Heads Hands & Feet/ Heads Hands & Feet

Heads Hands & Feet/ Heads Hands & Feet
1971年 イギリス
『沼に片足を』

 マッスル・ショールズ・スタジオ誕生から2年を経た1971年。イギリスにもじわじわと浸透してきたスワンプ・サウンド、その洗礼を受けたミュージシャン達。彼らが生み出すことになるブリティッシュ・スワンプの作品群、その最初期にあたるグループがヘッズ・ハンズ&フィートです。

 今日、エリック・クラプトンのツアー・ギタリストとしても知られるアルバート・リー、チャス&デイヴとして活躍することになるチャス・ホッジズなど、当時から腕利きのセッション・プレイヤーとして知られていたメンバー達が結成したグループ、ヘッズ・ハンズ&フィート。そのデビュー作です。
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 先に書いたように彼らはスワンプからの影響を色濃く反映した音楽性を持っていますが、前身グループではサイケ・ポップをやっていたりと基本的に流行に敏感であり、一山当てたいという野心が分かりやすいグループです。本作でもブルース、R&Bというスワンプ要素だけでなく、フォーク、カントリー、ジャズ・ロックなどの要素が混在。まさにファーストらしい取っ散らかり具合ですが、アメリカ南部へのリスペクトという筋は通っています。歌唱、演奏共に申し分なく、アメリカ憧憬の奥から侘しさが滲み出るイギリス出身グループならではの音楽が楽しめるアルバム。

 永らく、音質の悪いシー・フォー・マイルズ盤で我慢して来た本作ですが、2016年にSHM-CDにて再発されています。

Country Boy
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DAVE KELLY/DAVE KELLY

DAVE KELLY/DAVE KELLY
1971年 イギリス
『枯れたブルース・ギターと渋いヴォーカルが炸裂』

 ザ・ブルース・バンドのリーダーであり、ジョン・ダマー・ブルース・バンドのギタリストとして活躍していたデイヴ・ケリーがジョン・ダマー・ブルース・バンド脱退後に発表したセカンド・ソロ。前作のレビューはこちら
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 セッション・メンバーにはジョアン・ケリー、セッション集団ランプルスティルトスキン、そしてピーター・グリーンが変名で参加しているとのこと。その他、デイヴ・ケリーのブルース仲間と、ジャズ系プレイヤーも参加しています。

 相変わらず当時24歳とは思えない、枯れたブルース・ギターと渋いヴォーカルが炸裂しています。今回のソロ作はバンド録音がされており、前作よりも聴きやすい印象。ロックがカラフルで多様化していた1971年という時代を反映して、ブルース・ロックのみならずフォーク・ロック、ファンクにも挑戦しており、バラエティー豊かな楽曲群となっています。色々と手を出しているとは言え、どれも後追いで聴いてみると伝統的なものばかり。セッション・プレイヤー達の時にシリアス、時に熱狂的な演奏もあり、ジョン・ダマー・ブルース・バンドから続けて聴いても違和感なく楽しめるアルバムだと思います。「朝日のあたる家」のようなハードボイルドなブルース「The Fields Of Night」ではピアノが幻想的に舞っており印象的。このような細やかなアレンジも聴きどころ。

Green Winter
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THERAPY/ALMANAC

THERAPY/ALMANAC
1971年 イギリス
『優雅なブリティッシュ・フォーク』

 誰にでも、絶対いつか聴くぞ!と思っているレア盤が何枚かあると思います。僕にとってのそのうちの一枚だったセラピーのファースト・アルバムが遂にCD化されました。やっぱりBIG PINKは凄い!

 黄昏時の岩壁に腰を掛けるメンバー3人、セラピーのバンド・ロゴ。12星座をテーマにしたオリジナル曲で構成された内容。ゲスト
にはペンタングルのリズム隊が参加。これがCD化されていなかったのですから、聴いてみたくもなります。
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 セラピーはあまり知られていないフォーク・グループ。ジャケ写の通り、女性一人、男性二人のトリオ。デイヴ・シャノンとサム・ブラッケンによるラグタイム・バンドへ、女性シンガー、フィオナ・シンプソンが加入した経緯で結成されたそうです。楽曲は全てフィオナ・シンプソンによるオリジナル。

 解説ではジョニ・ミッチェルからの影響が強い、と触れられていますが、確かにサード辺りまでの穏やかでフォーキーなジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる曲を書いています。弦楽四重奏を加えた、優雅なブリティッシュ・フォークが全編で楽しめる好盤。期待通りです。

今回はYOUTUBE動画がありませんでした。
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COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE

COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE
1971年 イギリス
『盛り上がったライヴの後におかわりが欲しくなったらこれだ』

 2016年、コロシアムの紙ジャケも何度目かの再発となりました。今回の紙ジャケには赤半透明のポリ・スリーヴが付いてくるとのことで・・・・・・最初、内ジャケの写真を見るのに邪魔だな、などと罰当たりなことを考えてしまって申し訳ございません。貴重なオリジナル盤にまた一歩近づいたということでロマンがありますね。
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 コロシアムの作品群では本作とセカンド『ヴァレンタイン組曲』のジャケをキーフが担当しています。その上、中身も充実しているので、自然とその2枚に人気が集まっています。

 コロシアムは1968年に結成されたジョン・ハイズマンを中心とした、ジャズ・ロック・グループ。ジョン・ハイズマンはグレアム・ボンド・オーガニゼーションやジャック・ブルースのグループで活躍していたドラマー。コロシアムはセッション・プレイヤーが集まって結成されており、何度かのメンバー・チェンジを経て、デイヴ・クレムソン(g)、マーク・クラーク(b)、ディック・ヘクストール・スミス(sax)、デイヴ・グリーンスレイド(key)、クリス・ファーロウ(vo)というメンバーが集結し、4枚目となる本作(ライブ盤)が制作されました。

 本作の魅力はまず、パワフルなインター・プレイの応酬でしょう。クリームの流れを受け継ぎながら、よりプログレッシヴな楽曲展開が特徴です。加えて暑苦しいクリス・ファーロウのヴォーカルが、エネルギッシュな演奏と相乗効果を生み出していることもポイント。ジャズ・ロックではあるものの、ギターとヴォーカルの粘っこいブルース魂が音楽性にかなり影響を及ぼしています。「派手でかっこいいことをやりたい!」という演奏者たちの純粋な気持ちが伝わる、アツイパフォーマンスが堪能できます。収録曲はコロシアムのレパートリーは少なく、カバー中心。ジャニスの「サマー・タイム」も飛び出すなど、アドリヴが盛りだくさんであり、あまり原曲のことは気に留めずに楽しめることでしょう。

Lost Angeles
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ALICE COOPER/LOVE IT TO DEATH

ALICE COOPER/LOVE IT TO DEATH
1971年 アメリカ
『毒気とハッタリは満点』

 毎月CDを購入する際、新作ばかりでなく金欠時代(継続中)に手放したアルバムを買い戻しています。じわじわと地道に。アリス・クーパーもそんな対象の一つ。売るなよ、というお説はごもっともなのですが、一応売った時には「これはそのうちリマスターされるだろう。」という算段がありました。そしてどうですか。2011年に見事リマスターされたのです。実は2000年代初頭に売って以来、久しぶりに我がCD棚に帰ってきてくれたアリス・クーパーでありました。

 本作はワーナー移籍後初のアルバムで通算3枚目。これの前に2枚のアルバムが出ており、自分でもかつて所有していたのですが、内容が思い出せません。「そういうことだ」と割り切って今回はこのアルバム(3rd)からコレクションしている次第です。
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 プロデューサーはボブ・エズリン。アリス・クーパーとの初仕事だけではなく、プロデューサーとしても本作が最初の仕事とのことです。彼の素晴らしい仕事振りを理解するには初期2枚との聴き比べが一番分かりやすいでしょう。ありました。マイナーさ加減と演奏のしょぼさは伝わりますが、これはこれでいいです。

 炎や人形の破壊など、過激な演出を前面に打ち出したショック・ロック・スタイルは、未だ芽が出た程度だったはずですが、グラム・ロックに呼応したキャッチーなロックンロールという音楽性は既に固まっています。モノクロ・ジャケからのイメージ通り、暗くマイナーな曲が多いものの、毒気とハッタリは満点で楽しめるアルバムです。バンド・メンバーそれぞれが楽曲を持ち寄っているのもナイスなポイント。

I’M EIGHTEEN
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