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DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS

DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS
1973年 イギリス
『トロトロに溶かされる、これがトニー・フーパー・プロデュース作の威力だ!』

 ヨーク・レーベルからリリースされたトニー・フーパー・プロデュースによる、男女デュオ作。エコーやストリングス、コーラスを駆使した夢見心地なフォーク・サウンドを生み出すトニー・フーパー・プロデュース作品がまた一つ、復刻されました。

 デュオ名義ですが、ストローブスの面々が参加しているバンド録音となっています。トニー・フーパー自身がストローブスの中心人物だったため、橋渡し役となったのでしょう。チェロやオルガンはもちろん、曲によってはメロトロン、バンジョー、ブズーキも入る多彩な編成が楽しめます。

 幽玄な調べの古楽器、格調高いストリングス・アレンジが代わる代わる登場する幻想的なサウンドは、トニー・フーパー作品ならではの味わい。
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 爽やかさと憂いを同居させた優しい歌声も魅力的。楽曲では中盤に挟まれているビートリッシュなポップ・ナンバー「Window」「Who Stole My Land」辺りが素晴らしい。総じて主張が控えめな牧歌的なフォークであり、トニー・フーパーのプロデュース・ワークにマウント・ポジションを取られている感じがヒシヒシと伝わってしまう出来栄え。期待通りの音楽性に満足です。

Who Stole My Land
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中川イサト/1970年

中川イサト/1970年
1973年 日本
『グダグタしていたらお休みが終わった。そんな時に』

 旧規格のCDで持っていた本作。しかしながら、ライブを中心とした未発表音源を9曲追加での再発ということで、買い直してしまいました。
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 帯には「自宅録音ならではの、ゆったりとしたホームメイド感~(以下略)」との文言があり。旧盤では自宅録音ながら、臨場感よりもモコモコした感じが気になっていて、それがホームメイド感(自主盤チック)という言葉で表現されると、なんだか良いもののような気がしてきます。尚、自宅録音とありますが、正しくは西岡たかし宅でレコーディングされたとのこと。今回の再発ではリマスターの表記こそありませんが、UHQCDという高音質CDでのリリースです。「波形の図を眺めて反射率が高いイメージを描く」という、高音質盤を聴くときの儀式をした後、聴いてみました。確かにモコモコした感じは無くなっています。曲によっては、臨場感を感じられるようになりました。音はやっぱりホームメイド的な感じですが、これは元々の味わいなので問題なし。

 本編に関しては、若者が暇を持て余して空想するような歌詞を、中川イサトがポツポツと歌って、ギターを弾いている、という内容です。のんびりとしていて、ちょっとサイケデリックな所もあって、かつ丼を食べた後の昼寝前に聴くとグー。

 ライブ音源では加川良の「伝道」をカバーしているのが目玉でしょう。優しい語り口が素晴らしいヴァージョンとなっています。

その気になれば 中川イサト

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COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN

COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN
1973年 イギリス
『本場のピエロはやっぱり怖いな。』

 イギリスのシンガーソングライター、コリン・スコットのセカンド。長らくファーストのみがCD化されていた状況でしたが、この度、ビッグピンクよりセカンドが再発されました。ロバート・フリップ、ブリンズレー・シュウォーツ、リック・ウェイクマンなど豪華なゲストが参加していたファーストに関しては、その豪華な客演を楽しむといった趣が強かった一方で、どんな曲があったのか曖昧な印象。
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 セカンド・アルバムではほぼ全編がオリジナル曲で固められており、バックバンドも固定。シンガーソングライター然とした作風になっているとのこと。アメリカへの憧れが堂々と現れているたそがれフォーク・ロックが大勢を占めた内容です。渋みのあるスライド・ギターに枯れた歌声の組み合わせが、この種の音楽にとっての王道となっている他、シンセサイザーがカラフルでポップな魅力を引き出している点もポイント。バックバンドのメンバーにはヴァンダー・グラフ・ジェネレーターやレア・バードに関連するメンバーが集まっており、一部楽曲では管楽器やストリングスが導入されています。これによりドラマティックなアレンジが為された楽曲もあり。それが功を奏しているかというと否。ファーストと同じく、軸がぶれてしまっている気がします。

例えばマッギネス・フリントやアラン・テイラーのような、イギリス人による米国憧憬フォークの第一人者に比べると、各楽曲の出来も地味。しかしながら、後続の人知れず発表されたシンガーソングライターの作品として楽しむことは出来ると思います。(解説でも楽曲に関しては全く触れていませんでしたし・・・・・・)

I am A Dreamer
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ALICE COOPER/MUSCLE OF LOVE

ALICE COOPER/MUSCLE OF LOVE
1973年 アメリカ
『キメ曲こそ無いがさすが全盛期』
このアルバムはアリス・クーパーの7枚目のアルバムで、バンド名義での最終作です。

アリス・クーパーを後追いで聴いてきた自分ですが、このアルバムだけは縁が無く今回初めて聴きました。3枚目のアルバム『Love It To Death』から6枚目『Billion Dollar Babies』までを聴いたら、次は8枚目の『Welcome To My Nightmare』へと飛ばしてしまったという具合。自分がアリス・クーパーを集めていた90年代の地方のショップでは『MUSCLE OF LOVE』だけが品揃えされておらず、音楽誌でも情報を仕入れることが出来なかったという状況から、「地味なアルバムなのだろう。」と思っていました。
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 今回も特殊ジャケですが、前作前々作と比べると地味な印象。自分は紙ジャケで購入しましたが、アナログだと輸入用ダンボールを模したこのジャケも映えるのかもしれません。これも前2枚から続いてきたことですが、明確なテーマ、コンセプトが無くなりました。また、バンド最終作ということを暗示するかのように、ブラス隊のヴォリュームが上がっているのも特徴。結果、演劇調の芝居がかった個性がより毒々しく放たれています。ライザ・ミネリ、ロニー・スペクター、ポインター・シスターズがゲストとして参加。これらのメンツを見ても方向性の狙い(ロック・バンドとは異なるショーを目指しているという)が感じ取れます。楽曲の出来は全盛期のものだけに素晴らしい。今回初めて気が付きましたが、1曲目「Big Apple Dreamin’(Hippo)」のリフは、イギリスのグラム・ロック・バンド、ナザレスが「Hair Of The Dog」(1975年)に引用しているようです。派手なキラーチューンはありません。予想通り、地味なアルバムではありましたが良作だと思います。

動画はありません。厳密にはあったのですが日本では検閲が掛けられていて見られないようです。んーー、日本国内でのyoutubeの管理が厳しくなっている気がします。それでいて音源はすぐ廃盤にして管理不足(利益出ないから仕方ないけれども)。ちょっとケチかな。
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古川豪/羅針盤で星占いはできない

古川豪/羅針盤で星占いはできない
1973年 日本
『トラッドは古くならない』

 現在でもユニオンやタワー・レコードなどで行われている、独自のCD再発企画。2003年、アマゾンが企画したURC再発リクエスト企画もそういった独自再発企画の一つだったのでしょう。ファン投票で選ばれただけあるマニアックなラインナップが揃っていたのですが、オムニバス盤が多めの構成。その中に本作や五つの赤い風船の『五つの赤い風船’75』『ボクは広野に一人居る』中川イサト『1970年』といった作品が混ざっていました。自分がこの存在を知ったのは売り切れてプレミアが付いた後だったので、かなり悔しかったです。URCの再発はグリーンウッドが頑張ってくれており(もう終わりが見えてきたっぽい?)、五つの赤い風船も再発されましたが・・・・・・上記のアルバムは一度再発されたということでオミットされています。残念ながら再発時に入手できなかったので、コツコツと納得できる中古を探索していた訳ですが、この度本作を手に入れることが出来ました。(後は『ボクは広野に一人居る』だけであります。)

 京都を拠点に活動するフォーク・シンガー、古川豪のデビュー作。ちなみに本作の前に自主盤があり。初めて聴いてみるといくつかあるセックスソングの印象が強烈ですが、死についての哲学的な歌、京都の暮らしの歌も収録されています。バンジョー、ダルシマーも操るギター弾き語りで、一部ではフィドルも参加。既にセカンドのレビューでも触れていますが、アイルランド民謡のカバーが1曲収録されている他、アメリカ民謡の影響を強く受けた楽曲が多いです。セックスソングでの愛嬌を含めて、全編でトラッドソングらしい泥臭い反骨精神が貫かれています。1973年のURC、ここにありという風情。ファーストはギタリストの弾き語りをベースにしており、セカンドはアレンジが凝っています。どちらも素晴らしい。

※ これを書いた後で、10月頃に紙ジャケで本作がcd化されることを知りました。
まぁそういうものですよねー。

トカトントン/古川豪
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