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遠い国の異邦人/群れを離れて

遠い国の異邦人/群れを離れて
1975年 日本
『再発見されるべき良質フォーク・ポップ』

 1975年に唯一のアルバムを発表した男女デュオ。ポプコン出身らしいのですが、全く知りませんでした。「太田ぼう、金森幸介のサポートを得て」という帯の文言に釣られて購入しました。元々、異邦人というグループ名だったのですが、再発を期に改名したとのことです。珍しいパターン。

 太田ぼう、金森幸介のサポートという部分が作曲に関わってくれていれば、と思っていたのですが、提供曲は全く無し。太田ぼうはA面5曲のディレクターとして、金森幸介はアコギでボーナス・トラック1曲に参加しています。
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 ほとんどの曲をメンバーの1人である新田和義が制作。ふるさとの情景を歌うものが多く、郷愁やノスタルジーを誘うフォーキーな楽曲が揃っています。I.M.O.BANDに通じるものがあり、そういう意味では太田ぼう、金森幸介のサポート目当てでも満たされる音楽です。

 URCっぽいとも言える優しいフォーク・サウンドは70年代中頃という時代を考えると、1周遅れている音楽だったのかもしれず、その辺りが人気を得られなかった要因でしょう。21世紀となった今では、そのような流行とは関係なく新鮮に楽しむことが出来ます。復刻してくれてありがとうございます。

動画はありません。
関連するタグ 日本フォーク

FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN

FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN
1975年 イギリス
『どんより英フォークの隠れた佳作』

 以前ビッグピンクで再発されたファラウェイ・フォークの2ndを紹介していました。今回はそれに続き、4thが再発されました。

 ファラウェイ・フォークは2組の男女で結成されたフォーク・グループとして、1969年に結成。2ndリリース後に1組の男女が脱退することになり、メンバーが入れ替わっています。
Faraway Folk - [1975 ENG] - Seasonal Man

 英フォークのガイド本ではたびたび掲載される本作。2ndでのほのぼのとした空気感は無く、峻厳な寒さを感じさせるシリアスなエレクトリック・フォークとなっています。解説では初期スティーライ・スパンなどが引き合いに出されていますが、それも納得の硬派路線。タブラやリコーダーも入っています。1975年という時期を考えると、数年遅めの音楽性という印象ですが、英フォーク好きにはど真ん中に突き刺さる魅力的なアルバムです。

Coming Back To Brixham
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ALICE COOPER/WELCOME TO MY NIGHTMARE

ALICE COOPER/WELCOME TO MY NIGHTMARE
1975年 アメリカ
『悪夢に没入できなくなった僕ちゃん』

 アリス・クーパーというバンドが解散し、アリス・クーパーがソロ名義として発表した初めてのアルバム。ですが、ひっくるめて通算8枚目と数えられています。近年は本作の再現ツアーや続編を発表するなど、再評価が著しいアルバムです。
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 ただ今、私は、紙ジャケを後追いで購入してアリス・クーパーを再コレクションしている最中。これまで輸入盤しか所有していなかったこともあり、詳細な和久井さんによる解説がとても為になっております。本作ではボブ・エズリンがルー・リードのライブ盤で参加していたバック・バンドを引き連れて、本作を録音したことが書かれていました。そうだったのか!しかもルー・リードのライブ盤(『Rock 'n' Roll Animal』『Lou Reed Live』)の素晴らしさにも触れており、自分はまだ聴いたことが無いので・・・・・・これは聴かねば。

 シアトリカルなロックという基本はそのままに、よりポップになった音楽性。作曲面では新たにバック・バンドのメンバーとして加わったディック・ワグナーが参加しています。解説にもありますが、彼は「悪夢へようこそ」「ブラック・ウィドー」「血を流す女」など、ハイライト・ナンバーに貢献している素晴らしいソングライター。結果として、本作は「スティーヴンの見た悪夢」をテーマとしたコンセプト・アルバムながら、小難しさは一切無く、従来のシアトリカルな魅力はそのままに楽しく聴ける内容となっています。
 
 最初に聴いた中学の頃は、この物語に没頭したものです。今、聴き返してみると懐かしい気持ちと共に、本気で没入できない(面白がってしまう)自分に寂しさを感じてしまいました。

曲は探せず。最近、youtubeの規制が厳しくなりましたね。

関連するタグ アメリカHR/HMロック

Tom Jans/The Eyes Of An Only Child

Tom Jans/The Eyes Of An Only Child
1975年 アメリカ
『ロック度が高く華やかになった2nd』

 当ブログでは既にファーストを取り上げているトム・ヤンス。今回はセカンド・アルバムを取り上げます。本作は2016年に「ナイス・プライス・リターンズ」シリーズでの再発がされています。以前から当シリーズのリストに入っていたアルバムですが、今回は1300+税ですからお買い得度も格別。

 ロサンゼルスを拠点として活動していたSSW。1974年にファーストをリリースした後、翌年に発表したセカンド・アルバムが本作です。

 元来、カントリーを土台にした楽曲作りを得意とする彼がバンド・サウンドに興味を示して制作されたアルバムです。特にリトル・フィートに影響を受けていたらしく、ローウェル・ジョージが2曲に参加。作曲とプロデュースを担当。デヴィッド・リンドレー(g)、ジェシ・デイヴィス(g)、ジェフ・ポーカロ(dr)など、ローウェル・ジョージが連れてきた一流のセッション・プレイヤーが録音に参加しています。
 
 ロック度が高まっているのは確かで、「Where Did All My Good Friends Go?」など一部の楽曲では横乗りのグルーヴ感が強調されていて、SSWの作品とは思えないバンド・アンサンブルが楽しめます。ただし主軸はあくまでも内省的なカントリー・フォーク。ローウェル・ジョージが参加した2曲を含め、多くの曲は牧歌的な味わいの優しい歌で占められています。バンド・サウンドが強化された影響で、より瑞々しく叙情性が際立っているのがポイント。新しい試みがアルバムに奥行きを与えています。
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そして抜群のアルバム・ジャケット。これも含めて人気の高い作品です。

Lonely Brother
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GUY CLARK/OLD No.1

GUY CLARK/OLD No.1
1975年 アメリカ
『日本盤が出ていなかったのが意外』

 ソニーのナイス・プライスと言えば、廉価盤の老舗。僕も高校生の頃に行きつけのショップでナイス・プライスの小冊子を貰い、月々の小遣いで購入するラインナップを年単位で計画していたものです。そんなナイス・プライスがリターンズとして復活。1300円+税という更にお安い価格設定がありがたい。先に紹介していた「AOR CITY1000」の安さには及びませんが、ナイス・プライス・リターンズでは歌詞対訳が付いております。(「AOR CITY1000」は無し)やはり日本盤で買う場合、対訳が付いているとうれしいもの。曲とゆっくり向き合える材料になりますから。早速、いくつかのCDを買っているので紹介したいと思います。

 まずはSSWアルバムの中でも名盤として名高い、ガイ・クラークのデビュー作を選びました。有名なジャケが馴染み深かったのですが、意外にも日本初CD化だそうです。
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 1941年生まれ、1971年よりナッシュビルを拠点として作曲家のキャリアをスタートさせたガイ・クラーク。ジェリー・ジェフ・ウォーカー、リタ・クーリッジ、トム・ラッシュなどに楽曲を提供していました。本作はそれら提供曲を含んだデビュー作となります。

 カントリーを土台とした旅情豊かな作風が特徴。哀愁を漂わせた風景描写が印象的な歌詞、切ないメロディー、そして温もりと親密さを感じさせる味わい深い歌声、全てが素晴らしい。
カントリー系のSSWは泥臭く地味、という身もふたもない偏見があったせいでずっと素通りしてきたのですが、もっと早く聴くべきでした。それでも日本語の対訳が付いた今回の再発で初めて向き合えたのは良かった。秋にピッタリな一枚でもあり。

Desperado's Waiting For A Train
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