ポポポロ/POPOPOLO

ポポポロ/POPOPOLO
2012年 日本
『来月はきっと送られてくるはず』

 来ない。
あれからもうずいぶん経つというのに。
便秘の話ではない。
ポポポロは言ったんだ。
購入者には漏れなくカヴァー&リミックス・アルバムを送付してくれるって。
(2013年1月発送)
それなのに。
もう2年も経つというのに。
ポポポロからカヴァー・アルバムが送られてこない。

 2012年、少し話題になっていたJPOPの新人グループ。それがポポポロです。
ギター二人を擁する4人組バンド。
サイケデリック、エレクトリック、フォークを融合させた音楽が特徴で、
シューゲイザー要素もあり。

 優しく繊細なヴォーカル、哀愁が漂うメロディー、幻想的に絡み合うギター・サウンド、
穏やかでいかにも文系な感じのメッセージ。熱を抑えたクールなムード。
帯にもありますがサニー・デイサービスや羅針盤を彷彿とさせる雰囲気。
大人になってから始めたバンド、という性質も彼らにはあり、
やりたいことが整理出来ていて洗練されているというのもポイント。

 少しメロウに寄り過ぎなところもありますが、曲は総じて良く出来ています。
これからの活躍が楽しみなバンド

だったのに

 アルバムを発表された2012年を最後にHPの更新は止まっており、
消息を絶ってしまいました。

ここはエールも込めてメッセージを贈ろう。
「カヴァー・アルバムは来月、きっと送られてくるはず。」

「外はきっと雨 」
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The Juke Joint Pimps/Boogie the church down

The Juke Joint Pimps/Boogie the church down
2012年 ドイツ
『違いが分からない男のブルース・レビュー⑱』

 
 雰囲気ばっちりのジャケに釣られてみたら、実は2012年のアルバムでした。

juke.jpg


 ジューク・ジョイント・ピンプスはドイツ出身の二人組で結成されたブルース・デュオ。
ドラム兼ハープ兼ヴォーカルのマイティ・マイク、
ギターのTマンで構成されています。

 シカゴ・ブルースをベースとする様々なグループで切磋琢磨していた二人が合流したのは
2003年のこと。
彼らはシルヴァートーンズというグループに在籍し、ベルギーでアルバムを録音。
youtube動画を見る限り、イタリアやロシアなど様々な国にツアーで回っていたようです。
この時点ですっかり中年オヤジの様相。
日本でいう所のおやじロックバンドのような佇まいですね。

 そんなシルヴァートーンズと同時進行で二人が進めていたのが、
今回取り上げたデュオ編成のジューク・ジョイント・ピンプス。
結成年も同じく2003年のこと。
ドイツのケルンを拠点に活動していた彼等。
本作は彼らが英国デビューを飾ることになる、セカンド・アルバムです。

 緩いパブロックといった風情のシルヴァートーンズに比べると、
ジューク・ジョイント・ピンプスはワイルド。
ドンチャカ、ドンチャカと小気味いいリズムに、ルーズなブルース・ハーブ、
だみ声ヴォーカル、そしてジョン・リー・フッカーなどをお手本にした
ブギー・スタイルによる軽快なギター。
二人という特性を生かした一発録りとなっており、隙間はたっぷりながら
熱気とグルーヴもたっぷり詰まったアルバムとなっています。

 ルーツとなっているのはシカゴ・ブルースですが、
野良猫ブルースという形容がされており、
シャウト、ラウドを重視したロック・ファンにもアピールする内容となっています。
なるほど、
パンク/ロックンロール系のドイツ・レーベル、ブードゥ・リズムが目を付けるのも納得のサウンド。
また本作には別名義でゴスペル・ピンプスとしての楽曲も収録。
スプリット盤の形態を成しています。
こちらではその名の通り、ゴスペル要素を絡めており、
コーラス隊も含めて若干ソウルフルな演奏が楽しめます。
(同じグループなのでブギーがベースなのは変わらず)

 60年代英国でのホワイトブルース・ムーヴメントと同様に、
本作には黒人音楽への憧れが詰まっています。
本物ブルースにある粘り気はありませんが、
ソリッドな演奏から生み出すグルーヴでカバー。
おじさん二人による無邪気なはしゃぎっぷりに胸が熱くなるアルバム。

「Juke Joint In The Sky」
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Esperanza Spalding/Radio Music Society

Esperanza Spalding/Radio Music Society
2012年 アメリカ
『知性と技巧を追い過ぎず、緩く浴びる感じがベター』

 今回のCDは交流ブログの一つ、
Systematic Chaosさんの
私的名盤紹介―真の雑食を目指して』にてレビューが掲載されたもの。
素晴らしかったので購入〜こちらでもご紹介させていただくことになりました。
ただ、Systematic Chaosさんのレビューには、
自分には及ばない詳細さが備わっておりますので、こちらはさっぱりとまとめたいと思います。
今回は上記ページもご参照の上、読み進めていただければと思います。

 本作はオレゴン州ポートランド出身のベーシスト兼シンガーソングライター、
エスペランサ・スポルディングによる4thアルバム。
パット・メセニーに見出されたジャズ系ミュージシャンですが、
ヒスパニック、ネイティヴ・アメリカンなどの彼女自身が持つルーツから
ブラジル音楽やソウルなど幅広い音楽を探求しているのが特徴。
Systematic Chaosさんは最初の印象を「ファンキーなスティーリー・ダン」と称しており、
自分は初めて聴いた時「ジャジーなリンダ・ルイス」と感じました。
聴き手が辿ってきた音楽趣味で、初めの印象もガラッと変わり、
且つ聴き込むほどに、
見えなかった音楽性の深みにズブズブとはまっていくタイプと言えるでしょう。

 70年代フュージョン、ジャズ・ボッサ、ソウルをごった煮したような音楽性。
ベース・ラインをくっきりと強調したアレンジで、転調多めの知的な楽曲群が特徴です。
キュートな歌声と洗練されたアンサンブルで、難解な曲調もすんなりと耳に馴染む感じ。
都会的なポップスのようでいて、キャッチーなサビなどは用意されていないので
一回でグッと掴むような曲はありません。
しかし緩急が考えられた構成と、ボサノヴァ由来の爽やかスキャットや
ダイナミックなアンサンブルでグイグイ惹きつけられます。

 欠点はほとんどありませんが、再生時間が60分あり少し長く感じました。
インプロヴゼーション・・・は、音楽の生命線だと思うので、
収録曲を削っても良かったかもしれません。

 曲を追っているとこんがらがってきてしまうので、
あまり深く追わずに爽やかなサウンドに身を委ねるのが吉。
夏の終わりのドライブやプール・サイドに最適な音楽でしょう。

「City Of Roses」
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砂場/ひとりきりでうたううた

砂場/ひとりきりでうたううた
2012年 日本
『自主盤を聴く 第1回』

 70年代や80年代に比べれば、
誰もがミュージシャンになれるようになった今日この頃。
一方でレコード会社が流通に載せることが出来るパイの数は限られています。
そんな時代だからこそ、
一般流通に乗らない自主制作盤にもいい作品が埋もれていたりするのです。

 自主盤は入手ルートが限られているのですが、
まず正攻法と言えるのがミュージシャンとの直取引。これでしょう。
メールからして気を使います。
あなたの音楽にこんな感じで出会って楽しんでいます、的なことから始まり
今後のご活躍云々・・・・・・そんなコミュニケーションも楽しかったりします。
しかし、聴きっぱなしにしていたな、と反省。
せっかく音楽ブログも始めたことですし、自主盤のレビューを始めたいと思います。
尚、本シリーズの記事は、対象を国内インディーズに限らせていただきます。
さすがに洋楽インディーズの自主盤は直取引出来るコミュニケーション能力がありません。

 第一回は砂場。(検索泣かせな名前です)
長野出身。福岡、東京と
メンバーが離れた状態で活動しているトリオ編成のバンド。
昭和フォーク、歌謡曲を彷彿とさせる人情味あるメロディーを
ノイジーなギターが特徴的な
叙情的なロック・サウンドで聴かせてくれます。
アンサンブルの質感はオルタナティブ・ロックの影響が強いです。

本作は2012年にリリースされた2ndミニアルバム。
バンドの状態が上記の通り、遠距離交際中につき不安定。
そのような状況下で、ミヤザキヤツキが作った
弾き語りナンバーを福岡周辺のサポート・ミュージシャン
の助力により完成させたアルバムです。
バンド・メンバーも、もちろん参加していますが、
全員揃っているのは2曲だけとなっています。

※と、昨日書いたのですが、先ほど宮崎さんよりメールを頂き、
「砂場の二曲以外のレコーディングメンバーは福岡でなくて、
名古屋の友人たちでした。」との情報をいただきました。
テキトーに書いてしまい申し訳ありません。
以上、訂正でした。


 購入時、宮崎さんとのメールのやり取りに於いて
「今回のアルバムは、完全なバンド体制では無いので
期待しているものと違うかもしれませんが楽しんでもらえれば・・・」
とのメッセージを頂きましたが、その通り1,2曲目以外は
アコースティック・ナンバーで構成されています。

 そのアコースティック楽曲ですが、
元々あったフォーク、歌謡曲の素養が前面に出ています。
爆音ギターがない分、哀愁味ある「きれいなしゃがれ声」が
よりくっきりと存在感を発揮。
素朴で穏やかな味わいです。華を添えている女性コーラスもポイント。

通信販売はこちらのメール・フォームからどうぞ。
通信販売取り扱いショップのリンクもあり。

「ひとりきりでうたううた」
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ワンダフルボーイズ/ビューティビューティビューティフルグッバイ

ワンダフルボーイズ/ビューティビューティビューティフルグッバイ
2012年 日本
『よりメロウでノスタルジックに生まれ変わったデビュー作』

 しゃかりきコロンブス。
奇妙礼太郎も取り上げた「君が誰かの彼女になりくさっても」を収録した
同タイトル・デビュー作をリリースしたものの、
そのままフェイドアウトしてしまったポップ・グループです。

 すっかり忘却していた先日、特集記事「おれの地方賞」にて
彼らがワンダフルボーイズとして再出発していることを知りました。
早速注文したところ、本日届いたのでまずはデビュー作から取り上げたいと思います。
尚、ワンダフルボーイズのリーダー、サンデーカミデが奇妙礼太郎等と組んだグループ、
天才バンドのリリースも控えているため、
(執筆時4月)今週から3週に渡って順にレビューしていく予定です。

 前身グループでは7人組でしたが、ワンダフルボーイズは6人組。
メンバーは、少しだけチェンジしているようですが、概ね同じです。
サポート・プレイヤーとして鍵盤奏者とブラスが入っているので、
全体としてはサウンドの層が厚くなっています。
ついでに言うと、奇妙礼太郎、杉瀬陽子、AZ CATALPAという
ゲスト・ミュージシャンもしゃかりきコロンブス時代と同じでした。

 シンセサイザー、ブラスを交えたノスタルジックなディスコ・ミュージックをやっており、
音楽性もばっちり前身グループを踏襲しています。
気だるい夜のBGMを彷彿とさせる、アンニュイな雰囲気が全編から漂っているのが特徴。
それは元々、サンデーカミデの作曲センスとしてあった資質です。
アンサンブルは、より大らかでスケールが大きくなっており、
メロウなムードも増していると感じました。
フルートがフワフワとした浮遊感を生んでいることもポイント。

 線がやや細い泣き虫ヴォーカルも味わい深く、気負いのないメッセージがすんなり入ります。
ただし表現の幅がやや狭いことも事実。
その欠点は、ゲスト・ミュージシャンを起用することでカバー。
華やかなアクセントとなっており、アルバムの構成もまとまりが出ています。

 ミドル・チューンばかりの構成は、
ゆるく素人感覚に溢れており、アットホームな聴き心地。
充実の再デビュー作です。

「93年の唄」
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