GLIM SPANKY/Music Freak

『日本語でかっこいいブルース・ロックとは、ありがたい!』

ディストーションてんこ盛りのヘヴィなブルース・ギター、しゃがれ声でシャウトする女性ヴォーカル。
抜群にかっこいいブルース・ロックをやっているデュオ、GLIM SPANKY。
交流させていただいているブログを通じて教えていただきました。
今回は一気に既発タイトル3枚をご紹介。

GLIM SPANKY/Music Freak
2013年12月 日本

 ジミヘンとジャニスと浅川マキを掛け合わせたような
サイケデリックなヘヴィー・ブルースを5曲収録したデビューEP。
工夫されたエフェクトの掛け方や跳ねたビートには21世紀を感じるものの、
やっていることは王道ど真ん中。
それを日本語でやるインパクトは大です。
ライヴ・レコーディングも含む荒々しい録音も素晴らしい。

焦燥
2014年4月 日本

 セカンドEP。AC/DC調スロウ・ブギかと思いきや、
サビでギア・チェンジして一気に疾走するタイトル曲がカッコイイ。
太いギター・リフが前作以上に強調されており、ホワイト・ストライプス度が上がっています。
カバーを2曲収録。
アデル「Rolling In the Deep」は原曲にあったブルースが強調されていてなるほど、と唸らされました。
荒井由実「ひこうき雲」はストレート・カバー。
コブシを効かせた歌唱が新鮮であり、且つラスト・ナンバーとしてアルバムを締めています。

褒めろよ
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小田朋美/シャーマン狩り

小田朋美/シャーマン狩り
2013年12月 日本
『見落としていた2013年の新星』

 以前、こちらの記事でチェックしていた小田朋美。
じわじわ気になってきて購入してみました。

 前回書いた通り、
クラシックの素養を持ったピアノ弾き語りのシンガー・ソングライターです。
Perfume、YMO、Spank Happyという3つのグループのカバーを収録。
聴く前はもっと硬派な内容かと思っていたのですが、
軽やかな室内楽ポップスという感じでとても親しみやすいアルバムでした。

 プロデュースはSpank Happyの菊地成孔ですが、カバーの選曲など
サポートが中心となっているそうです。

 ヴァイオリン2、ヴィオラ2、ドラム、そして自身によるピアノという
クインテット編成での録音が半分ほど。
残りはドラムとのデュオとなっています。
ピアノはジャジーなフレーズも織り交ぜており、瑞々しい音色が印象的。
クインテットでの録音では弦楽器のアンサンブルが加わって
ダイナミックな演奏が楽しめます。

 現代音楽、ジャズ、クラシックを混ぜ合わせた自作曲群は
退廃的な雰囲気を持っており、既に独自のスタイルを感じさせます。
また宮沢賢治や谷川俊太郎、寺山修司といった詩人の詩を歌にしているのも特徴。
童謡のメロディーを織り交ぜて、和を感じさせてくれます。

 また先述したようにカバーを3曲収録。
室内楽風に大胆にアレンジされており、こちらも新鮮な聴き心地。

 歌声も魅力的。凛々しくも、どこかおきゃんな印象も残す、高音ヴォーカルです。
カバーと、このヴォーカルで硬派な世界観を親しみやすく仕上げている印象。

 久しぶりに「なんだこれは!」と思ってしまいました。
それくらい鮮烈なアルバムで2013年中に聴いておけばよかった、と今は後悔しております。

小田朋美1stアルバム『シャーマン狩り -Go Gunning Shaman-』告知動画①〔風が吹き風が吹き〕ver.
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Saint Lu/2

Saint Lu/2
2013年2月 オーストラリア
『姉御肌ヴォーカルの注目株』

 ブルージーで骨太。直球のロック・サウンドを好む土地柄。
それがオーストラリア。
もちろん筆頭はAC/DC、その他にもエアボーン、ジェット、ヴェインズ・・・
(本当はビージーズを筆頭とする爽やか叙情組も居ますが)

 今日、紹介するセイント・ルーも、そんなオーストラリア出身の女性SSW。
本作はタイトル通り2枚目となります。

 どうやら何らかの国際コンクールに出場したことで注目を集め、
本国オーストラリアやドイツなどで名を広めているようです。
ドイツで人気を得るのも納得で、
彼女はニコやニナ・ハーゲンのような
エキセントリックな雰囲気に満ちています。
 
 まず歌声が魅力的。ジャニス・ジョップリンや
復帰後マリアンヌ・フェイスフルのような
酒焼けあばずれロック・ボイスを持っており、
やさぐれたかっこよさと色気を感じさせます。

 音楽性はブルース・ロックにダンス・ミュージックを
足したような躍動感溢れるもの。
打ち込みを加えたバンド・サウンドをベースとしています。

 これが正確な例えか分かりませんが、
初期ラッシュとドナ・サマーを足したような感じでしょうか。
ブルース・ロックならではのパワフルなイメージは保ちつつ、
ダンサフルな魅力も併せ持っているので、躍動感に溢れています。

「Craving」
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原田茶飯事/光るジュレのなかから

原田茶飯事/光るジュレのなかから
2013年8月 日本
『正月気分増幅』

 買いそびれていた原田茶飯事のアルバムを、最近やっと手に入れました。
経歴については過去のレビューを参考にしてください。
なんて書いていると、何だか記事が充実してきたと実感してきました。

 ソロとしては初めての全国流通盤。遅ればせながらおめでとうございます。
今回も自宅録音で制作されていますが、音質はかなり良好。
一味違います。
バラード・ナンバーでは
宅録ならではの密室的でアットホームな魅力を発揮。
ここでは掠れ気味の柔らかい歌声も素晴らしい。
一方でアップ・テンポでは
サックスやコンガ、フィドル、コーラスでゲスト・ミュージシャンが参加しており、
セッションらしい熱気を感じることが出来ます。
バラエティーに富んだアルバムです。

 音楽性は従来通り。ボサノヴァ、ソフトロックを通過した洗練されたポップスをやっています。
初の全国流通ということで、顔見せ的な性格も強いのでしょう。
総決算という感じ。
敢えて言えば彼自身によるピアノ、そしてゲストのサックスが活躍する曲では
かなりジャジーになっており、この辺りは新機軸でしょうか。
一度聴いてすぐ頭にこびりつくようなメロディーこそ無いものの、
のほほんとした旋律が心地よいです。

 タイトル曲「光るジュレのなかから」は朝帰りして
いつ起きるかも決めずに微睡の中に落ちていく歌。
日本の喧騒を生き急いでいるような人間には
こういう音楽はとても助かります。

「はだかのうたをください」
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Rigby/Island On Mainland

Rigby/Island On Mainland
2013年10月 オランダ
『アイドル・シンガーはビートルズがお好き』

 リグビーは「エリナ・リグビー」のリグビー。

 アイドル・オーディション番組、アメリカン・アイドルのシーズン4にも出演した
アイドル歌手クリストン・クルースターバー。
彼を中心に結成された鍵盤入りロック・バンド、
リグビーによる4枚目のアルバムが本作です。
本作に先駆けてリリースされたシングル曲
オランダでのシングル・チャート29位という
過去最高の実績を記録。勢いに乗ってのアルバム発表となりました。

 大らかで爽やか、オランダのグループながら
アメリカン・ロックの王道を行くスケール感を持った
オーセンティックなサウンドが特徴。
清涼感溢れるキーボードによる音色がアクセントになっています。
そして最初に書いたバンド名由来でも分かるとおり、
ビートルズへのリスペクト溢れる甘いメロディーも魅力の一つ。
バンド名からも察せられますが、どちらかと言うとポール派でしょう。
全編ビートルズという訳ではありませんが、
そういう傾向が強いナンバーこそが聴きどころとなっています。

 オーディション番組で活躍したというヴォーカルは、
感情を込めた爽やかな歌声で文句なし。声量も素晴らしいです。
ヴォーカルを中心とした楽曲構成のため、楽器アンサンブルに見せ所は
あまりありません。やや人工的な感触あり。ただし安定感はあります。

「We Haven't Lost (Just Not Yet Won)」
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