その代わりブリティッシュ・ロックのようなカッチリしたコンビネーションも持っていて、ソリッドな演奏が楽しめます。鍵盤が入っているからか、フェイセスっぽいところもあり。

 桑名正博がヴォーカルを取っていない曲では、日本語フォークに接近したメロウな雰囲気を纏っており、アルバムに多様性をもたらしています。

スウィート・ホーム大阪

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