ニカの夢について。

 okmusic掲載「ミュージック・ソムリエが選ぶ、こんな時に聴きたい曲」。
今週のテーマは『願い事をする時に、聴くとご利益がありそうな曲』でした。
わたしはウェス・モンゴメリーの「Nica’s Dream」を選曲。
元記事はこちら
 ここでは字数の関係で載せられなかった補足情報などをまとめておきたいと思います。
以下、記事を読んだうえでご覧ください。
楽しい音楽生活の一助となれば。
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1 「Nica’s Dream」について。

 本文でも書いた通り、ホレス・シルバーが作曲しており、
オリジナルはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズによるもの。
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Barbecue Bob/ Rough Guide to Barbecue Bob

Barbecue Bob/ Rough Guide to Barbecue Bob
1920年代 アメリカ
『違いが分からない男のブルース・レビュー21』 

 かなりブランクを空けてしまいましたが、久しぶりのブルース・レビューをお楽しみいただければと思います。

 1920年代、アトランタのブルースをブラインド・ウィリー・マクテルと共に支えていた人物。
それが本日の主役、バーベキュー・ボブです。
バーベキュー・ボブは気ままに放浪暮らしを続けた自由人で、
自動車の修理工やシェフといった仕事に付きながら、お客さんの前で歌う、という生き方をしていたそうです。
12弦ギターはテキサスを訪れた際、レッド・ベリーより教えを受けたことによる影響とのこと。

 バーベキュー・ボブはアトランタのブルース・シーンを物色していたコロンビアによって発見され、
1920年代後半に60曲ほどの録音を残したそうです。
そして1930年、最後のレコーディングの数か月後に死去。まだ29歳という若さでした。
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 師匠にあたるレッド・ベリーと比べると、バーベキュー・ボブには毒がありません。
より愛敬を振りまいた親しみやすいラグタイム・ナンバーを得意としています。
振り絞るような豪快な歌声と、ボトルネックを用いたスライド奏法が彼の個性。
戦前ブルースの並み居る技巧派ギタリストたちに飲まれて、
あまり語られることのないブルースマンですが、
ブルースに軽やかなポップさを持ち込んだ彼の功績は大きいです。

 ちなみに彼の代表作として、
エリック・クラプトンがカバーした「マザーレス・チャイル・ブルース」という曲があります。
クラプトンがカバーして、何度目かの再発見のきっかけになったということですね。

 本作はバーベキュー・ボブがコロンビアに残した楽曲群から選りすぐったベスト盤です。

Spider and the Fly
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The Six/The Six

The Six/The Six
1955年 アメリカ
『6人組だからシックス』

 ウルトラヴァイヴからリリースされているベツレヘム復刻シリーズの1枚。
何も知らなければソフト・マシーンのアルバムと勘違いしてしまいそう。
毎度ながらベツレヘムのジャケは、ノスタルジックな色使いがたまりません。
6人組だからシックス。
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 以下、ライナーから抜粋したプロフィール。
1954年にボストンで結成されたグループ。
サックス奏者ボブ・ウィルバーの発案による
「ディキシーランド・ジャズとモダン・ジャズの融合」をテーマとして掲げていました。
先にベツレヘムでレコードとして発売されたルビー・ブラフ『ホリディ・イン・ブラフ』に於いて、
彼はアレンジを担当。
その手腕を認められてグループはベツレヘムに移籍。
本作がセカンド・アルバムになるとのこと。

パーソナルは以下。
ジョニー・グレイセル(tp)
ソニー・トゥルーイット(tb)
ボブ・ウィルバー(cl,ss)
ボブ・ハマー(p)
ビル・ブリット(b)
エディー・ファイフェ(ds)

相変わらずベツレヘムの演奏者はマイナーで自分には馴染みが無いのですが、
ライナーによると、トゥルーイットはマイルスのアルバムへの参加経験があり、
ハマーはチャールズ・ミンガスのバンドに短期間在籍していたそうです。

 アルバムの内容ですが、ディキシーランド・ジャズを土台にしているだけに、
活気のある朗らかな演奏が印象的。
管楽隊とピアノの絡みは爽やかで洗練されています。
即興演奏部分にはモダン・ジャズの流儀が生かされており、融合というテーマにも納得がいきます。
幼少からディキシーランド・ジャズに親しみ、
モダン・ジャズを研究したというボブ・ウィルバーならではの、ほのぼのとした味わい。
刺激はありませんが、小休止に流れるジャズとしては上々のアルバムだと思います。

"SWING THAT MUSIC": BOB WILBER at BIRDLAND (September 1, 2010)
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Red Norvo/ Music To Listen To Red Norvo By

Red Norvo/ Music To Listen To Red Norvo By
1957年 アメリカ
『隠れヴィヴラフォン奏者』

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 ジャケ買いの一枚。
ロッド・スチュワートのファーストにも通じる、
孫とたわむれるおじいちゃんジャケから、ほのぼの感が漂っております。

 ヴィブラフォン奏者のレッド・ノーヴォと言われても全く知らない方だったのですが、
彼は戦前から活躍するジャズにヴィブラフォンを導入したパイオニアとのこと。
1949年、タル・ファーロウとチャールズ・ミンガスの二人と共に
レッド・ノーヴォ・トリオとして活動を開始。
このトリオは短い期間のみで解散となりましたが、
当時、貴重なヴィブラフォン奏者としてひっぱりだこであり、
ベニー・グッドマンやビリー・ホリディ、フランク・シナトラなどのバックも務めていたようです。

 本作のクレジットは以下。

Red Norvo (Vibraphone)
Buddy Collette (Flute)
BILL SMITH (Clarinet),
Barney Kessel (Guitar)
Red Mitchell (Bass)
Shelly Manne (Drums)

 ウエスト・コースト・ジャズ・シーンに於けるダブル・ベースの名手、
レッド・ミッチェルがいますね。
彼はトリオ解消後のレッド・ノーヴォと長きに渡り、行動を共にしています。
またフルート奏者バディ・コレットの存在にも注目。
この方は個人的には初めまして、なのですが、マルチの管楽器奏者として活躍していたそうです。
メインはテナー・サックスなのですが、
フルート、クラリネットのプレイヤーが貴重な当時、様々なセッションに呼ばれていたとのこと。
ちなみに著名なマルチ・プレイヤーにしてフルート奏者
ハービー・マンとのデュオ作が彼の代表作となっています。(参考動画はこちら
他にはメロディアスなギター弾き、バーニー・ケッセルと、
やはりウエスト・コーストを代表するドラマー、シェリー・マンが参加。

 本作の内容ですがフルートやクラリネットとヴィブラフォンの音の重なりが
とても爽やかで優美な聴き心地。
ジャケット通りのイメージで幕を開けるオープニング「Poeme」を始め、
A面は正しく裏切らないのどかさ。
そしてB面にはビル・スミスというクラリネット奏者による器楽組曲「Divertimento」を収録。
穏やかな表情に厳かさが加わっており、しっとりとメロウな雰囲気。

リーダーのヴィブラフォンは大人しめながら、
たまにリードするギターと共に優しい音色で和ませてくれます。
面子から想像できるイメージを裏切らない優雅さが楽しめるアルバムでした。

「Poeme」
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Jimmy Nolen/The Rhythm & Blues Years

Jimmy Nolen/The Rhythm & Blues Years
1950年代 アメリカ

『違いが分からない男のブルース・レビュー⑮』

 今月はファンキー・ギターの元祖、と呼ばれるブルースマン、ジミー・ノーレンをご紹介。
ん、誰?
「ひかえい!この方はかのJB'Sのギタリスト、ジミー・ノーレン公にあらせられるぞ。」
ははーっ!
Jimmy Nolen

 なるほど、ファンキー・ギターの元祖に違いありません。

 ジミー・ノーレンは、1934年、アイダホ州オクラホマに生まれました。
9歳の頃からヴァイオリンを習っていた彼は、
14歳の時Tボーン・ウォーカーの演奏に痺れたことを切っ掛けに
「ヴァイオリンなんてやってられるか、俺はブルースマンになる!」
とハーモニーのアコースティック・ギターを購入、
独学でブルース・ギターを始めます。
そして地元のクラブでも演奏するようになっていたジミー・ノーレンを、
テキサスのアル中ブルースマンこと、ジミー・ウィルスンが 発見。
彼のバンドに誘われることに。
以後65年まで、
ジミー・ウィルスン、ジョニー・オーティスなどとのセッション、ツアーをこなす傍ら、
自身のバンドでの録音も残していきます。

 そして65年には先述したとおり、
ジェームス・ブラウンの右腕ギタリストとして活躍していくことになりますが、
それはまた別の話。
ちなみに彼は、83年に心臓発作で亡くなるまでJB'Sの一員として活躍していました。

 本作はJB'Sのギタリストとして有名になった彼が
50年代に残していた少ないレコードと発掘されたセッション音源をコンプリートしたもの。
彼のブルースは、Tボーン・ウォーカーを始め、
B.B.キングやローウェル・フルソンのスタイルを参考にしたそうです。
やはり、後のファンク路線にも通じる粘り腰のグルーヴが
ギター・フレーズに存在しているのが聴きどころ。
一方で、ホンキートンク・ピアノやホーンも入るひょうきんなムードも特徴。
やっぱりジャンプが大好きみたいです。
そしてジミーはヴォーカルも取っており、彼独自の個性とまでは行きませんが、
やはりジミー・ウィルスンに付いていただけのことはあり、
そのパフォーマンスにはほろ酔い気分で聴くのに適した
大らかさがたっぷり詰まっています。

「Strollin' with Nolen」
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