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Gallery/The Wind That Shakes The Barley

Gallery/The Wind That Shakes The Barley
1973年 イギリス
『麦畑など久しく見ていない』

 男女ヴォーカルを擁し、ダルシマー、フィドル、マンドリン、ギターなどのメンバーで構成された英トラッド・グループの唯一作。オリジナルはフォーク系マイナー・レーベルのミダスよりリリースされており、レア盤として人気が高いです。2002年にはジャケをルネッサンス風のものと差し替えてCD(KISSING SPELL)が再発。2014年にオリジナルのジャケで再びCD(GUERSSEN)が復刻されています。ただし、双方ともオフィシャルな再発では無いのが残念なところ。
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 麦の穂をゆらす風、というタイトル通り穏やかなトラッド・ナンバーが並んでいます。フォーク・ロック・ムーヴメント真っただ中でリリースされており、確かな技量を持つメンバー達による、緊迫感のある演奏が楽しめる内容。暗く寂しげな雰囲気が全体を包んでいるのも英フォークならではの魅力です。「Dowie Dens Of Yarrow」「The Baron Of Brackley」「Let No Man Steal Your Thyme」など英トラッド好きにはお馴染みのナンバーを多く収録しているところもポイント。

Queen of He

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「GLENCOE/The Spirit of GLENCOE」

『地味目な英パブロック作』
「GLENCOE/The Spirit of GLENCOE」1973年 イギリス

 明日書こう、明日書こう、と思っている間に、思っていることすら忘れてしまう。そんな感じでほったらかしておりましたブログ。ごめんなさい。今日は書きます。
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 今日、取り上げるのはBIGPINKからリリースされたグレンコーのセカンド・アルバム。イーグルスへの憧れが伺える、埃っぽいカントリー・ロックとソウルの融合が軸となる音楽性で、パブ・ロックに括られているようです。そこに加えてELOなどを想起させるストリング主体の幻想的なブリティッシュ・ポップ色が、彼らの特色。プロデューサーとしてベン・シドランが参加。本セカンドはその個性がより際立っている印象です。
 1973年作とは思えない洗練されたサウンド。その一方で、楽曲をこねくり回してしまう、この時代の英国バンドの性はしっかりと発揮されています。
CD化が遅れていたのも分かる地味さ加減はいかんともしがたい、という内容ではあり。その中でも、バラード・ナンバー2曲や一部ロックンロール・ナンバーではフェイセズのような軽妙さが感じられるのが魅力。

Glencoe-the spirit of Glencoe-Friends Of Mine & Roll On Bliss
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DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS

DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS
1973年 イギリス
『トロトロに溶かされる、これがトニー・フーパー・プロデュース作の威力だ!』

 ヨーク・レーベルからリリースされたトニー・フーパー・プロデュースによる、男女デュオ作。エコーやストリングス、コーラスを駆使した夢見心地なフォーク・サウンドを生み出すトニー・フーパー・プロデュース作品がまた一つ、復刻されました。

 デュオ名義ですが、ストローブスの面々が参加しているバンド録音となっています。トニー・フーパー自身がストローブスの中心人物だったため、橋渡し役となったのでしょう。チェロやオルガンはもちろん、曲によってはメロトロン、バンジョー、ブズーキも入る多彩な編成が楽しめます。

 幽玄な調べの古楽器、格調高いストリングス・アレンジが代わる代わる登場する幻想的なサウンドは、トニー・フーパー作品ならではの味わい。
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 爽やかさと憂いを同居させた優しい歌声も魅力的。楽曲では中盤に挟まれているビートリッシュなポップ・ナンバー「Window」「Who Stole My Land」辺りが素晴らしい。総じて主張が控えめな牧歌的なフォークであり、トニー・フーパーのプロデュース・ワークにマウント・ポジションを取られている感じがヒシヒシと伝わってしまう出来栄え。期待通りの音楽性に満足です。

Who Stole My Land
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中川イサト/1970年

中川イサト/1970年
1973年 日本
『グダグタしていたらお休みが終わった。そんな時に』

 旧規格のCDで持っていた本作。しかしながら、ライブを中心とした未発表音源を9曲追加での再発ということで、買い直してしまいました。
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 帯には「自宅録音ならではの、ゆったりとしたホームメイド感~(以下略)」との文言があり。旧盤では自宅録音ながら、臨場感よりもモコモコした感じが気になっていて、それがホームメイド感(自主盤チック)という言葉で表現されると、なんだか良いもののような気がしてきます。尚、自宅録音とありますが、正しくは西岡たかし宅でレコーディングされたとのこと。今回の再発ではリマスターの表記こそありませんが、UHQCDという高音質CDでのリリースです。「波形の図を眺めて反射率が高いイメージを描く」という、高音質盤を聴くときの儀式をした後、聴いてみました。確かにモコモコした感じは無くなっています。曲によっては、臨場感を感じられるようになりました。音はやっぱりホームメイド的な感じですが、これは元々の味わいなので問題なし。

 本編に関しては、若者が暇を持て余して空想するような歌詞を、中川イサトがポツポツと歌って、ギターを弾いている、という内容です。のんびりとしていて、ちょっとサイケデリックな所もあって、かつ丼を食べた後の昼寝前に聴くとグー。

 ライブ音源では加川良の「伝道」をカバーしているのが目玉でしょう。優しい語り口が素晴らしいヴァージョンとなっています。

その気になれば 中川イサト

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COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN

COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN
1973年 イギリス
『本場のピエロはやっぱり怖いな。』

 イギリスのシンガーソングライター、コリン・スコットのセカンド。長らくファーストのみがCD化されていた状況でしたが、この度、ビッグピンクよりセカンドが再発されました。ロバート・フリップ、ブリンズレー・シュウォーツ、リック・ウェイクマンなど豪華なゲストが参加していたファーストに関しては、その豪華な客演を楽しむといった趣が強かった一方で、どんな曲があったのか曖昧な印象。
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 セカンド・アルバムではほぼ全編がオリジナル曲で固められており、バックバンドも固定。シンガーソングライター然とした作風になっているとのこと。アメリカへの憧れが堂々と現れているたそがれフォーク・ロックが大勢を占めた内容です。渋みのあるスライド・ギターに枯れた歌声の組み合わせが、この種の音楽にとっての王道となっている他、シンセサイザーがカラフルでポップな魅力を引き出している点もポイント。バックバンドのメンバーにはヴァンダー・グラフ・ジェネレーターやレア・バードに関連するメンバーが集まっており、一部楽曲では管楽器やストリングスが導入されています。これによりドラマティックなアレンジが為された楽曲もあり。それが功を奏しているかというと否。ファーストと同じく、軸がぶれてしまっている気がします。

例えばマッギネス・フリントやアラン・テイラーのような、イギリス人による米国憧憬フォークの第一人者に比べると、各楽曲の出来も地味。しかしながら、後続の人知れず発表されたシンガーソングライターの作品として楽しむことは出来ると思います。(解説でも楽曲に関しては全く触れていませんでしたし・・・・・・)

I am A Dreamer
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