ART GARFUNKEL/WATERMARK

ART GARFUNKEL/WATERMARK
1978年 アメリカ
『アート・ガーファンクル入門』

 サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルによるソロ3枚目。自分の場合、作曲をしていたポール・サイモンのアルバムばかりチェックしていて、アート・ガーファンクルのソロを購入するのは今回が初めて。「AOR CITY 1000」シリーズでのリリースとなり、加えてほとんどの曲をジミー・ウェッブが提供していることが興味を引きました。1978年ということで、以前レビューしたジミー・ウェブのアルバム『エンジェル・ハート』と同じ年に制作されていたことになります。
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 アソシエイト・プロデューサーとしてマッスルショールズのキーボード奏者バリー・ベケットが起用されています。もちろん、バックはマッスルショールズのセッション・ミュージシャンが揃って参加。

 甘く美しい唯一無二の歌声は素晴らしい。この歌声とエレガントな演奏のおかげで、情緒豊かなジミー・ウェッブの楽曲群が爽やかな魅力を放っているように感じました。ジャケット通りの寛いだ海辺の音楽です。作曲提供者を固定したことで、SSW作品のように感じられるのもポイントでしょう。

 穏やかな佳曲が並ぶ素敵なアルバムです。

Watermark
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1978年 アメリカ
『トロトロでもストリングスが控えめで、すっきり』

 2016年はAOR40周年だったのですね。ソニーから「AOR CITY 1000」というシリーズで廉価盤が続々リリースされています。70年代の名作ばかり追いかけていたので、AORは少々疎い私。いくつか購入したものの感想を書いていこうと思います。
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 今回はペイジズのファースト。以前入手した記憶があったのですが、見当たりません。また金欠の時に売ってしまったパターンか?そう結論付けて再購入した次第。そろそろCD棚を整理する時期が来たようです。

 ペイジズはリチャード・ペイジ(vo)とスティーヴ・ジョージ(key)を中心とするグループ。彼らは作曲家コンビであるとともに、ヴォーカル・ユニットとしても活動。美しいコーラスで当時のアメリカ発のロック、ポップス作品を彩っていました。

 プロデューサーにはボビー・コロンビー。元ブラッド・スウェット&ティアーズにして、後のコロンビア・レコード副社長でもある才能ある人物です。ペイジズの他に、ジャコ・パストリアスやリチャード・マークスなどのアルバムを手掛けています。ペイジスは鍵盤入りの5人編成ですが、このデビュー作にはブレッカー兄弟やスティーヴ・フォアマン、デイヴ・グルーシンなど、腕利きのミュージシャンが参加。
 
改めて聴くとそれほどAOR然としておらず、爽やかなプログレッシヴ・ロックという印象。スティクスがグッとクロスオーバーに寄ったかような、洗練されたポップスが楽しめます。爽やかな高音ヴォーカルが素晴らしい。そして甘いコーラスは70年代ソウルを彷彿とさせるまったり加減。多くの楽器が入っているのにそれぞれとても穏やかな演奏で調和しているのもポイントです。

LET IT GO
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スーパー・パンプキン/パンプキン・パラダイス

スーパー・パンプキン/パンプキン・パラダイス
1978年 日本
『ワクチン接種前に風邪をひく』

 まんまと風邪をひいてしまいました。今年はよく風邪をひくなぁ。
こういうときこそ、ほったらかしてしまっていたこのアルバムを聴いて元気を出そうと思います。

 湘南出身、5人組のグループによる唯一作で、
シティ・ポップの優れたアルバムとして再評価著しいアルバムです。

 音楽性はハワイアンやカリプソの影響を受けた、トロピカルなポップ・ミュージック。
そのような日本の音楽ではやはり細野晴臣の同時代の作品群を思い出しますが、
スーパー・パンプキンの方がより明るく軽やかな印象。

 コブシの効かせ方や情緒を強調した節回しなどからは日本の歌謡曲らしさが垣間見えます。
サウンドの主役は爽やかなコーラス。ジェントリーな雰囲気のリード・ヴォーカルがややおとなしい分、
華やかなコーラスが盛り上げています。
バンド・アンサンブルはシンセサイザーが煌めくフュージョン主体のものながら、
エッジが効いており疾走感抜群。
元々持っているロックの血が所々で表に出てくるのが面白いです。
またラストに配されたタイトル・ナンバーのインストのように、
お祭りでおちゃらけているような(大瀧詠一っぽいかな)雰囲気もいい。

爽やかなコーラスで気分も軽やか・・・・・・何だかふわふわしてきたぞー。

Pumpkin Paradise sample
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Love Committee/ Law & Order

Love Committee/ Law & Order
1978年 アメリカ
『流麗なアップ・テンポが聴きどころ』

 フィリー・ソウルの名盤という触れ込みに加え、ジャケの素晴らしさに手を出してみました。

 フィラデルフィア出身4人組コーラス・グループ。
後にザ・テンプテーションズに参加することになるロン・タイソンが在籍していたことで知られています。
ジャケの女性はメンバーでは無いみたいでちょっぴり残念。

 オリジナルはサル・ソウル(サルサ+ソウルこと)参加ゴールド・マインドからリリースされています。
サル・ソウルはミックス文化を広めたレーベルの一つであり、
本作もCD化に伴い、大量のリミックス音源が追加されています。
尚、それらリミックスは全て職人として知られるウォルター・ギボンズが担当。

 さて本作の内容ですが、78年という時代性、サル・ソウル関連ということから想像できる、
流麗なストリングス・アレンジをバックに、甘いバラード、軽快なダンス・チューンが揃った好作品でした。

 パワフルで腰の据わった歌声、伸びやかなコーラスとパフォーマンス面では文句なしの素晴らしさ。

 前述通り、スロー、アップテンポどちらも素晴らしいのですが、
フィリー・ソウルらしい華麗さがより際立つのはアップテンポのダンス・チューンでしょう。
3曲ほど収録(ボートラ含まず)されていますが、やはりタイトル・ナンバーが群を抜いて素晴らしい。

Law & Order
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so nice/LOVE

so nice/LOVE
1979年 日本
『青春ってことが大事』

 2011年、猛烈な好評価と共に再発された学生グループの自主盤。
正直に言うと、当時この空気感に圧倒されて購入した次第です。

短く経緯をまとめると
シュガーベイブに影響を受けた学生グループがビクター主催のコンテストで優勝。
それを記念して作られた自主盤(若干枚)がネットを通じて話題を呼びCD化された、
という流れ。

2011年当時、
多くのブログに取り上げられた本作に対する熱も少し落ち着いてきた今日この頃。
自分ももう一度冷静に本作を聴いてみたいと思います。

 男性ヴォーカル1人、女性ヴォーカル2人の3人が正式メンバーとなっており、
その他、演奏にセッション・プレイヤー(助っ人)8人が参加しています。
音楽性はシュガーベイブに対するストレートな敬愛が滲み出た
コーラス・ワークを武器にしたシティ・ポップをやっています。
フォーキーな曲もありますが、
アレンジは一貫して爽やかなAOR,フュージョン系の流儀なので違和感は全くなし。

 男性ヴォーカルと、フォーク・グループ出身のため、
不思議なレトロ感を醸し出す女性ヴォーカル、
共に同時代のプロと比べると(今はヴォーカルのハードルがやや下がっている感があり)
やや声量、声域が足りない印象です。(録音過程の問題かも)
アレンジはAORやシティポップとして考えると、やや隙間が多いところが特徴で、
悪く言えばデモな雰囲気が残っているということになります。
看板曲「高速道路」はシュガーベイブ「Show」のイメージが残る炭酸ポップ。
さすが再発見のきっかけとなった曲だけに躍動感あふれる、いい曲です。
他に決め手となる曲(下敷きが割とストレートに見えてしまう)は無いものの、
同好の士であれば安心して楽しめるレベルでしょう。

 色々とはっきり書いた部分もありますが、
レコードをリリースすることが困難だった70年代に於いて、
これだけのものを学生が作ったというのは凄いこと。
そこにロマンがあり、それを含めて楽しむのが吉でしょう。
ただし。
宣伝文にある「シティ・ポップスのダイヤモンドと言える傑作」は明らかに言い過ぎ。
原石を付けるならありですが。

「光速道路」
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