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JESS STACY/STACY STILL SWINGS

JESS STACY/STACY STILL SWINGS
1974年 アメリカ
『主役不在の演奏が慎ましくて心地よい』

 「黄金時代のベニー・グッドマンを支えた名ピアニスト」という紹介文。黄金時代のベニー・グッドマン、といえば1940年代から1950年代にかけてのこと。そして本作が発表されているのはモダン・ジャズ・ムーヴメント通過後の1974年。タイトルは「ステイシーはまだスウィングする」ですか。聴く前から応援したくなってきました。ソロ・ピアノでの演奏を収録しています。ジャケは70年代対応とい
う感じのロゴでバッチリ決めています。
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 ピアノ・ソロでのスウィング・ジャズ、というのが本作の趣旨。

 派手な技巧は一切無く、堅実で慎ましやかな演奏。軽妙にスウィングしているのですが、出しゃばらない感じ。スウィング・ジャズは隅のほうに追いやられていたであろう、1974年当時であっても、淡々と自分の好きな演奏を続けている。そんな、当時のジェス・ステイシーの仕事振り(小さなクラブで演奏している様子など)が思い浮かぶ様であり、自宅で聴いていると贅沢な気分になってきます。

 youtube動画は日本では視聴できないとのこと。お許しください。
関連するタグ アメリカジャズ

STARRY EYED & LAUGHING/ STARRY EYED & LAUGHING

STARRY EYED & LAUGHING/ STARRY EYED & LAUGHING
1974年 イギリス
『高品質ハーモニーポップ』

 英国版バーズで知られるグループとのこと。バンドの存在は知っていましたが聴くのは初めてです。

 グループ名はボブ・ディラン作「自由の鐘」の歌詞に由来します。パブ・ロック・ムーヴメントの後発グループとして1970年代前半にデビューした4人組。ゲストにはペダル・スティールのB.J.コール、ピアノにラス・バラードが参加。前述の通り、バーズを模倣した12弦ギターによるカントリー・ロックをやっています。
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 アメリカ西海岸への憧れを表現したカントリー・ロックではありますが、本家に比べると、まったりほのぼのとした味わいが特徴。コーラス・ハーモニーにも爽やかさだけでなく哀愁が漂っています。ウェット。パブ・ロック勢の中でも後発なだけに、サウンドは洗練されており、メロディーもキャッチーな楽曲が多い。中道的なサウンドだけに控えめな個性に落ち着いているものの、ELOやパイロットなど、イギリスのハーモニー・ポップが好きな方にもおすすめ出来るアルバムだと思います。セカンドはよりアメリカナイズされていましたが、そちらも良作です。

Closer To You Now
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HUMBLE PIE/RUMBLIN’ HUMBLIN’ WILLIN’

HUMBLE PIE/RUMBLIN’ HUMBLIN’ WILLIN’
イギリス
『ハンブルパイ・ファンは、これを観て一緒にイライラしよう!』

 復活第一回目の記事は、英国のソウルフルなブルース・ロック・バンド、ハンブルパイのブートDVDです。いきなりのブートレグ。ちなみに今、ブートレグと検索したら米津玄師のアルバムがヒットしました。
 
 去年、年末の大掃除の際、押し入れの奥から発掘されたヘラコプターズのブートVHS。「見たい!」しかし再生出来ない。検索。チーン。「おおっ、今はDVDになっているのか!」→沼に再突入と相成りました。

 音楽映画を見ていると思うのです。好きなミュージシャンの映像くらい、持っていたいな、と。そして何度かに分けて購入して来た内の1枚が本作となります。

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 ハンブルパイの映像作品というだけで、ファンにとっては垂涎のアイテム。内容の内訳はTHUNDERBOX TOURのロンドンでのライブ(1974年)が4曲(+インタビュー1枠)、1969年のビートクラブが2曲、LAフォーラムでの1974年のライブが2曲、1987年のトロントでのスティーヴ・マリオットのライブが4曲となっています。58分です。全編プロショットでの収録。

 正直、ブートレグという点を加味してもひどいクオリティの内容です。映像、音質共に伸びきったテープ起こしレベルで、初回視聴時はファンの期待を打ち砕くことでしょう。

 クオリティに関しては2~3回繰り返して視聴することで慣れます。「貴重なハンブルパイの映像がこんなのしか残っていないなんて」などと悔やんでも仕方がないのです。慣れてみると、 泥臭さが頂点に達した時期であるTHUNDERBOX TOURのライブは素晴らしい内容。スティーヴ・マリオットのソウルフルなMC、ブルージーなインプロヴィゼーションがバッチリと楽しめます。
もう一つの目玉である1974年、LAフォーラムの映像。こちらはTHUNDERBOX TOURよりも(比較すると、だけれども)鮮明な画像がうれしいポイント。しかしながら音質はペラペラです。「I Don’t Need No Doctor」「Honky Tonk Women」というハイライト2曲が聴けるのならば贅沢は言うまい。こんな音質でも、全身全霊のパフォーマンスであることはビシバシと伝わってくる。凄いバンドだ。ただし「I Don’t Need No Doctor」が終盤からの収録であることは不満。

 他の部分はそれなり。

ハンブルパイのファンへのお薦め度☆☆☆☆☆ 

Poeira Zine - Humble Pie - "Thunderbox." - Live - Rainbow Theatre, London 6-1974.
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IVAN LINS/MODO LIVRE

IVAN LINS/MODO LIVRE
1974年 ブラジル
『憂鬱の波へ飛び込め』

 MPBを代表するソングライター、とされているイヴァン・リンス。自分はボサノヴァのことは知っていても、MPBのことは素通りしていました。ブラジルでボサノヴァの要素を受け継ぎつつ、よりポピュラー寄りに進化した70年代の流行歌のことを指すとのこと。実際に調べてみるとこれまでボサノヴァと思って聴いてきたミュージシャン(ジルベルト・ジルなど)もMPBと呼ばれていることに気づきました。ボサノヴァからの派生ジャンルという感じであり、あまりMPBというものの定義を意識しなくてもいいかな、と感じました。今回は未聴のミュージシャンの作品の中から「ポセイドンの憂鬱」という感じのジャケの強烈さに惹かれて、選んだアルバムです。
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 抑揚を付けながら侘しさを強調した歌声、哀愁たっぷりのメロディーが素晴らしい。また、華麗にしてスペーシーなキーボード・アレンジが特徴的で、洗練された印象を受けます。アレンジはアルトゥール・ヴェロカイが担当。ストリングスやブラス、パーカッションなどが細かく顔を出す緻密な仕事ぶりはさすが。
晴れの日が全く訪れず、登山の計画が何度も中止になっている今日この頃。せっかく取った三連休は全て曇りで明日からは仕事。そんなアンニュイな気分を、イヴァン・リンスの歌声がより強調してくれました。うーむ、ふて寝するか。

Ivan Lins - Tens (Calmaria)
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Water Into Wine Band/Hill Climbing For Beginners

Water Into Wine Band/Hill Climbing For Beginners
1974年 イギリス
『取って置き英フォーク』

 2000年に再発されたウォーター・イントゥ・ワイン・バンドのファースト・アルバム。ちょうど英フォークにどっぷり漬かっていた頃にリリースされたこともあり、愛着のある一枚です。愛着がありすぎて、色々な人に貸していたのですが、最後に貸した人と連絡が取れない状態になってしまい・・・・・・それから10年ほど。最近、買い直した次第です。
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 ケンブリッジ大学の同級生によって結成されたグループで、ヴァイオリン、アコギ2本、ベースという4人編成。ドラムレスの編成ながら、セッション・プレイヤーでドラムは入っています。他、フルートもあり。本作はファーストでMyrrhレーベルからリリースされました。クリスチャン系のレーベルとして知られています。

 英フォーク・ファンが夢想するような、牧歌的な世界観が展開されています。少しアシッドな感じもあり。ヴァイオリンがソロを取る場面では演歌の如く、情緒を強調したりする反面、ヴォーカルはしっとり穏やかに歌い上げており、ハーモニーも優しい。プログレに影響を受けたと思しき、ドラマティックな曲展開も素晴らしい。

 上記したKissing Spellの再発盤では2枚組となっており、英国盤、米国盤をそれぞれ収録。どちらも収録曲、曲順が同じなのですが演奏が異なっています。昔はそれぞれの国柄にこじ付けて聴こうとしていたのですが、やっぱり無理筋のようです。微妙な違いを楽しめればいいかと思います。

Stranger In The World
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