JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF

JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF
1971年 日本
『執念を感じるべし』

 和楽器を用いた独自の和洋折衷音楽に取り組んだパイオニア、喜多嶋修と、日本のロック黎明期を支えたエンジニア、吉野金次がタッグを組んだプロジェクト、ジャスティン・ヒースクリフの唯一作。

 解説によると多重録音の拘りから「米国の一人マッカートニー」と呼ばれるエミット・ローズから触発されたのが切っ掛けで、「ビートルズのスタジオ・ワークを日本で再現する」というコンセプトにより制作されているアルバムです。
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 全編英詞による研究成果をまとめた録音というべきもので、後期ビートルズの手法を再現しています。当時は画期的だったことも頷けるところ。あまりオリジナリティーが感じられないのは事情が事情なだけに仕方ない部分です。本家よりもファズ・ギターが前面に出ているなど、微妙な質感の違いを楽しむのが吉でしょう。何よりも徹底した拘りには執念、妄執が感じられ、圧倒されます。
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STEELEYE SPAN/Please To See the King

STEELEYE SPAN/Please To See the King
1971年 イギリス
『「生真面目さ」が伝わってくるエレクトリック・トラッド』

 以前、英キャッスル・レーベルからリマスター盤が再発されていたのですが、本作のみ買い逃してしまっていました。初CD化の盤は音質が激悪だったのでずっと探していたのですが、あってもプレミア価格でげんなり。しかし遂に初期3タイトルがリマスター再発されることになりました。ありがとう!
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 フェアポート・コンヴェンション、ペンタングルと並ぶ3大フォーク・ロック・グループの一角、スティーライ・スパン。英トラッドを探求すべくフェアポート・コンヴェンションから脱退したアシュレイ・ハッチングスを中心として、1970年に結成されました。初期にはトラッド色の強い硬派なグループでしたが、やがて時代と共にポップ化。硬軟ともに柔軟に対応するグループという印象もあります。本作は硬派な時期にあたるセカンド・アルバムです。

 本作より英フォークを代表するギタリストであったマーティン・カーシィと、フィドル奏者ピーター・ナイトが加入。またドラムレスで録音されています。

 「生真面目さ」が伝わってくるエレクトリック・トラッドの数々は、荘厳ではあるもののとっつきにくい雰囲気がプンプン。朗々と歌い上げるマディ・プライアの歌声やリズミカルなフィドル、厳かなギター等によるアンサンブルからは緊張感がビシバシと伝わり、背筋が伸びてしまいます。英トラッドの凄みをそのままエレクトリック化している強力なアルバム。

Lovely on the Water
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Heads Hands & Feet/ Heads Hands & Feet

Heads Hands & Feet/ Heads Hands & Feet
1971年 イギリス
『沼に片足を』

 マッスル・ショールズ・スタジオ誕生から2年を経た1971年。イギリスにもじわじわと浸透してきたスワンプ・サウンド、その洗礼を受けたミュージシャン達。彼らが生み出すことになるブリティッシュ・スワンプの作品群、その最初期にあたるグループがヘッズ・ハンズ&フィートです。

 今日、エリック・クラプトンのツアー・ギタリストとしても知られるアルバート・リー、チャス&デイヴとして活躍することになるチャス・ホッジズなど、当時から腕利きのセッション・プレイヤーとして知られていたメンバー達が結成したグループ、ヘッズ・ハンズ&フィート。そのデビュー作です。
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 先に書いたように彼らはスワンプからの影響を色濃く反映した音楽性を持っていますが、前身グループではサイケ・ポップをやっていたりと基本的に流行に敏感であり、一山当てたいという野心が分かりやすいグループです。本作でもブルース、R&Bというスワンプ要素だけでなく、フォーク、カントリー、ジャズ・ロックなどの要素が混在。まさにファーストらしい取っ散らかり具合ですが、アメリカ南部へのリスペクトという筋は通っています。歌唱、演奏共に申し分なく、アメリカ憧憬の奥から侘しさが滲み出るイギリス出身グループならではの音楽が楽しめるアルバム。

 永らく、音質の悪いシー・フォー・マイルズ盤で我慢して来た本作ですが、2016年にSHM-CDにて再発されています。

Country Boy
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DAVE KELLY/DAVE KELLY

DAVE KELLY/DAVE KELLY
1971年 イギリス
『枯れたブルース・ギターと渋いヴォーカルが炸裂』

 ザ・ブルース・バンドのリーダーであり、ジョン・ダマー・ブルース・バンドのギタリストとして活躍していたデイヴ・ケリーがジョン・ダマー・ブルース・バンド脱退後に発表したセカンド・ソロ。前作のレビューはこちら
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 セッション・メンバーにはジョアン・ケリー、セッション集団ランプルスティルトスキン、そしてピーター・グリーンが変名で参加しているとのこと。その他、デイヴ・ケリーのブルース仲間と、ジャズ系プレイヤーも参加しています。

 相変わらず当時24歳とは思えない、枯れたブルース・ギターと渋いヴォーカルが炸裂しています。今回のソロ作はバンド録音がされており、前作よりも聴きやすい印象。ロックがカラフルで多様化していた1971年という時代を反映して、ブルース・ロックのみならずフォーク・ロック、ファンクにも挑戦しており、バラエティー豊かな楽曲群となっています。色々と手を出しているとは言え、どれも後追いで聴いてみると伝統的なものばかり。セッション・プレイヤー達の時にシリアス、時に熱狂的な演奏もあり、ジョン・ダマー・ブルース・バンドから続けて聴いても違和感なく楽しめるアルバムだと思います。「朝日のあたる家」のようなハードボイルドなブルース「The Fields Of Night」ではピアノが幻想的に舞っており印象的。このような細やかなアレンジも聴きどころ。

Green Winter
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THERAPY/ALMANAC

THERAPY/ALMANAC
1971年 イギリス
『優雅なブリティッシュ・フォーク』

 誰にでも、絶対いつか聴くぞ!と思っているレア盤が何枚かあると思います。僕にとってのそのうちの一枚だったセラピーのファースト・アルバムが遂にCD化されました。やっぱりBIG PINKは凄い!

 黄昏時の岩壁に腰を掛けるメンバー3人、セラピーのバンド・ロゴ。12星座をテーマにしたオリジナル曲で構成された内容。ゲスト
にはペンタングルのリズム隊が参加。これがCD化されていなかったのですから、聴いてみたくもなります。
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 セラピーはあまり知られていないフォーク・グループ。ジャケ写の通り、女性一人、男性二人のトリオ。デイヴ・シャノンとサム・ブラッケンによるラグタイム・バンドへ、女性シンガー、フィオナ・シンプソンが加入した経緯で結成されたそうです。楽曲は全てフィオナ・シンプソンによるオリジナル。

 解説ではジョニ・ミッチェルからの影響が強い、と触れられていますが、確かにサード辺りまでの穏やかでフォーキーなジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる曲を書いています。弦楽四重奏を加えた、優雅なブリティッシュ・フォークが全編で楽しめる好盤。期待通りです。

今回はYOUTUBE動画がありませんでした。
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