THERAPY/ALMANAC

THERAPY/ALMANAC
1971年 イギリス
『優雅なブリティッシュ・フォーク』

 誰にでも、絶対いつか聴くぞ!と思っているレア盤が何枚かあると思います。僕にとってのそのうちの一枚だったセラピーのファースト・アルバムが遂にCD化されました。やっぱりBIG PINKは凄い!

 黄昏時の岩壁に腰を掛けるメンバー3人、セラピーのバンド・ロゴ。12星座をテーマにしたオリジナル曲で構成された内容。ゲスト
にはペンタングルのリズム隊が参加。これがCD化されていなかったのですから、聴いてみたくもなります。
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 セラピーはあまり知られていないフォーク・グループ。ジャケ写の通り、女性一人、男性二人のトリオ。デイヴ・シャノンとサム・ブラッケンによるラグタイム・バンドへ、女性シンガー、フィオナ・シンプソンが加入した経緯で結成されたそうです。楽曲は全てフィオナ・シンプソンによるオリジナル。

 解説ではジョニ・ミッチェルからの影響が強い、と触れられていますが、確かにサード辺りまでの穏やかでフォーキーなジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる曲を書いています。弦楽四重奏を加えた、優雅なブリティッシュ・フォークが全編で楽しめる好盤。期待通りです。

今回はYOUTUBE動画がありませんでした。
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COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE

COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE
1971年 イギリス
『盛り上がったライヴの後におかわりが欲しくなったらこれだ』

 2016年、コロシアムの紙ジャケも何度目かの再発となりました。今回の紙ジャケには赤半透明のポリ・スリーヴが付いてくるとのことで・・・・・・最初、内ジャケの写真を見るのに邪魔だな、などと罰当たりなことを考えてしまって申し訳ございません。貴重なオリジナル盤にまた一歩近づいたということでロマンがありますね。
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 コロシアムの作品群では本作とセカンド『ヴァレンタイン組曲』のジャケをキーフが担当しています。その上、中身も充実しているので、自然とその2枚に人気が集まっています。

 コロシアムは1968年に結成されたジョン・ハイズマンを中心とした、ジャズ・ロック・グループ。ジョン・ハイズマンはグレアム・ボンド・オーガニゼーションやジャック・ブルースのグループで活躍していたドラマー。コロシアムはセッション・プレイヤーが集まって結成されており、何度かのメンバー・チェンジを経て、デイヴ・クレムソン(g)、マーク・クラーク(b)、ディック・ヘクストール・スミス(sax)、デイヴ・グリーンスレイド(key)、クリス・ファーロウ(vo)というメンバーが集結し、4枚目となる本作(ライブ盤)が制作されました。

 本作の魅力はまず、パワフルなインター・プレイの応酬でしょう。クリームの流れを受け継ぎながら、よりプログレッシヴな楽曲展開が特徴です。加えて暑苦しいクリス・ファーロウのヴォーカルが、エネルギッシュな演奏と相乗効果を生み出していることもポイント。ジャズ・ロックではあるものの、ギターとヴォーカルの粘っこいブルース魂が音楽性にかなり影響を及ぼしています。「派手でかっこいいことをやりたい!」という演奏者たちの純粋な気持ちが伝わる、アツイパフォーマンスが堪能できます。収録曲はコロシアムのレパートリーは少なく、カバー中心。ジャニスの「サマー・タイム」も飛び出すなど、アドリヴが盛りだくさんであり、あまり原曲のことは気に留めずに楽しめることでしょう。

Lost Angeles
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ALICE COOPER/LOVE IT TO DEATH

ALICE COOPER/LOVE IT TO DEATH
1971年 アメリカ
『毒気とハッタリは満点』

 毎月CDを購入する際、新作ばかりでなく金欠時代(継続中)に手放したアルバムを買い戻しています。じわじわと地道に。アリス・クーパーもそんな対象の一つ。売るなよ、というお説はごもっともなのですが、一応売った時には「これはそのうちリマスターされるだろう。」という算段がありました。そしてどうですか。2011年に見事リマスターされたのです。実は2000年代初頭に売って以来、久しぶりに我がCD棚に帰ってきてくれたアリス・クーパーでありました。

 本作はワーナー移籍後初のアルバムで通算3枚目。これの前に2枚のアルバムが出ており、自分でもかつて所有していたのですが、内容が思い出せません。「そういうことだ」と割り切って今回はこのアルバム(3rd)からコレクションしている次第です。
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 プロデューサーはボブ・エズリン。アリス・クーパーとの初仕事だけではなく、プロデューサーとしても本作が最初の仕事とのことです。彼の素晴らしい仕事振りを理解するには初期2枚との聴き比べが一番分かりやすいでしょう。ありました。マイナーさ加減と演奏のしょぼさは伝わりますが、これはこれでいいです。

 炎や人形の破壊など、過激な演出を前面に打ち出したショック・ロック・スタイルは、未だ芽が出た程度だったはずですが、グラム・ロックに呼応したキャッチーなロックンロールという音楽性は既に固まっています。モノクロ・ジャケからのイメージ通り、暗くマイナーな曲が多いものの、毒気とハッタリは満点で楽しめるアルバムです。バンド・メンバーそれぞれが楽曲を持ち寄っているのもナイスなポイント。

I’M EIGHTEEN
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DAVID PARKER/ DAVID PARKER

DAVID PARKER/ DAVID PARKER
1971年 イギリス
『煮え切らない英SSW作』

 久しぶりに「得体の知れないミュージシャンに手を出してみよう。」と思って買ったのがこのアルバム。
SSW系のレアなアルバムを続々CD化している韓国のビッグ・ピンクからCD化された、
デヴィッド・パーカーのセカンドです。
プロデュースにハーヴェストなどで活躍していた
ジョナサン・ピールが起用されている他はクレジットが不明、という状況。
間違いなく上級者向けです。

 デヴィッド・パーカーはカントリー系のSSWで、
68年にはダイオン・パーカーとして1枚アルバムを発表しているそうです。

 帯の通り、英フォーキーがカントリー・テイストを取り入れた、という感じの内容でありますが、
アンドウェラ等に比べるとかなり地味であることは否めません。
英トラッドの峻厳とした冷たさが抜けきっておらず、カントリー要素がうまく混ざり合っていないという印象。

 メロトロンが入っている曲もあり、
当時の英ロック・アンダーグラウンドの空気感が感じ取れるのはうれしいのですけれども、
もはやそこまで。
ただし、B面はメロウな弾き語りを中心としており、かなり和めました。

 アクの強いグループを多く手掛けたジョナサン・ピールの仕事の中では、
かなり地味な部類に入ると言えましょう。
一通り、英SSWの米国憧憬ものを制覇したら検討する余地はあり。

Youtubeも見つかりませんでした。
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五つの赤い風船/New Sky/Flight

五つの赤い風船/New Sky/Flight
1971年 日本
『元々二枚組で出したかった→
結果少しリーズナブルに!』


 五つの赤い風船のアルバムが久しぶりに再発されました。
自分が集めようとした頃には廃盤となっており、
結構なプレミアが付いており断念。
ずっと一部タイトルとベスト盤でしか聴くことが出来なかったのでとてもうれしいです!

 実はボックスも出ていたのですが、持っているタイトルもあり予算の関係上もあり、
断念しました。
しかしボックスには未発表のライヴが追加されているとのことで
後ろ髪引かれる気持ちもあります。

 今回購入したのは『New Sky/Flight 』。
ライヴを含めて通算5枚目にして、
サイケデリックで実験色の強い後期を象徴するアルバムです。
これはブレーンである西岡たかしの影響力がどんどん増した結果。
オリジナルは別々のタイトルでリリースされていましたが、
今回は制作者の意向通り、二枚組として流通しています。
大まかに西岡ソロ色が強い『New Sky』、
風船らしさが強い『Flight』という性格分けがされているそうです。

 まず『New Sky』。
冒頭から23分使った「時々それは」が登場して圧巻です。
当然ながらこれがハイライトとなっています。
これはサイケデリックというよりもプログレッシヴと言う感じで
オルガンの敷き詰めっぷりやSEのコラージュなどから、
フロイドやクリムゾンからの影響も強い印象。
8分ほどまで優しげなバラード調で引っ張りますが、
途中から再びSEが乱入。
雑踏、人々の話声、宣伝カーなどの音たちが表れては消える中、
ピアノソロが美旋律を奏でていきます。
レイラの後半みたいな感じでしょうか。
そして再びヴォーカル・パートに戻る、というドラマティックな構成。
死をテーマとした歌詞が曲と共にぼんやりと子守唄のように浸透して心地いいです。
ただ、
浴びるにはいい音楽ですが、ちょっと23分は長すぎるかな、というのが現時点の感想です。

 藤原秀子がヴォーカルを取る2曲を始め、B面に収められた残り4曲も
概ね、サイケデリック・フォークの様相。
おちゃらけたカントリー・ソング「たまには一度は」ですら、
ダルダルな空気が抜けていません。
このダークな雰囲気が眠れぬ夜に重宝しそうな感じ。

 そして『Flight 』。
こちらは和気藹々としたフォーク・ソングが楽しめるアルバムとなっています。
全11曲。
どちらも西岡たかしが全曲を手掛けているのですが、
ダーク成分を『New Sky』に配分したおかげで、
こちらはとても朗らかでファンタジックなサウンドとなっています。
本来の五つの赤い風船にあった爽やかさが戻っているのですが、
得体のしれない不気味さは薄れています。
これを単体として聴いた場合、ちょっと物足りないと感じたかもしれませんが、
『New Sky』の続きとして聴いてみると穏やかなクールダウンとして完璧に機能しています。

とにかく、やっと聴けて大満足です。

「私は広い海に出る 」
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